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※本記事は2015年4月に執筆された本国版の翻訳です。
ここ数年、チューダーのヴィンテージウォッチへの関心が高まっている - もちろん現行の時計が素晴らしいからに他ならないのだが。話題になるのは、ヘリテージクロノグラフ、ブラックベイ、ペラゴス、ヘリテージアドバイザー、レンジャーの面々である。ここで言及されている時計の多くは、チューダーのアーカイブからの直接開示されたものであり、鮮やかな色彩と冒険的なデザインの宝庫である。今日は、チューダーの社内アーカイブにある門外不出の時計をご紹介しよう。そう、これらはチューダーが所有している時計であり、その多くはジュネーブ本社を離れることなく、中には生産されることのなかったプロトタイプも含まれている。
1932年に発売されたオーストラリア市場向けのチューダー
チューダーのブランド名は1926年にさかのぼるが、ハンス・ウィルスドルフが会社を登記した際、彼は時計会社ファミリーを構築することを望んでいた。ロレックス帝国の黎明期については、ロレックスの内部を詳しく紹介しているこちらの記事をお読みいただきたい。1930年代前半になると、ダイヤルに記されるブランド名は控えめになった。このトノー型ケースは、オーストラリアの代理店向けに製造されたものである。
1950年代のオイスタープリンス
チューダーは常に兄にあたるブランドとは独立したブランドであったが、ロレックスの技術革新の恩恵を多大に受けていた。“デカバラ”のロゴが入ったこのオイスタープリンスは、自動巻きムーブメントと防水性を備えており、一族の価値観を如実に表している。
1950年代のチューダー アドバイザー Ref.7926
1957年に発表されたアドバイザーは、チューダーが独自開発に着手した最初のモデルの1つである。アラームウォッチは、当時としては非常に実験的なコンセプトであったが、今でもチューダーのDNAの一部となっている。
1950年代のチューダー アドバイザー アラームウォッチ
1950年代のアドバイザーが最もよく知られているが、チューダーは1970年代らしい造形のケースを使ってアドバイザーを復活させた。これらの時計は非常に珍しく、1970年代を彷彿とさせる。
チューダー サブマリーナー Ref.7922
1954年、チューダーは私たちが最も連想しやすい世界に1歩を踏み出した - スポーツウォッチである。ここで極初期のチューダー サブマリーナー Ref.7924を見てみよう。ケースは初期のロレック サブマリーナーと共有であり、ムーブメントにはフルリエ社製のCal.390を採用した。
チューダー サブマリーナー Ref.7923 唯一の手巻き式ダイバーズ
このRef.7923は、チューダーの最も希少な時計の1つであり、ロレックスのダイバーズウォッチコレクターにとっても興味深いものである。このリファレンスは、ファミリー唯一の手巻き式のダイバーズウォッチなのだ。手巻き式のため、他のサブに比べて時計全体の厚みはかなり抑えられている。また、他のチューダーサブでは見られないユニークなペンシル針を採用している。
サブマリーナー Ref.7928
Ref.7923の後には、“ビッグクラウン”のRef.7924、次いでRef.7928がリリースされた。Ref.7928は、リューズガードを備えた最初のチューダー サブマリーナーであり、チューダーダイバーズウォッチの第2世代を担うこととなった。
チューダー サブマリーナー Ref.7016
Ref.7016は、チューダーにとってゲームチェンジャーとなった時計だ。もはやフルリエ社のムーブメントはその役目を終え、代わりにそれから数十年もの間、サブマリーナーのムーブメントにはETAキャリバーが採用されたのだ。多くのRef.7016はオールドスタイルなダイヤルとメルセデス針の組合せで生産されたが、スノーフレーク針とのダイヤルも散見される。
チューダー サブマリーナーデイト Ref.7021
Ref.7021はデイト付であること以外はRef.7016と同じといっていい。
チューダー サブマリーナー Ref.9401
Ref.9401は、フランス海軍(マリーンナショナーレ)に供給していた時計を含め、1970年代を通してチューダーらしさを定義する時計だ。当初はブラックダイヤルであったが、すぐにアイコニックなブルーに取って代わられた。
チューダー サブマリーナー Ref.7900系
Ref.7900系サブマリーナーは、1980年代初頭までにアイコニックなスノーフレーク針を廃止した。それに伴い、メルセデス針と、より伝統的なダイヤルが採用された。
この時計の特別なモデルの一例が、ここに見られる作品だ - 日の目を見ることがなかったバーガンディベゼルを備えたプロトタイプのサブマリーナーだ。それは後のヘリテージブラックベイのカラーインスピレーションの布石となった。
チューダー “ホームベース” クロノグラフ Ref.7032
1970年、私たちはチューダー初のレーシングクロノグラフを目にすることになる。スティールベゼルのRef.7032とブラックタキメーターベゼルのRef.7031は、その後数十年の間に、ファンキーで色とりどりの時計を生み出した。
チューダー “ホームベース” Ref.7033 プロトタイプ
Ref.7032とRef.7031は驚くほど希少価値の高いヴィンテージウォッチであるが、どちらもこの時計とは比較にならない。この時計は幻のRef.7033で、12時間回転ベゼルを搭載したプロトタイプだ。この時計はついに生産されることはなかったが、数年前に発表されたヘリテージ クロノグラフがインスピレーションを得ている。このモデルは40年以上にわたってチューダーの保管庫の中に眠っていたそうだ。
Ref.7100系 モンテカルロ クロノグラフ
ホームベースの後にはRef.7100系クロノグラフ、通称“モンテカルロ”と呼ばれるモデルが登場する。ダイヤルとベゼルのカラーバリエーションが多数あり、全て同じダイヤルレイアウトとムーブメントを共有した。これらの時計は非常に人気が高いが、初期のホームベースの希少性や価値とは比較にならない。しかし、チューダーを代表する素晴らしいヴィンテージクロノグラフであることに違いない。
チューダー Ref.9400系 ビッグブロック 自動巻きクロノグラフ
それまでのチューダークロノグラフは全て手巻きで、2レジスターのバルジューキャリバーのうちの1つを搭載していた。“ビッグブロック”クロノグラフの登場により、自動巻きキャリバーと3レジスターへと進化した。
チューダークロノグラフ Ref.79260
最後に、“ヴィンテージ”チューダークロノグラフ最終世代は、Ref.79000系である。Ref.79260は最もよく知られたリファレンスであり、“チューダータイガープリンス”などが含まれている。
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