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今週もまたこのコーナーの時間がやってきました。今回のまとめも皆さんの期待通りに素晴らしいはず。まず最初に取り上げるのは、強烈なプレムーン スピードマスター プロフェッショナルで、その後に我々が長い年月をかけて巡り合った、最もクールなオンリーワン・パテック フィリップが続く。さらに下にスクロールすると、ブライトリングの珍しいワールドタイムと出会うだろう。たまには「面白い」時計を楽しんでみたいという人なら、キース・ヘリングデザインの自動巻きスウォッチと並んで、ラリー仕様ベゼルが取り付けられたゾディアック シーウルフだって面白い品だ。状態は新古品で、オリジナルボックス入り。それでは早速行ってみよう!
オメガ スピードマスター Ref. 145.022-69
今週の紹介を始めるにあたり、こんな表現でいいのか分からないが、実にアイコニックなクロノグラフを手に入れた。名声を得る少し前に時間をさかのぼる。そう私はスピードマスターの話をしているのだ。しかも、独特の年季の入った文字盤から分かるように、普通のスピードマスターではない。でも心配ご無用。前もってありきたりの月面探査の説明は今回は抜き。このまますぐにオタクっぽい核心に迫ろう。
読者諸君は、Ref.145.022のほとんどのケースバックに、NASA飛行認定資格と月面探査携行品の印が自慢げに付いているのを目にするだろう。しかし、この時計には、そんな刻印はどこにもない。その理由の説明となるのは製造年月だ。この時計は1969年には製造されてはいたが、アポロ11号が月に行く前なのである。そのため、こういった個体はコレクターの間では「プレムーン」スピードマスターと呼ばれている。この型番の同じ年に製造された他の個体と同様、この時計の文字盤はトロピカルダイヤルの雰囲気を醸し出している。
わずかに経年変化している文字盤はさておき、この個体が魅力的であることにはいくつかの理由がある。第一に、この個体は「90の数字の上にドット」の付いた本物のベゼルを備えている。多くの個体で、何年も磨耗した後に交換されてしまっているが、この1本に関しては、6時付近にこすった跡が一つある以外はほぼ無傷のままである。第二に、この個体には本物の1039ブレスレットと516弓管が付いている。多くの人がこれらを探して多くの時間と資金を費やしている。これまでプロフェッショナルのケースのスピードマスターに注目してきたなら、この1本に挑戦することをお勧めしたい。
eBayでオーストラリアの販売者がこの時計を1万4500オーストラリア・ドル(約109万円)で出品している。値引き交渉もできるので、ぜひ!
出品を見るにはここをクリック。
パテック フィリップ Ref. 404
パイロットウォッチを思う時、パテック フィリップ の名が真っ先に心に浮かぶ読者はまずいないだろう。これは過小評価というわけではなく、パテック フィリップがパイロット向けの時計を製造していなかったという事実からくるものだ。とはいうものの、アワーアングルスタイルの時計はわずかに存在しており、その大部分がブランドの博物館に所蔵されている。今週ご紹介する1本は、55mmの巨大なものではなくもっと希少性の高い時計だ。パイロットに起源をもつドレスウォッチである。この貴重な一本が火曜日に売り出され、今週のまとめの中でこの時計に言及しないと、ヴィンテージ時計収集家のコミュニティにひどい仕打ちをすることになってしまうのは言うまでもない。
このパテック フィリップの長方形の時計はRef.404に相当するもので、裏蓋の刻印で分かるように、興味深い出自を持っている。時計を裏返すと、フランス人飛行士アン=ロラン・ダリエール海軍大尉の名前と歴史的に重要な飛行記念の刻印を確認できる。ダリエール大尉は、1935年6月22日から23日まで、南十字星号として知られる水上飛行機で、フランスのシェルブールからセネガルのジガンショールまで飛んだ。これにより、彼は、水上飛行機の飛行距離最長記録を樹立し(正確には2711マイル)、その結果として、まさにこの時計が贈られたのだろう。
その起源は別にしても、この時計は、独特な文字盤の構造からそれ自体が注目に値する。文字盤の中央にあるエナメルのインデックスが猫のヒゲのような形をしている。7の数字のデザインは、他のパテック フィリップには見られないクールなデザインであるといっていいだろう。7の下の端が伸びて曲がっていることにより、シンメトリーな雰囲気が加わっている。
文字の配置と時計づくりに熱心な人がどちらも同じように楽しむことができること請け合いである。ここしばらく、件のメーカーの、非常に複雑で聖杯のような時計をいくつか扱ってきたが、おそらく、私が一年を通して出会ったパテック フィリップの時計の中ではこれが最もクールな唯一の時計である。
エリック・ウィンドが、航空機産業とパテック フィリップの両方の歴史を持つこの一本を、自分のサイトで販売している。価格は1万7000ドル(約186万円)。詳しい写真と情報はこちらから。
