イエマ　ネイビーグラフ、フランス海軍と提携したダイバーズウォッチを発売

　イエマとフランス海軍が提携し、初のフランス海軍公式時計を製作した。イエマがネイビーグラフと名づけた時計には3つのモデルがあり、サイズは全て39mmだ。まず1000本限定のGMTモデルがあり、これはイエマの自社製GMTキャリバー、YEMA3000を採用し、24時間GMTベゼルを備えている。

　次に、ダイバーズに特化したモデルでは、キャリバーYEMA2000を搭載し（スペック的にはETA-2824に相当）、300mの防水性能を備えている。3つめのモデルは、同じダイバーズウォッチにロンダ503.2FEムーブメントを搭載したもので、自動巻きモデルに搭載されているサファイアクリスタル風防をミネラルクリスタル風防に置き換えている。こちらは200mの防水性能だ。手首の細い人には、ロンダ製クォーツムーブメントを搭載した100m防水の34mmバージョンもある。

　フランス海軍のハンサムな錨のロゴが6時位置にあり、保守的で明確なデザインとなっている。このロゴは、ネイビーブルーとホワイトのモチーフの中にさりげなく組み込まれている。ロゴを採用した理由は、見た目からだけでなく、クラシックな錨のロゴはライセンス契約が可能だったが、他の公的機関のロゴは商用利用が認められていなかったためだ。

　先々週、ジェームスはチューダーがフランス海軍と新しいパートナーシップを結んだことを取り上げた（詳細は「チューダーがフランス海軍とのパートナーシップを発表」の記事を参照）。そのパートナーシップの詳細は不明だが、チューダーは時計メーカーであり、フランス海軍と提携したモデルの生産につながることを期待している。一方、イエマの時計は、既に世に出たわけだ。

　この2つの注目すべきブランドとのコラボレーションから、軍と時計メーカーがしばしば協力関係にあるように思われるかもしれないが、組織レベルではそうではない。

　軍全体ではなく、特定の部隊のメンバーがブランドにアプローチし、彼らのレガシーを称える時計を依頼することはよくある。ダイヤルに部隊のエンブレムが入っていたり、ケースバックに部隊特有の表記が刻まれていたりする。これらは、部隊の承認を得て生産される限定品だ。現代において最前線で着用されている支給品の時計には通常、所属が全く表示されない。隊員に装備の一部として支給され、現場でのみ使用されることを前提としているのだ。

　イエマは何十年にもわたってフランス軍と関わりをもってきた。70年代には、イエマのスーパーマンがフランス空軍の一部の部隊に使用された。イエマは今でも軍部から定期的に単発の時計の依頼を受けているが、この海軍とのパートナーシップの新しい点は、同社が海軍の名前とロゴを時計に使用することを許可された点だ。フランス海軍の水兵のために、そして我々のために、オフィシャルなイエマが誕生したのだ。

　ブランド担当者のバネッサ・ KE氏は「フランス海軍は上級委員会を組織し、厳しい機能仕様の要求を課しました。設計段階から積極的に協力していただき、試作までの全ての段階で検証を行いました」と語る。その結果生まれたのが、この新しいネイビーグラフなのだ。現在、海軍の水兵は、この時計を割引価格で購入することができる。それ以外の一般購入者は、イエマとフランス海軍を通じて購入することができ、収益の一部はフランス海軍が支援するさまざまなNGOに寄付される。

イエマ　ネイビーグラフには、さまざまなバージョンが用意されている。最上級モデルは、1000本限定のGMTバージョンで1049ドル（約11万5000円）。時間表示のみの自動巻きバージョンは790ドル（約8万7000円）、同じく時間表示のみのクォーツバージョンは399ドル（約4万4000円）。34mmバージョンは349ドル（約3万8000円）。全ての時計はイエマで購入できる。