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Introducing パテック フィリップが新作ゴンドーロで女性向けモデルを改めて展開(編集部撮り下ろし)

パテック フィリップは、レディス・ファーストをカラフルで宝石をふんだんに使ったゴンドーロで刷新し、女性用時計に対する新たな考え方を提示。

Photos by Mark Kauzlarich


我々が知っていること

ミラノは、世界有数のファッションの都です。パテック フィリップはウォッチアート・™グランド・エキシビション(ミラノ2026)で、ブランドにとって現代のレディースウォッチ史における重要なモデルを振り返りながら、その仕立てには明確に異なるアプローチを採用したゴンドーロ・レディス・ファーストを発表しました。

 新コレクションは、Ref.7043の6つのバージョンで構成され、いずれも31×34.8mmのクッション型ケースを採用。3モデルはダイヤモンドをセットしたダイヤルを備え、ジュエリー仕様の残る3モデルでは、ダイヤルからケース、ラグに至るまでダイヤモンドが敷き詰められています。素材はローズゴールド、ホワイトゴールド、または両者を組み合わせたもの。カラフルなストラップとジェムストーンのインデックスも相まって、着想源となった控えめなデザインの時計からは大きく印象を変えています。

Patek Philippe Revisits The Ladies First With The New Gondolo

 その着想源となったのが、2009年に発表されたレディス・ファースト・クロノグラフ Ref.7071です。この時計は、パテック フィリップのレディスウォッチの歴史において重要な節目となりまました。もちろん、同ブランドは1世紀以上にわたって女性用時計を手がけてきました。実際、1868年にハンガリーのコスコヴィッチ伯爵夫人のために製作された同社初の腕時計も女性用でした。しかし2009年のレディス・ファーストは、それとはまた別の意義を持っていたのです。女性の手首に合わせて設計された時計に、パテック フィリップ初の自社製クロノグラフムーブメント Cal.CH 29-535 PSが搭載されていました。

Patek Philippe Revisits The Ladies First With The New Gondolo
Patek Philippe Revisits The Ladies First With The New Gondolo

 当時、この時計はひとつの声明ともいえる存在でした。既存のデザインを女性向けにアレンジする(あるいは、よく言われる「小型化してピンクにするだけ」の発想)のではなく、女性のために意図的に設計された時計の中心に、本格的な機械式時計を据えたのです。

Patek Philippe Revisits The Ladies First With The New Gondolo

 新作のゴンドーロ・レディス・ファーストは、その時計を彷彿とさせながらも、ムーブメントには異なるアプローチを採用しています。Ref.7043に搭載されるのは、パテック フィリップのクォーツムーブメントE15です。サイズは15×13mm、厚さわずか1.8mm。機能は時刻表示のみで、電池寿命は約3年です。ブランドはこの選択について、現代の女性が日常的に気軽に身につけられる時計を目指したものだと説明しています。

 ゴンドーロコレクションの誕生は1993年にさかのぼります。パテック フィリップが、20世紀初頭から続くブラジルの時計販売店、ゴンドーロ&ラブリオとの歴史的な関係に敬意を表して発表したコレクションです。初期モデルのアール・デコ様式に着想を得ており、クッション型、スクエア型、レクタンギュラー型、トノー型など、さまざまなケース形状が登場してきました。興味深いことに、ブランドによれば、1990年代のレディース・ゴンドーロがTwenty~4の着想源になったそうです。

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 ダイヤモンドをセットした3モデルには、波模様が施された多層構造のオパーリンダイヤルが採用されています。ゴールドのインデックスと、108個のダイヤモンドをあしらったフランジが特徴だ。ダイヤルはブルーグレー、チェスナット、シルバーの3色展開となっています。

 ジュエリー仕様では、宝石のセッティングがさらに豪華になります。ダイヤル、ケース、ラグに合計687個のブリリアントカットダイヤモンドが、インデックスには12個のトラペーズカットの宝石があしらわれています。またブルートパーズにはピーコックブルーのストラップ、グリーンのツァボライトにはグリーンのストラップ、パープルのアメジストにはパープルのストラップが組み合わされています。

Patek Philippe Revisits The Ladies First With The New Gondolo

 2016年に発表された既存のハイジュエリー仕様のゴンドーロ2モデルも、引き続きゴンドーロファミリーに名を連ねます。これらの時計には、ブリリアントカットとバゲットカットのダイヤモンドを合計552個セット。ブレスレットにはアコヤ真珠とダイヤモンドがあしらわれています。

 新コレクションの価格は、控えめなデザインのモデルの611万円から始まり、宝石をふんだんにあしらったモデルの1119万円(いずれも税込)までとなっています。


我々の考え

同僚のマークは、ミラノで開催されたウォッチアート・™グランド・エキシビション(ミラノ2026)に足を運び、ティエリー・スターン氏が、複雑機構を備えた時計に対する女性からの関心が高まっていると語るのを聞いたそうです。それを踏まえると、パテック フィリップが新作ゴンドーロで2009年のレディス・ファースト・クロノグラフを再び取り上げながら、クロノグラフ機能は引き継がなかったことに、私は少し意外な印象を受けました。

Patek Philippe Revisits The Ladies First With The New Gondolo

 ただ、それが必ずしも悪いことだとは思いません。考えれば考えるほど、パテック フィリップが見つめているのは、かつてその時計が何を意味していたかではなく、今何を象徴できるかということなのではないかと思えてきたのです。初代レディス・ファースト・クロノグラフは、女性が周囲を彩る宝石だけでなく、複雑機構にも同じように関心を持ち得ることを示しました。今回のモデルが打ち出しているのは、また別のメッセージのようです。パテック フィリップは女性とその好みを、あらためて時計づくりの議論の中心に据えようとしています。

