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Bring a Loupe コルナヴァン ダイバーズ、パテック フィリップ Ref.1593 “アワーグラス”、オーデマ ピゲ ロイヤル オーク スクエアなど

今市場に出ている掘り出し物のヴィンテージウォッチをお届けしよう。

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5月1日はメーデー、つまり国際労働者の日だ。ならば昼休みに少し時計を眺めて、自分にご褒美を与えるのはほとんど義務のようなものではないだろうか? 皆さん、おめでとう。またこの日がやってきた。

 先週ピックアップした時計の結果を見ていこう。サーチナ アルゴノート Ref.8501 501は1620ポンド(落札日のレートで約34万6000円)、ヴァシュロン・コンスタンタン Ref.6394は7400ポンド(落札日のレートで約160万円)、IWC マークXIIは2400ポンド(落札日のレートで約51万2000円)、そしてカルティエ バンブー クッサンは4万2000スイスフラン(落札日のレートで約850万円)で落札された。


番外編

 “18K ヴィンテージ ヴァシュロン・コンスタンタン ジュネーブ クォーツ ウォッチ”と説明されているこの時計を、じっくりと見て欲しい(編注;現在オークションは終了し、1900ドル/落札日のレートで約29万7000円で落札)。写真では秒針が明らかに動いている。つまり、a)電池がまだ生きている(それはそれで驚きだ)、あるいは b)そもそもクォーツではない、ということになる。またアンディ・ホフマンはパテック Ref.5322G について、“機械式時計のチャイムアラームは、過ぎ去った時代を思い起こさせる純粋にロマンチックな複雑機構だ”と言っている。おそらく彼は具体的にジャガー・ルクルトのメモボックスを指していたわけではないだろうが、昔のアラームウォッチを考えるとき、確かにそれが思い浮かぶ。もしあなたがこれまでアラームウォッチを持っていなかったのなら、この1本はその不足を補ってくれる高価な選択肢となるだろう(編注;現在オークションは終了している)。

Memovox

Photo courtesy Precious Collections

 確かにダイヤルは完璧ではない。だが、突然手首の上で唸り始めるタトゥーマシンのような古い機械式アラームに驚かされるのであれば、せめてたっぷりのゴールドとともに味わうべきではないだろうか。また“ディスコ・ヴォランテ”モデルがほかにもないか気になっている人がいるなら、ご心配なく。Apex watchesから出品されているこのジュベニアは、実に素晴らしい。


ブライトリング Ref.765CP “ラクエル・ウェルチ”

 私が時計に興味を持ち始めたころ、ブライトリングには少し気後れしていた。今ではもうそんなに恥ずかしいと思う年齢でもないが、もし15年前にナビタイマーを着けていて、誰かにベゼルの使い方を尋ねられたら、私は青ざめて口ごもり、自分の知識不足を考えればそもそもこの時計を着けるべきではなかったと認めざるを得なかっただろう。

Photo courtesy Kraft Auction Service

 幸いなことに、このブライトリング 765CPなら、その時計最大の特徴である複雑機構を実際にどう使うべきか悩む必要はない(編注;現在オークションは終了しており、6500ドル/落札日のレートで約100万円で落札)。ブライトリング 765が初めてカタログに登場したのは1944年のことだ。初期モデルも魅力的だが、1952〜53年に回転式ベゼルが追加されたことで、時計の外観は大きく変化した。同時に、このモデルに搭載されたヴィーナス178ムーブメントのミニッツカウンターは、30分積算計から15分積算計に変更された。そしてもちろん、初期モデルには一見するとデイト表示窓のようだが、3時位置にデジタル表示のミニッツカウンターも備わっていた。

Kraft Auction Service

Photo courtesy Kraft Auction Service

Photo courtesy Kraft Auction Service.

Photo courtesy Kraft Auction Service

Photo courtesy Kraft Auction Service.

