Introducing ブランパン ヴィルレコレクションに3種類の新しい“ゴールデンアワー”モデルを追加

　コレクション全体のデザインは、これまでの美学を保ちながらもごくわずかに刷新された。リーフ針はより細く仕上げられ、3モデルすべてにスーパールミノバが塗布されている。文字盤ではこれまで配置されていたアプライドの“12”が姿を消し、新たにブランパンを象徴する“JB”モチーフのアプライドシンボルが採用された。この“JB”は文字盤下部のプリントロゴにも重ねてあしらわれている。さらに、これまでのアプライドローマ数字に見られた独特のセリフやカーブは取り除かれ、より洗練されたモダンな印象へと生まれ変わった。ケースバックから見えるローターは、従来のソリッドタイプから立体的なオープンワーク仕様へと改められ、その上にも再び“JB”モチーフがあしらわれている。すべてのモデルには新しいレザーストラップが採用され、クイックチェンジシステムによりストラップの交換がより簡単に行えるようになった。

　3つのうち最もシンプルなのがヴィルレ ウルトラスリムである。伝統的な3針スタイルにデイト表示を備え、ケース径は40mm、厚さはわずか8.7mmというスリムなプロポーションを誇る。文字盤はオパラインとゴールデンブラウンの2色、ケース素材はステンレススティールまたは18Kレッドゴールドの2種類、合計4つのリファレンスで展開する。ケースバックからは、自動巻きのブランパン マニュファクチュール Cal.1151が鑑賞可能だ。シンプルながら完成度が高く、ブランパンを代表するドレスウォッチとしての役割を果たしている。

　このシリーズのほかのリファレンスはすべて、ブランパンを象徴するカレンダー ムーンフェイズに属している。この文字盤レイアウトこそ、まさにブランパンを代表する意匠といえるだろう。あのアイコニックなブランパンの月の、どこか誇らしげな表情とポインターデイトの組み合わせを愛さずにいられる人がいるだろうか。今回の新作ではムーンフェイズ表示がこれまで以上に強調され、開口部がわずかに拡大されている。ゴールドの月はドーム状に成形され、サテン仕上げが施されたうえで、満天の金色の星が散りばめられたブルーセラミック製のディスク上にアプライドされている。40mmモデルでは微笑む月が夜空に浮かぶように配置され、33.2mmモデルではやや穏やかな表情の眠る月が描かれている。

　40mmサイズのヴィルレ コンプリートカレンダー ムーンフェイズは、いわゆるトリプルカレンダーに分類されるモデルである。ポインターデイトによる日付表示に加え、曜日と月も表示するフルカレンダー機構を搭載している。ケース全体も新たにデザインが見直されており、ベゼル、リューズ、ラグ、ケース全体のプロポーションがそれぞれ微調整され、これまで以上に洗練された印象へと仕上げられている。詳しいスペックは以下のとおりだ。

　このモデルはいわゆるアニュアルカレンダーではないため、31日より短い月には手動で日付調整を行う必要がある。ただしブランパンのカレンダー機構は、リューズでの全操作こそできないもののきわめて巧妙な設計が施されている。それがアンダーラグ・コレクターと呼ばれる仕組みだ。4つの修正用レバーがラグの裏側、ケースバックと一体化するように配置されており、専用工具を使わずに指で簡単にカレンダーを調整することができる。これにより、ミドルケース側面にプッシャーを設ける必要がなくケースの美しいフォルムを損なうこともない。さらにこのモデルに搭載されるブランパン マニュファクチュール Cal.6654.4は、約72時間のパワーリザーブを備えるとともに、ブランドがセキュアムーブメントと呼ぶ構造を採用している。これは、カレンダーをいつでも安全に操作できるよう設計された機構で、いわゆる“操作禁止時間帯”が存在しないことを意味する。文字盤はオパラインまたはゴールデンブラウンの2色展開、ケース素材はSSまたは18KRGの2種類で、合計4つのリファレンスがラインナップされている。

　最後に、33.2mmサイズのヴィルレ デイト ムーンフェイズはポインターデイトとムーンフェイズ表示を備えたモデルだ。本モデルにはアンダーラグ・コレクターは搭載されておらず、ミドルケースに配置された従来型のコレクターを使用する仕様となっているため、調整には専用工具が必要となる。しかしながら、搭載されるブランパン マニュファクチュール Cal.913QL.Pはセキュアムーブメントを採用しており、依然としてカレンダーを1日のどの時間帯でも安全に操作できるよう設計されている。文字盤はオパラインまたはゴールデンブラウンの2色、ケース素材はSSまたは18KRGの2種類で展開されるほか、各仕様にダイヤモンドセッティングを施したバリエーションも用意されており、合計で8つのリファレンスがラインナップされた。

