trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag

Hands-On ショパール L.U.C 1860 “アリューズブルー”を実機レビュー

単なるカラーチェンジでありながら、今年のWatches & Wondersで個人的に最も印象に残った1本となった。

Photos by TanTan Wang

今年のWatches & Wondersで多くのコレクターの心を鷲掴みにした時計があるとすれば、それは間違いなくショパールの新作、ブルーダイヤルのドレスウォッチ L.U.C 1860だろう。興味深いことに、本作は実のところ、ダイヤルカラーを変更しただけのモデルだ。しかし新しいデザインや複雑機構が発表されるなかで、ショパールはスペック以上の魅力を生み出し、このショーで発表された私の個人的なお気に入りの1本となった。

LUC 1860 Areuse Blue Wristshot

 2023年に発表され、すでに生産終了となったサーモンダイヤル仕様のL.U.C 1860をご存じの方なら、すでに本作について多くを知っていることになる。スペックが全く同じであることは、むしろ好ましい。なぜならより大型のL.U.C.ムーブメントを搭載した兄弟モデルのなかで、ショパールはこの1860を本格的で、コンパクトかつ薄型(8.2mm)のドレスウォッチとして、非常に完成度の高いものに仕上げたと思うからだ。 

 ショパール独自の合金であるルーセントスティール™製の36.5mmケースは、手堅いデザインだ。滑らかな曲線を描き、ベゼルとラグの上面は全面的にポリッシュ仕上げが施されている。さらなる華やかさを加える特別なデザイン要素はないものの、ケースサイドには垂直方向のサテン仕上げが施され、コントラストを生み出している。結果として、退屈なケースには感じられない。その控えめなキャラクターは36.5mmというサイズによく合っており、そして最も重要なのは、それが見事なダイヤルを引き立てる額縁の役割を果たしていることだ。

LUC 1860 Areuse Blue Soldier
LUC 1860 Areuse Blue Case Side
LUC 1860 Areuse Blue Buckle

 ショパールの専業メーカーであるメタレム社が製造したこのダイヤルは、まさに圧巻の出来栄えだ。普段ブルーダイヤルにそれほど関心がない私がこう言ってしまうのだから、自分でも驚きだ。ここ何年もブルーダイヤルの時計は買っていない。だがこの“アリューズブルー”の色合いは、私にとっては完璧なブルーに限りなく近い。断言するのは馬鹿げているように聞こえるかもしれないが、この色合いは私の目にとても心地よく映るのだ。派手すぎる印象を与えることなく、彩度と輝度が程よく保たれており、光の下でブルーが素晴らしく映える。疑いようもなく、ダイヤルの輝きは18Kホワイトゴールド(WG)製のベースによるところも大きいだろう。見事な手掘りによるギヨシェは主に、中央部分とスモールセコンドのインダイヤルにあしらわれている。

 私が“クリンクルカット”ギヨシェと呼びたくなるような4本の細い縁取りパターンはWG本来の色合いを保ち、鮮やかなコントラストを生み出すとともに、ダイヤルの目盛りや各セクションを形成し、WG製のアプライドインデックスとドーフィン針を見事に引き立てている。中央の彫刻部分を囲むインデックスが配された目盛りには放射状のサテン仕上げが、スモールセコンドのプリントインデックスと分目盛りには、サーキュラーサテン仕上げが施されている。これにより、ダイヤルはさまざまな方法で光を捉える。

LUC 1860 Areuse Blue Dial Closeup
LUC 1860 Areuse Blue Front Wristshot
LUC 1860 Areuse Blue LUC Wide Soldier

 このダイヤルで最も好みが分かれそうなのは、中央のギヨシェパターンがダイヤルの中心点からではなく、ブランドロゴから放射状に広がっている点だろう。これはキャリバー1.96の導入後、90年代後半に登場したオリジナルのL.U.C 1860に見られた特徴だ。このデザインは水平・垂直方向の対称性を損なうものの、個性を際立たせていると思う。放射状の波模様がより広く見え、このブルーダイヤルのL.U.C 1860がオリジナルのブルーダイヤルモデルへのオマージュでありながら、ひねりを加えた存在になっている点が気に入っている。デイト表示をなくしたことは引き続き良い判断だが、“Automatic”の文字も取り除いてもよかったのではないかとは思う。

LUC 1860 Areuse Blue Caliber Shot

 シースルーバックからはCal.L.U.C 96.40-Lを鑑賞できる。その構造はオリジナルのCal.1.96に忠実で、22Kゴールド製マイクロローターと65時間のパワーリザーブを誇るツインバレルを備えており、キャリバーの厚さがわずか3.3mmであるにもかかわらず、振動数は2万8800振動/時(4Hz)となっている。Cal.L.U.C 96.40-Lはデイト表示をなくし、ハック機能を追加している。本作の仕上げは引き続き見事で、3つの主要な受けに施されたコート・ド・ジュネーブを引き立てるきわめて美しいアングラージュと、その下層のペルラージュ仕上げが目を引く。ブリッジに刻印されているように、このキャリバーはジュネーブ・シールを取得している。そしてこの認証を補完するようにCOSCクロノメーター認定も受けており、日差-4~+6秒の精度基準を満たしている。

 装着してみると、本作は感触も外観も素晴らしい。本稿の終わりにこのように言っても驚かないだろうが、2週間前にジュネーブで初めて本作を見て以来、私はすっかり気に入っている。ダイヤルは光を見事に捉えるし、サーモンダイヤルは私の肌の色と合わないことが多いのだが、このモデルはその個人的な問題を完全に解消してくれた。そして36.5mmのケースは、細めの手首にも完璧なプロポーションだ。

LUC 1860 Areuse Blue Pocket Shot

 さらに重要なのは、この時計が前作同様、時計愛好家のためにデザインされたように感じられることだ。現代の時計愛好家とヴィンテージコレクターの両方にとって魅力的だ。確かに価格は421万3000円と、2023年発表のサーモンダイヤル仕様の326万7000円(いずれも税込)からかなり上昇した。ステンレススティール製のコンパクトな時刻表示のみの時計に、この価格を支払うのを躊躇する人もいるかもしれない。だが本作そして今年実際に手に取った新作のなかでも、いまなお最も印象深い1本であり続けている。は見た目以上の価値を備えている。ダイヤルがすべてゴールド製であることは言うまでもない。業界の多くのブランドで積極的な価格改定が見られるなかで、この新しいL.U.C 1860は価格に見合う、いやそれ以上のオートオルロジュリー技術が凝縮されているように感じられる。そして今年幸運にも手に取ることができた新作のなかで、私のお気に入りの1本であり続けている。