Photo courtesy Kraft Auction Service

 今回出品されている個体は1965年以降のもので、(アルミニウム製ではなく)ブラックアルマイト加工のベゼルを備えた765 CP、すなわち“コ・パイロット”発表後のモデルだ。わずか2年間しか製造されなかった765 CPは、41.5mmという大ぶりでラグ幅は22mm。その大きさゆえに、多くの個体がかなり使い込まれている。だからこそ、5月3日のオークションに出品されるこの1本は素晴らしいのだ。ケースは研磨されていないようで、ケースバックのエッチングも鮮明、ダイヤルと針も素晴らしい状態だ。本稿執筆時点での入札額は1000ドル(日本円で約15万円)だが、入札者のあいだでかなりの競り合いになるだろうと予想している。


パテック フィリップ Ref.1593 “アワーグラス”

 この時計は、たとえマイケル・B・ジョーダンが今年のゴールデングローブ賞でこのモデルのプラチナ仕様を着用していなかったとしても、またアンティコルムが同様のモデルを販売していなかったとしても(マークがオークションプレビュー記事で指摘したように、サービスダイヤル付きではあるが)、十分に一見の価値がある。1944年から1967年まで製造されたRef.1593は、パテック フィリップがイエローゴールドで約500本(つまり年間20本強)を製造した。この時代のほとんどのパテック フィリップ製ウォッチと同様に、時計史的な重みを持ちながら、どこか気まぐれな印象さえ受ける。

Osenat Fontainebleau

Photo courtesy of Osenat Fontainebleau

Osenat Fontainebleau

Photo courtesy of Osenat Fontainebleau

Osenat Fontainebleau

Photo courtesy of Osenat Fontainebleau

 この個体は1950年製で、一部でアイコン的存在と見なされているCal.9-90を搭載している(編注;現在オークションは終了している)。幅22mm×長さ32mmとかなり小ぶりだが、これほどエレガントな仕上がりであれば、文句を言うのは冒涜的でさえあるだろう。横から見た姿を見て欲しい。

Osenat Fontainebleau

Photo courtesy of Osenat Fontainebleau

Osenat Fontainebleau

Photo courtesy of Osenat Fontainebleau

 確かに、これはおそらくあらゆる場面で使える万能時計とは程遠いだろうし、1万4000〜1万8000ユーロ(日本円で約260万~330万円)という推定落札価格を見れば、私たち一般人には到底手の届かないものであることは明らかだ。それでも、この時計はただただ美しい。端正なダイヤルに配された数字、リーフ型の針、研磨されていないように見えるケース。まさに美しさそのものが目的となる時計と言えるだろう。オークションは5月6日に開始される。


コルナヴァン ダイバーズ

 このコルナヴァンのダイバーズウォッチ、Ref.P 810のような時計は扱いが難しい(編注;現在オークションは終了しており、5625スイスフラン/落札日のレートで約110万円で落札)。“それらしく着ける”にはあまりに本格的なツールウォッチが存在するのだと感じさせられるからだ。もちろん、これはあくまで個人的な感覚だ。例えば、私がヴィンテージのメモセイルを楽しむことと、実際にレガッタへ参加した経験がないこと、そして今後も参加する可能性が低いこととは、まったく別の話である。同じことは、ほかの多くの複雑機構にも当てはまる。

 そしてこのRef.P 810だが、少し独特なデザインで、(ほかの有名ダイバーズに比べて)あまり知られていない点も含め、個人的な好みに強く引っかかる。間違いなく喜んでこの時計を身に着けるだろうが、この時計最大の機能を本来の用途どおり使うことは、おそらくないだろう。つまりダイビング開始時に分針を12時位置へ合わせ、終了時にその位置を確認しながら減圧時間を管理するといった使い方だ。ワシントン・ローブリングのように減圧症に苦しむ事態を避けるための機能だ。

