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リシュモンのエマニュエル・ペラン氏、パネライCEOに就任。そしてスペシャリスト ウオッチメーカーズの責任者を退任

リシュモンの古参幹部であるエマニュエル・ペラン氏が、スイスの高級時計コングロマリットにおけるスペシャリスト ウオッチメーカーズ部門の責任者職を退く。

リシュモンの幹部であるエマニュエル・ペラン(Emmanuel Perrin)氏が、パネライの最高経営責任者(CEO)に就任し、同社のスペシャリスト ウォッチメーカーズ部門の責任者職を退任する。時計業界の重鎮であるペラン氏は2017年から同部門を率いてきたが、7年間パネライを率いたジャンマルク・ポントルエ(Jean-Marc Pontroué)氏の退任を受け、パネライブランドの現場運営へと復帰する。関係者によると、スペシャリスト ウォッチメーカーズ部門は今後も独立した組織として存続し、パネライ、ジャガー・ルクルト、IWCなどリシュモン傘下の時計ブランドの業績を報告し続ける予定である。ただし、ペラン氏の後任として同部門の責任者が新たに任命されることはない見通しだ。

Emmanuel Perrin

2018年、時計業界の変革に関する特集に登場したエマニュエル・ペラン氏。Image courtesy of WWD

 今回の幹部人事は、スイスに本拠を置くリシュモンにおいて進められている最新の経営陣再編を示すものであり、これは2024年に最高経営責任者(CEO)に就任したニコラ・ボス(Nicolas Bos)氏のもとで行われている。ボス氏はヴァン クリーフ&アーペルのトップとして、同ブランドの売上を3倍以上に伸ばす実績を上げたのち、リシュモンの指揮を執ることとなった。

 かつてリシュモンのCEOを務めたジェローム・ランベール(Jérôme Lambert)氏は、最近ジャガー・ルクルトのトップとして現場復帰。またヴァシュロン・コンスタンタンの前CEOであるルイ・フェルラ(Louis Ferla)氏がカルティエの責任者に就任し、ジャガー・ルクルトを率いていたカトリーヌ・レニエ(Catherine Rénier)氏がヴァン クリーフのトップに異動するなど、体制変更が続いている。

richemont offices

 昨今の四半期決算では業界全体の低迷を背景に、リシュモンのスペシャリスト ウォッチメーカーズ部門はジュエリー部門に比べて振るわない成績となっている。直近の決算ではジュエリーブランドの売上が14%増となったのに対し、時計部門は中国市場での不調により8%の減収となった。

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 イタリアで創業し、かつてイタリア軍に時計を供給していたパネライは、1990年代初頭に復活。ハリウッドのアクションスター、シルヴェスター・スタローン(Sylvester Stallone)氏やアーノルド・シュワルツェネッガー(Arnold Schwarzenegger)氏が愛用したことで広く知られるようになった。1997年には、当時ヴァンドーム・グループと呼ばれていたリシュモンに買収されている。

 モルガン・スタンレーおよびリュクスコンサルトの推計によれば、パネライは2024年に約5万5000本の時計を製造し、売上高は4億9300万スイスフラン(日本円で約833億円)となった。前年の5億2000万スイスフラン(日本円で約878億円)からは減少している。

詳細はパネライのウェブサイトをチェック