ゾディアック シーウルフ ラリー
次にご紹介するこの一本は、常に私のお気に入りであるブランドのものだ。私がちゃんとした時計を初めて所有することができたのは、彼らがそれを製造したからだというのが大まかな理由だ。その1本が私のコレクションに加わって以来、私はずっとゾディアックが作るダイバーズのデザインのファンなのだ。初心者コレクターがやってきて、ダイバーズウォッチを選ぼうとしているなら、私は往往にしてシーウルフに目を向けさせることだろう。
シーウルフは、常に市場に個体があるため、特に希少な時計というわけではない。だが、コレクター垂涎のラリー仕様のベゼルを備えたこのモデルは、めったにお目にかかれるものではない。さらに言えば、これはシーウルフ コレクションのすべてのラリーベゼルの中で、最も珍しいものかもしれない。私がこれまでに出会った5本の青と白のバリエーションに対して、この赤黒モデルを目にしたのは、わずか一度だったと思う。
この時代のシーウルフのブレスレットは比較的に華やかな印象で、いつも私を驚かせてきた。対する時計が頑丈な作りだからだ。また、ブレスレットの中ゴマを通る細いストライプが特に気に入っている。自身のコレクションにちょっと面白みが欠けているなら、検討対象としてこれはちょうど良い一本かもしれない。
こちらのゾディアックは、カリフォルニア州チノの販売者がeBayで3000ドル(約33万円)で出品している。値引き交渉もできる。詳しくはこちら から。
ブライトリング ユニタイムRef. 1-260
見逃されがちなブライトリングだが、我々が前回取り上げられた際に多くの読者からフィードバックがあったため、今回も取り上げることにした。今回は、残念ながらそれほど広く支持されなかったもう一つの時計を扱おうと考えた。先週のトップ タイムとは違い、この一本は、1950年代の前までざっと10年間を遡るものだ。ブライトリングの商品が間違いなく今よりもグレードが高く、細部にまでこだわって製造されていた時代である。今週注目する次の一本は、ユニタイムとして有名で、非常に美しい時計である。
ユニタイムという名は、どこか矛盾している。別々のタイムゾーンを追跡することのできるワールドタイム機能が特徴だからだ。他のワールドタイムと同様に、文字盤の表面に小さな地図が印刷されているのが分かるだろう。ただし、同クラスの他の時計とは違い、図が極端に薄い。この時計は、コインのように縁に刻みのあるベゼルを備え、明らかに洗練された雰囲気を持っている。また、直径37mmで、装着してもモダンな印象だ。
ケースは磨かれてきたかもしれないが、原型の痕跡はしっかりと残っているうえ、一つの特徴がこの時計にさらなる興味を惹きつける。左上のラグに注目すると、ヴィンテージに精通していなければ単なるくぼみに見間違えてしまうような、小さな刻印に気づくだろう。これは、実は、輸入認証なのだ。時計が製造後にポルトガルに輸出され、関税が支払われたということを示している。これらのディテールが役立ち、時計が経由した場所や状況についての、より完璧な物語を知ることができるのだ。見る目のある収集家にとっては、さらに抗しがたい魅力となる。
ミュンヘンを拠点とするディーラー、ウォッチプール24が、1万500ユーロ(約128万円)で販売している。この時計についての詳しい情報はこちらから。
スウォッチ キース・ヘリング
オークション界の最新情報についてご存じの方であれば、フィリップスが行うプライベートセールの販売方法にお気づきかもしれない。スウォッチにまつわるすべての大ファンとして、また、前例のないことを支持する者として、私はこのニュースを聞いて、大喜びした。
さて、今回は特別におもしろい一本に注目していただこうと考えた。
これはアーティストのキース・ヘリングとのコラボレーションによって製造された限定版の新古品である。彼はポップアート・ムーブメントの主要人物として認識されてはいるものの、差し迫る社会問題への意識を高めるために自分の作品を使った手法が、彼と同世代の人々の意識を越えるレベルにまで作品を高まってしまったと私は言いたい。彼の作品をもっと調べてみたいと思うなら、ニューヨークにある黒板の描画を観察することをお勧めする。彼が逮捕されたのは、それを繰り返したせいである。
機械式時計好きの人々よ、恐れることなかれ。このブランドの多数の商品とは違い、このスウォッチは自動巻きムーブメントで動いているため、ヘリングの死後に発売されたコラボ商品として歴史に刻まれている。1985年のこのコラボよりも前の個体はクォーツ式ムーブメントで動いていた。また、ヘリングデザインのこの文字盤は、人間ムカデが描かれており、もしその種のものに興味があるなら、非常にクールだ。
カリフォルニア州パームスプリングの販売者がこの一本を出品しているのがeBayで確認できる。795ドル(約8万7000円)から。
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