 このコルナヴァンは、アンティコルムのジュネーブオークションに出品される全672ロットのうちのひとつだ。1960年代製で、ケース径42mm、厚さ14mm、ラグ幅22mmとかなり大ぶりなサイズ感を持つ。なお、針は再塗装されている。またこの時計では、針の根元付近にある小窓で時刻を読み取ることに慣れる必要があるだろう。もし私ほど“本来の用途”にこだわらず、もっと気軽に時計を楽しめるタイプなら、5月9日に始まるオークションをチェックしてみるといい。


オーデマ ピゲ ロイヤル オーク スクエア Ref.6005

 ロイヤル オークはあまりにも広く浸透し、現代時計史における存在感も大きいため、その広がりはどこかコミカルに感じられるほどだ(オーデマ ピゲによれば、“少なくとも500種類”のバリエーションが存在するという)。今回のジュネーブオークションでも、フィリップスに9本、クリスティーズに9本、サザビーズに10本のロイヤル オークが出品されている。このコレクションで特に印象的なのは、数多くの派生モデルが存在しながらも、ひと目でロイヤル オークとわかる点だ。長年にわたって、考え得るほとんどの複雑機構が搭載されてきたが、それでもなお、私が見てきたモデルはいずれもオリジナルのシルエットをしっかり受け継いでおり、その系譜を感じ取ることができる。

 そうした前提を踏まえると、このオーデマ ピゲ Ref.6005は一見するとロイヤル オークに見えない(むしろ、どちらかと言えばヴァシュロン・コンスタンタン 222を思わせるほどだ/編注;現在オークションは終了しており、7000スイスフラン・落札日のレートで約140万円で落札)。もちろん、特徴的なタペストリーダイヤルやバーインデックス、スティック針といった要素は備えている。それでもなお、一般的なロイヤル オーク像からは少し外れて見える。だが、間違いなくこれはロイヤル オークなのである。以下は、このモデルについてオーデマ ピゲが説明する内容だ(強調は筆者によるもの)。

 1972年に誕生したロイヤル オークは、1976年から1982年にかけていくつかの大きな転換期を迎え、ひとつのコレクションへと発展しました。誕生から最初の4年間はRef.5402のみが展開され、素材はステンレススティールで、ダイヤルデザインも共通していました。しかし1976年、初のレディースモデルであるRef.8638が登場したことで、専用コレクションへの道が開かれたのです。翌1977年にはゴールドモデルが加わり、その後も異なるサイズやムーブメントを採用したモデルが続々と登場。結果として、わずか5年間(1977年~1981年)で、27もの新しいモデルが誕生したのです。

 この時計について、私がもっとも魅了されるのはまさにその最後の部分だ。時計の世界に限らず、どんな分野でも意外と忘れられがちだが、いまでは当たり前に見えるものが、少し前までは全くそうではなかったことがある。このスクエア型のロイヤル オークも、発売から40年以上経った今振り返れば、やや的外れな試みのように映るかもしれない。だが同時に、物事の多くは最初から自然に定着するわけではないということを思い出させてくれる存在でもある。

 1980年製のこの少し風変わりなクォーツモデルは、先ほど触れた“27の新作モデル”のうちのひとつだ。その魅力は当時のオーデマ ピゲが、ロイヤル オークのアイデンティティをまだ模索していた時代の空気をそのまま映している点にある。時計のデザインやコンセプトをどこまで広げても、その“ロイヤル オークらしさ”は保たれるのか、その答えは人それぞれだろう。しかし、このモデルがその問いに対する興味深い試みであることは間違いない。

 ケースサイズは比較的小ぶりで、幅28.5mm×縦30mm。今回出品される個体は全体的に良好なコンディションを保っており、ダイヤル、針、ケースのいずれも見栄えがいい。すでに6000スイスフラン(日本円で約120万円)から入札が始まっており、オークションは5月6日に開催される。もしこのロイヤル オークが少し個性的すぎると感じるなら、別のオークションにはRef.25645BAも出品されている(編注;現在オークションは終了しており、6万スイスフラン/落札日のレートで約1200万円で落札)。こちらは、多くの人に支持されている定番モデルとして知られる1本だ。