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H.モーザーは今年のWatches & Wonders Genevaにサプライズを持ち込んだ。ストリームライナー・フライバック クロノグラフ “Blacker Than Black”は、ベンタブラック®でコーティングされたケースを備えている。
もうご存じかもしないが、ベンタブラック®は人工的に作り出されたものとしては最も黒い物質と言われており、2014年にイギリスのサリー・ナノシステムズ社が初めて開発したものだ。これはカーボンナノチューブによるコーティングで、厚さ100万分の1ミリという微細なチューブが塗布された表面に、H.モーザーのストリームライナー・フライバック クロノグラフで言えば、ケース、ブレスレット、ダイヤルに高密度に密着している。有名な話だが、ベンタブラック®は当たる光の99.965%を吸収することができるのだ。H.モーザーが過去に行ったベンタブラック®を使った時計製造の実験については、こちらとこちらとこちらでご覧いただける。
ストリームライナー・フライバック クロノグラフ “Blacker Than Black”は、ベンタブラック®でコーティングされたダイヤルを使用する数々のH.モーザーの時計に続くユニークな作品だ。H.モーザーのWatches & Wondersブースでは、この時計と同じベンタブラック®のスクリーンの前に置かれ、ほとんど視界から消えてしまうほどだ。ベンタブラック®は非常にもろいため、身につけたり扱ったりすることはできないため、現在はコンセプトウォッチだ。H.モーザーのCEO、エドゥアルド・メイラン(Edouard Meylan)氏は「将来的にはより衝撃に強い素材にするための開発を進めています」と話してくれた。
「いつかベンタブラック®のケースを持てるようになることを思い描いています」とメイラン氏は言う。「(この時計は)持ち運びがとても大変でした。構造が非常に壊れやすいのです。毎日身につけたり、時計と一緒に何かをしたりできるようなものではありません。非常に複雑なプロセスですが、最も複雑だったのは、この時計を安定した状態に保ちながら輸送することだったと思います」
H.モーザーの時計製造は常に不遜な態度とユーモアを歓迎してきた。スイスチーズを使った「スイス マッドウォッチ」や、物議を醸した「スイス アイコンウォッチ」など、シャフハウゼンを拠点とするモーザーのユニークウォッチは、今日の時計界で唯一無二の存在として、常に新鮮で刺激的な印象を与えている。私はモーザーが騒ぎを起こすことではなく、その膨大な技術的、時計的専門知識に焦点を当てることを特に高く評価している。今年、パイオニア・シリンドリカル トゥールビヨン スケルトンとストリームライナー・フライバック クロノグラフ “Blacker Than Black”で彼らが行ったことはまさにこれだったのだ。
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H.モーザーの詳細については、こちらをご覧ください。
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