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日本と時計をテーマにした史上初めてのテーマオークション“TOKI(刻)”が2024年11月22日(金)に香港のフィリップスで開催される。
いよいよTOKI(刻)ウォッチオークションの開催が開催される。日本からウォッチする予定だという人も、香港の会場を訪れるという人も、今1度カタログを手に取って目当てのロットを精査して欲しい(全ラインナップはこちらからチェック)。
日本と時計をテーマにした史上初めてのテーマオークションとなるTOKI。同オークションの出品リストには、日本のオーナーから出品された素晴らしいコンディションの個体や日本の独立時計師によるワンオフモデル、ジャパンブランドの希少なモデルなどさまざまな“日本”を見ることができる。そしてそのなかには、“日本限定”のモデルもいくつかラインナップされている。先日掲載した「フィリップス TOKI -刻- ウォッチオークション:エディターのお気に入りの時計を紹介」でセレクトしたオメガ スピードマスター プロフェッショナル “ゴールデン・パンダ”もそれに属する1本であり、今回のオークションでは全14本の日本限定モデルが出品される予定となっている。今回はそのなかから、いくつかのロットを紹介していきたい。
ロット8: パテック フィリップ(Patek Philippe) カラトラバ ブランド150周年記念モデル
今回のオークションにおいて、パテック フィリップの日本限定モデルは4本ラインナップされている。そのなかでも個人的に特にプッシュしたいのが、この500本限定のブランド150周年モデルだ。控えめであること、ミニマルであることをよしとする日本の美学を繁栄したかのように、この時代に珍しいステンレススティール(SS)製のケースに同色のインデックスと針を備えたシンプルなルックスを有している。フィリップスの調べによるとこれまで32本がオークションで売買されているとのこと。出品されるこの個体は現地証明書、日本保証書と化粧箱がついた非常に優れたコンディションのものとなっている。ケースバックには周年であることを示す“1839-1989”と刻印されたメダルがセットされている。
エスティメートは7万8000〜12万香港ドル(約143万5000〜220万8000円)。ロット8の詳細はこちらから。
ロット9: パテック フィリップ(Patek Philippe) アクアノート 日本限定モデル
パテック フィリップからもう1本紹介しよう。本作のベースとなっているのは、現行よりもやや小振りなケースを持つ、1997年に発表されたアクアノート の初期モデルRef.5060。ブランドとしてラバーストラップを装備した初めての時計であり、初代はわずか1000本しか生産されなかったという。本作は日本限定モデルとして、ブルーのダイヤルにブルーのラバー&レザーストラップを装備しており、ブランドのスポーツモデルのなかでも初めて日本向けに販売された価値のある1本だ。インデックスと針の夜光もムラなく焼けている。製造証明書、化粧箱付き。
エスティメートは32万〜64万香港ドル(約588万8000〜1177万6000円)。ロット9の詳細はこちらから。
ロット14: ロレックス(Rolex) デイトジャスト ターノグラフ 日本限定モデル
1953年の初代ターノグラフRef.6022は、ロレックスで初めて回転ベゼルを備えたスポーツモデルの祖として知られる。それから約50年、2004年にターノグラフはフルーテッドベゼルに5分刻みで施されたアラビア数字とバーのプリントを特徴としたユニークな外観を持って復活を遂げたが、残念ながら2010年代の前半には生産を終了してしまった。今回出品される日本限定モデルは、その生産期間の終盤期にリリースされたものだ。300本限定のこのスペシャルバージョンは、通常レッドで配されていたカレンダーディスクの数字、秒針、“TURN-O-GRAPH”の文字をブランドカラーを思わせるグリーンに変更。ダイヤルカラーはブラックとホワイトが用意されていた。フィリップスは本作のケース番号(F995’188)が、ロレックスがターノグラフの生産終了間際に残っていたデイトジャスト、ターノグラフのケースを使ってこの限定モデルを生産していたのではないかというコレクター間の推測を呼んだとカタログに記載している。
