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クイック解説
時計のプレスリリースを読むときに最も知りたいのは、サイズ、価格、素材、そして技術革新だ。それ以外の部分は、一般的にはマーケティングのお話になる。そのような情報をできる限り省くことも、我々の仕事の一部だと考えている。しかし、少し崩した形で、今年のブルガリ オクト フィニッシモを発表したプレスリリースのトップで見つけた、“21世紀の時計製造のアイコン”をご紹介させていただきたい。
これはかなり大胆だと思った。しかし、オクト フィニッシモは、複数のモデルにわたる記録的な薄さ、その魅力的なデザイン、そしてときに非常に複雑なモデルの終わりのない比類なきこコンビネーションで登場してきた。オクト フィニッシモが、時計愛好家にとってブルガリというブランドの見方を変革させたということは、注目している人なら誰の目にも明らかだ。私にとって、これらの理由から、オクト フィニッシモは過去20年間で最も際立った新しい時計のデザインとなるのだ。
しかし、オクト フィニッシモは、たとえそれがその役割を果たしているように見えたとしても、常に完璧なスポーツウォッチであったわけではない。例えば、30mの防水性能は、スイミングをする際に安心を与えるものではない。昨年、ブルガリはこの問題に取り組み、サテン仕上げのステンレススティール製の「オクト フィニッシモ SS」のブラックとブルーダイヤルを発表。ブルガリは、薄さの面で既に多くの重要な記録を樹立していたため、これからは愛好家が普段使いで、適切なスポーツウォッチのように扱える「オクト フィニッシモ」の製作に目を向けることができたというわけだ。
本日は、オクト フィニッシモ Sのモノトーンモデルをご紹介する。前の2つのバージョンと同様に、この防水性の高いスティール製のオクト フィニッシモは、サテン仕上げのステンレススティール製ケースとブレスレットを備えている。しかし、昨年のブラックダイヤルとブルーダイヤルとは異なり、今年はケースと同色の縦に筋目の入ったダイヤルを採用。最新のオクト フィニッシモの厚さ(6.4mm)、直径(40mm)、もちろん防水性能(100m)は、昨年登場した2つのバージョンと同じだ。内部には、マイクロローターを採用した同じBVL 138自動巻きムーブメントを搭載し、厚さは2.23mmと薄いが、大きく開口したシースルーケースバックの広がりはところ狭しと埋まっている。本機はブルガリがこれまでに作った中で、最も薄いオクト フィニッシモではないかもしれないが、このモデルとSS製の標準モデルであるオクト フィニッシモ オートマティックを隔てる余分な厚み、さらに70mの防水性と交換する価値のあるものだ。
ファースト・インプレッション
最新のオクト フィニッシモ Sが新しいのは、縦方向にサテン仕上げを施した単色の文字盤が、放射状に仕上げがされたベゼルと見事にマッチしているということ。これまでに出てきた100m防水のオクト フィニッシモの中では、他にかなりの差をつけて最高のルックスだと個人的に思う。
オクト フィニッシモは、スポーツウォッチであると同時に、デザインウォッチでもある。このようなコンパクトなフォルムをした時計としては、信じられないほど幾何学的で建築的なデザインなのだ。上から見ても横から見ても、圧縮されたアールデコ調の塔のような特徴があり、多くの人がこの時計に惹かれる理由だと思う。
ブルガリはデザイン重視のブランドだ。オクト フィニッシモをプラットフォームとして、国際的に有名な建築家とコラボレーションし、「ブルガリ オクト フィニッシモ 安藤忠雄モデル」もリリースしている。ブラックとブルーのダイヤルは、オクト フィニッシモのスポーティな面をうまく表現しているが、ここでご紹介する新しいシルバーダイヤルは、よりデザイン性に特化している。そこにはポップなカラーもコントラストもない。モダンクラシックながら、控えめなデザインであるため、毎日着用でき、また水に濡れることを心配する必要もない。
今日発表された新しい100m防水のオクト フィニッシモはこれだけでない。シリーズの中でも、私が今までで一番気に入っている「オクト フィニッシモ クロノグラフGMT」の新しいスティールバージョンも登場した。あわせてご覧いただきたい。
基本情報
ブランド: ブルガリ(Bulgari)
モデル名: オクト フィニッシモ(Octo Finissimo)
型番: SAP103464
直径: 40mm
厚さ: 6.4mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤色: 縦に筋目の入ったシルバーダイヤル
夜光: なし
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: ステンレススティール
ムーブメント情報
キャリバー: BVL 138
機能: 時、分、スモールセコンド
直径: 36.6mm
厚さ: 2mm
パワーリザーブ: 60時間
巻き上げ方式: 自動巻き(マイクロローター)
振動数: 2万1600振動/時
価格 & 発売時期
価格: 132万円(税抜予価)
発売時期: 2021年5月
詳細は、ブルガリ公式サイトへ。