　見た目の印象としては、よりモダンですっきりしたデザインへと進化しており、これまでのヴィルレを少し遊びすぎと感じていた人々には響くだろう。とはいえ、個人的にはあの個性的なローマ数字を失ったことが少し寂しい。あの独特のフォントこそヴィルレのダイヤルに豊かな表情を与えていたからだ。ムーンフェイズの仕上がりは見事に改良されているものの、12時位置の“JB”モチーフについては少々やりすぎに感じる。秒針のカウンターウェイトにも“JB”があしらわれているため、文字盤上に同じモチーフが3回も登場することになるのだ。正直なところ、1回、いや2回までにとどめておくべきだったと思う。

　今回のゴールデンアワーシリーズでは、RGケースと組み合わせたときにダイヤルが放つ温かみがとても心地よいと感じる。もちろん、SSモデルのほうが価格的には手に取りやすいのは確かだが、ゴールド製のトリプルカレンダーにはどこかクラシックで魅力的な風情があり、その組み合わせこそがこのモデルの真価を引き立てているように思う。

型番: 6654N 1142 55B／6654N 3642 55B／6654N 1146 55B／6654N 3646 55B

直径: 40mm
厚さ: 10.6mm
ケース素材: 18Kレッドゴールドまたはステンレススティール
文字盤: オパラインまたはゴールデンブラウン
インデックス: 18KWGまたは18KRG
夜光: あり、スーパールミノバ
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ブルーグレー、ハニー、ブラウンレザーストラップ（クイックチェンジシステムとフォールディングクラスプ採用）

キャリバー: ブランパン マニュファクチュー ル 6654.4
機能: 時・分表示、センターセコンド、トリプルカレンダー（曜日・日付・月表示、ムーンフェイズ）
直径: 32mm
厚さ: 5.32mm
パワーリザーブ: 約100時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 28

型番: 6651N 1142 55B／6651N 3642 55B／6651N 1146 55B／6651N 3646 55B

直径: 40mm
厚さ: 8.7mm
ケース素材: 18KRGまたはSS
文字盤: オパラインまたはゴールデンブラウン
インデックス: 18KWGまたは18KRG
夜光: あり、スーパールミノバ
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ベージュ、ハニー、ブラウンレザーストラップ（クイックチェンジシステムとフォールディングクラスプ採用）

キャリバー: ブランパン マニュファクチュー ル 1151
機能: 時・分表示、センターセコンド、日付表示
直径: 27.4mm
厚さ: 3.25mm
パワーリザーブ: 約100時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万1600振動/時
石数: 28

型番: 6126N 1187 55B／6126N 3687 55B／6126N 1146 55B／6126N 3646 55B（ダイヤモンドなし）、6126N 4687 55B／6126N 2987 55B／6126N 4646 55B／6126N 2946 55B（ダイヤモンドあり）

直径: 33.2mm
厚さ: 10.4mm
ケース素材: 18KRGまたはSS
文字盤: オパラインまたはゴールデンブラウン
インデックス: 18KWGまたは18KRG、ダイヤモンド
夜光: あり、スーパールミノバ
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ブルーグレー、ハニー、ブラウンレザーストラップ（クイックチェンジシステムとフォールディングクラスプ採用）

キャリバー: ブランパン マニュファクチュー ル 913QL.P
機能: 時・分表示、センターセコンド、日付表示、ムーンフェイズ
直径: 23.7mm
厚さ: 4.65mm
パワーリザーブ: 約100時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万1600振動/時
石数: 20

価格: ヴィルレ コンプリートカレンダー ムーンフェイズはSSモデルが256万3000円、18KRGモデルが452万1000円。ヴィルレ ウルトラスリムはSSモデルが165万円、18KRGモデルが341万円。ヴィルレ デイト ムーンフェイズはダイヤなしSSモデルが192万5000円、ダイヤなし18KRGモデルが322万3000円、ダイヤありSSモデルが272万8000円、ダイヤあり18KRGモデルが405万9000円（すべて税込）
発売時期: 発売中
限定: なし

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