エスティメートは7万8000〜16万香港ドル(約143万5000〜299万4000円)。ロット14の詳細はこちらから。
ロット18: ヴァシュロン・コンスタンタン(Vacheron Constantin) オーヴァーシーズ クロノ・デフィ・メール 日本限定モデル
ヴァシュロン・コンスタンタンでは過去の名作をオマージュした記念モデルを“コメモレーション”と呼んでいる。オーヴァーシーズをベースとしたこのデフィ・メール(フランス語で“海への挑戦”の意味)は2007年に日本限定のコメモレーションモデルとして登場したもので、マイクロ・グレイン仕上げが施されたダイヤル上には、ビッグデイトとブルーの積算計、およびタキメーター表示が見られる。同じタイミングでリリースされた別色のデフィ・メールとともにそれぞれ50本限定となっており、非常に希少で市場でもあまり目にすることはない。ケースバックにはモデル名にちなんだ、帆船の姿が刻印されている。
エスティメートは18万〜28万香港ドル(約331万2000〜515万2000円)。ロット18の詳細はこちらから。
ロット20: ローラン・フェリエ(Laurent Ferrier) ガレ・マイクロローター カミネ110周年記念モデル
神戸の地で宝飾品店として100年以上の歴史を持つカミネ。その周年モデルを作成するにあたり、4代目社長の上根亨氏が指名したのが2010年に創設された独立系メゾン、ローラン・フェリエだ。同ブランドのコレクションにおいて特徴的なガレ(フランス語で“小石”を意味する)と呼ばれるフォルムには、上根氏も強く惚れ込んでいるという。派手な主張こそないものの流れるように自然な丸みを帯びた形状の内側には、ブランドならではの最高の仕上げが施された手巻き式のCal.FBN229.01が搭載されている。ローラン・フェリエの時計には貴金属製のケースが多いが、本作では比較的珍しいSS製ケースを採用。ホワイトゴールド(WG)製のブレゲ数字、ブレゲ針と調和し、シルバーで統一された繊細な世界を展開している。このデザインは、スイスにて上根氏本人がローラン・フェリエ氏と細部まで会話しながら詰めたものだ。ケースバックには両者の関係性を示すように、周年モデルであることを示す刻印が施されている。限定3本のうちの1本。
エスティメートは16万〜20万香港ドル(約299万4000〜368万円)。ロット20の詳細はこちらから。
ロット21: ハブリング2(Habring²) フェリックス シェルマン50周年限定モデル
日本が誇る屈指のヴィンテージディーラー、磯貝吉秀氏が率いたシェルマンは2021年に50周年を迎えた。本作はそのアニバーサリーイヤーを祝うべく、2022年に登場したモデルだ。ヴィンテージウォッチを愛する両者のブレインストーミングから形になっていったという本作は、シェルマンの強い要望によりセクターダイヤルを採用。控えめなシャンパンカラーのダイヤルは外周とセンターで仕上げを分けることで奥行きを出しており、同色のアプライドインデックスと針が奥ゆかしい美を表現している。刻印されたシリアルナンバーは、20本中の1本目であることを示す。
エスティメートは4万〜8万香港ドル(約73万6000〜147万2000円)。ロット21の詳細はこちらから。
ロット23: ティファニー(Tiffany & Co.) タイム フォー スピード レースカー クロック 日本限定モデル
最後に、少し変わった時計を紹介したい。こちらは日本限定50個のうちのひとつであり、今回の全ラインナップ中唯一のクロックだ。1950年代に実在したレーシングカーを模したSSとアルミニウム製のボディにダイヤモンドをセットしており、手巻き式のCal.1855 MHDを搭載。タイム フォー スピードはティファニーが誇るスイスの時計製造の技術と、手作業で製造されるオートレース トロフィーの伝統にオマージュを捧げるコレクションであり、デスクトップトイのようなルックスに反して、各所のつくりにはブランドのクラフトマンシップを垣間見ることができる。ちなみに、プルバック式のミニカーのように平らな面で車体を後方に引くことで巻き上げることが可能だ。
エスティメートは20万〜40万香港ドル(約368万〜736万円)。ロット23の詳細はこちらから。
Hero image by Yusuke Mutagami, Photos by Phillips