 ミラノでのプレゼンテーションが何を成し遂げたかといえば、文字どおり、女性たちをスポットライトに当てたことでしょう。時計はモデルに着用させて披露され、ランウェイを歩くモデルのように歩き、ポーズを決めていたといいます。ランウェイ形式の演出で期待感を高めたのち、最終的に6人のモデルがその場に立ち止まり、プレスが近づいて時計をじっくりと見たり、撮影したりできるようになっていたそうです(マークいわく、やや気まずさも感じられる場面だったそうだ)。パテック フィリップは、ゴンドーロをトレイやケースに並べるのではなく、実際に時計を身に着けた女性の動く姿を見せることで、時計も移り変わるスタイルの価値観とともに進化できるし、そうあるべきだということを示したのです。そこから、今のファッション界で何が起こっているのかを考えさせられました。

Patek Philippe Revisits The Ladies First With The New Gondolo

 クワイエットラグジュアリーやミニマリズムが長く続いたあと、いまは色彩豊かな装いと、よりマキシマリストなスタイリングが注目を集めています。ニューヨークファッションウィークで発表された最新コレクションからも、ファッション界が色や柄、テクスチャー、そして視覚的なインパクトを再び重視するようになっていることがわかります。女性たちのあいだで、自分の意思を表現できる服やアクセサリーへの関心が高まっていることを物語っています。

 ここで「身に着けやすさ」という考え方に立ち返りましょう。ダイヤモンドや宝石をあしらった時計は、私なら日常使いの時計とは呼びません。ですが近年の女性たちは、以前とは異なる感覚で“身に着けやすさ”を捉えているように思います。従来、女性向けの“身に着けやすい”時計といえば、薄型で控えめ、どんな服装にも合わせやすいものが一般的でした。しかし今では、時計は服装に溶け込む必要はない。むしろコーディネートの主役になってもいいのです。

Patek Philippe Revisits The Ladies First With The New Gondolo
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 ゴンドーロのハイジュエリー仕様は、万人向けではありません。ですが、それでいいのです。そもそも、万人受けを狙ったものではないのだから。パープル(私のお気に入り)、グリーン、ブルーの各モデルは、視線を集めるための時計です。無難なアクセサリーではなく、身に着ける人の好みを表現するもの。私には、そのことが新鮮に感じられます。

 そうした視点でコレクションを見始めると、それぞれのバリエーションの位置づけも理解しやすくなりました。3つのRef.7043は(そう言えるとすれば)やや控えめな仕上がりで、ダイヤモンドはダイヤルの周囲にのみ配されている一方、Ref.7043/250は宝石がふんだんに使用されています。この違いは、パテック フィリップがアクアノート ルーチェをどのように扱っているかを思い出させます。ジュエリーに特化したモデルと、より精巧なハイジュエリー仕様であったり複雑機構を備えたりするモデルは、カタログのなかで異なるカテゴリーに分類されているのです。

 デニム調やシボ加工を施したカーフスキンのストラップを組み合わせたRef.7043は、よりカジュアルな雰囲気をまとっています。ダイヤモンドや貴金属がもたらすドレッシーな印象を和らげてくれるでしょう。デニム自体については、まだ完全にしっくりきているわけではありません。ですがパテック フィリップが、ゴンドーロに気負わず、ファッション性の高い個性を与えようと試みていることには好感が持てます。

Patek Philippe Revisits The Ladies First With The New Gondolo
Patek Philippe Revisits The Ladies First With The New Gondolo

 すべての女性がダイヤモンドや宝石をあしらった時計を欲しがるわけではありません。しかし、すべての女性がそうした時計を選ぶべきだという話でもないのです。大切なのは、パテック フィリップが、より自由に個性を表現できるレディスウォッチのあり方を切り開こうとしていること。そして、いつかゴンドーロに複雑機構が再び加わる日が来るかもしれません。


基本情報

ブランド: パテック フィリップ(Patek Philippe)
モデル名: ゴンドーロ・レディス・ファースト(Gondolo Ladies First)
型番: 7043

寸法: 31mm × 34.8mm
厚さ: 8.03 mm
ケース素材: ローズゴールド、ホワイトゴールド、またはローズゴールドとホワイトゴールドのコンビネーション
文字盤色: チェスナットのオパーリンダイヤル(Ref.7043R-001)、ブルーグレーのオパーリンダイヤル(Ref.7043G-001)、シルバーのオパーリンダイヤル(Ref.7043GR-001)
防水性能: 30 m
ストラップ/ブレスレット: 通常の3モデルには、チェスナットのデニムストラップ、ブルーグレーのデニムストラップ、またはベージュのシボ加工を施したカーフスキンストラップを採用。ハイジュエリー仕様の3モデルは、ピーコックブルー、グリーン、パープルの光沢仕上げを施したアリゲーターストラップを採用。いずれも、ストラップの色に合わせた貴金属製のピンバックル付き


ムーブメント情報

キャリバー: クォーツムーブメントE15
機能: 時・分表示
直径: 15mm × 13mm
厚さ: 1.8 mm
パワーリザーブ: 約3年
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 3万2768Hz
石数: 6


価格&発売時期

価格: 611万円、1119万円(ジュエリー仕様/いずれも税込)
発売: 発売中
限定: なし

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