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ダイヤルにむき出しになったムーブメントが回転して時を示す。ユリス・ナルダン代表するコレクションのひとつであるフリークにフォーカスした特別イベント「FREAK IMMERSIVE EVENT 2023」が2023年11月11日(土)と12日(日)の2日間にわたって開催された。
2日間のうち、11月12日(日)にはグランド ハイアット 東京21F プレジデンシャルスイートに15名の読者を招待し、ユリス・ナルダンとHODINKEE Japanのコラボレーションイベントを実施。HODINKEE Japan編集長、関口 優とWebプロデューサー兼エディターの和田将治によるトークセッションのほか、コレクターミーティング、さらには滅多にお目にかかることのできない歴代フリークの数々を、実際に手に取って体験できる貴重なタッチ&フィールの機会も設けられた。
今回のイベントは15名のみのエクスクルーシブなイベントとなったため、応募いただいたものの参加が叶わなかったという方もいるのではないだろうか? そんな方たちのために、まさにフリーク尽くしとなったイベントの様子を、ほんの少しだがお届けしよう。
時計界に大きな足跡を残した、異形の異端児
文字盤がない、針がない、そしてリューズがない。その名が示すとおり、フリーク(=異例、異形)は、従来の腕時計のスタンダードから逸脱した、まさに名は体を表す腕時計として2001年に誕生した。もちろん、そのスタイルもそうだが、フリークが何より革新的で挑戦的であったのは、単にそのデザインがアバンギャルドであっただけでなく、時計業界に大きな影響を与えた点にある。
ひとつは歴史の陰に埋もれていた古典の機構を掘り起こし、進化させたセンターカルーセル機構だ。これはテンプを含めたムーブメント自体を回転させ時刻表示する機構で、キャロル・フォレスティエ=カザピ女史(1997年に考案)のコンセプトを元に、ルードヴィッヒ・エクスリン博士の手によって実現化した。古典的な機構に着想を得て進化させる。機械式ならではのムーブメントに価値をみいだし、マニュファクチュールの優れた技術力と独創性を世に知らしめるという試みは、時計業界を活気づけた。
またセンターカルーセル機構の実現において、輪列やテンプ、脱進機が載る大きく重い分針を動かすために、フリークはエネルギー効率に優れた新しいデュアルダイレクト脱進機を搭載したが、これには軽量化と超精密加工が必須。そこで脱進機に時計界で初めてシリコン(シリシウム)が用いられた。今では多くの時計ブランドが使用するシリコンパーツだが、これをいち早く実用化したのがフリークだったのだ。
その後もフリークは、新技術・新素材の実験場として、斬新なデザインのキャンバスとして進化を続けることになるが、イベントではその革新と挑戦の歴史の一端を読者の皆さんと共有した。フリークのことをもっと知りたいという方は、記事「Identity of the Freak: ユリス・ナルダン フリーク 進化の系譜をたどる」をチェックいただくとともに、ぜひとも以下にリンクもご覧あれ。
トークイベント終了後はコレクターミーティング、そして待望のタッチ&フィールへ
フリークの歴史を振り返るトークイベント終了後は、来場して下さった読者の皆さんと編集部も参加してのコレクターミーティングの時間に。そして、なんと言っても目玉のコンテンツは、歴代フリークのタッチ&フィールだ。2001年に発表された初代フリークをはじめ、マイルストーンとなった歴代モデル(一部)から現行のフリークコレクションが並べられ、そのすべてが実際に触って着用することができる。フリークコレクションはユリス・ナルダンのアイコンともいえるモデルだが、製造数は決して多くはなく、どの時計店でも扱っているようなコレクションでもでもないため、実機を実際に見ることができるまたとない機会となった。
フリークのヒストリーを語る上で欠かせないマイルストーンモデルに触れることができる貴重な時間であったが、多くの読者の方が興味を示していたのは、やはり現行のフリークコレクション。2022に発表されたフリークS(クロノメトリック フリーク)はすでに完売となっているため購入はできないものの、リューズを備えて日常的に使いやすいところが魅力のフリーク X、そして2023年のジュネーブ時計グランプリ(GPHG)でアイコニックウォッチ賞を受賞した話題の新作フリーク ワンも実際に触れるとあって、多くの読者が興味津々の様子だった。
タッチ&フィールで読者の皆さんがフリークを着用している様子を撮影したが、やはり気になるのは、HODINKEEのイベントでは恒例となった来場者のリストショットも、もちろん押さえている。皆それぞれに自身のこだわりが感じられるセレクトで、飽きることなく見ていられた。
約2時間のイベントは、あっという間に時間が経ってしまったが、濃密な時間を読者の皆さんと過ごすことができた。また近いうちに、読者の皆さんとお会いできる日が訪れることを願っている。
ユリス・ナルダンについて、時計の詳細については知りたい方は公式サイトへ。
Photographs by Keita Takahashi