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Weekend Edition 今さら聞けないGMTウォッチのすべて

旅行再開ムードの今、GMTマスター入門特集を読んで懐かしい旅の相棒を再確認しよう。


Illustration by Andy Gottschalk

仕事でもプライベートでも、旅に出かけることが日常に戻りつつあるが、これだけご無沙汰だと旅も楽しいものだと感じるものだ。しかし、私のようにただでさえタイムゾーンを跨ぐと混乱するタイプの人間には、2年ほど1つのタイムゾーンに留まっていたことでそれがひどくなっているかもしれない。友人や家族、同僚に電話やメールをしようと携帯電話を取ると、たとえばニューヨークはサンフランシスコより早いことを忘れて誰かを起こしてしまったり、スイスでの素晴らしいディナーのレポートが、オフィスでの昼食後、ちょうどお腹が空き始めた頃に誰かの受信トレイに届いてしまったりするのである。このように、私がGMTを所有することを夢見る理由は(より実用的な理由もあるが)十二分にある。

Heritage Black Bay GMT Pepsi 79830RB

ジェームズ・ステイシーがチューダー ブラックベイ GMTを取り上げたA Week On The Wirst記事は傑作レビューのひとつである。

 私が初めてロレックス Ref.1675 GMTマスターを初めて見たのは、ニューヨークのソーホーにあるRRLストア(そう、ラルフ・ローレンの西部支店には時計がある)で、私はすぐに恋に落ちてしまった。噂には聞いていたが、第二時間帯を追跡できるというコンセプト以外、どのように機能するのかまったく知らなかった。だから当然、当時の元カノにその機能を誇らしげに説明したのだが、完全に間違っていた。

Variations of reference 6542 Rolex GMT-Masters from our Reference Points.

Ref.6542 ロレックス GMTマスターのバリエーション。Reference Pointsより。

今回のウィークエンド・エディションでは、私が自分の間違いに気づいたときの恥ずかしさから解放されるよう、GMTの基本的な知識、つまり今持っているGMTの種類や読み取り方、そしてGMTがなぜそれほど魅力的なのかを説明するための深い学識や個人のストーリーまでをご紹介しよう。それでは、ハッピータイムゾーン!

Two GMTs from Jason Heaton's story dreaming of being one watch guy.

ジェイソン・ヒートン氏が時計を1本だけに絞ることを夢見る記事の、GMTマスターを並べた写真。


特集記事

GMTやその他のトラベルウォッチを初めて手にするとき、どんなタイプの時計なのか、どのように使うのかを知っておくと便利だ。時はちょっとしたリサーチに役立つし、その時計でちょっとした実験をしてみることで、明らかになることもある。この記事は、市場に出回っている無数のトラベルタイムウォッチの仕組みを理解し、その可能性を最大限に活用するための一助となることだろう。

GMTを手にしたら(あるいはウィッシュリストに追加したら)、この時計の起源について気になるかもしれない。タイムゾーンの概念について哲学的・歴史的に深く掘り下げるよりも、ロレックス GMTマスターの歴史についても同じくらい掘り下げた記事を読むことをお勧めする。旅という概念とこれほど密接に結びついた時計が他にはないだろう。旅用の腕時計のほとんどを「GMT」とだけ表現できるのが、その証左だ。だから、もし全リファレンスを熟知する価値のある時計があるとすれば、それはGMTマスターだと私は断言できる。

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ロレックス製GMTを手に入れるという私の夢の少なからぬ部分が、ジェイソン・ヒートンが執筆したこの記事に由来していることは認めよう。コール・ペニントンは、この記事に登場する男と私のあいだに共通の特徴があることを、ほぼ毎月のように思い出させてくれる。冒険心、ナショナル・ジオグラフィック誌との関わり、そして私が生涯添い遂げるつもりで時計を買っているという事実だ。私がこの記事をHODINKEEのマスターピースのひとつに数えるのは、GMTがなぜ強い感動を呼ぶ時計であるのかを完璧に言い表しているからである。

ロレックスのGMTはちょっと高すぎる、あるいは多くの人が思うように、市場で最も需要の高い時計のひとつを手に入れるには、待ち時間に耐えることができないかもしれない。ジェームズ・ステイシーがチューダー  ブラックベイGMTを紹介して以来、チューダーも含め、市場には多くの選択肢が存在するようになった。しかし、ジェームズのこの時計に関する記事は、ブラックベイ GMTが廉価モデルであることに甘んじることなく、素晴らしい選択肢であることを長きに渡り証明し続けることだろう。

もしかしたら、自分で購入したり、家族から譲り受けたりして、しばらくGMTを手にしていた幸運な方もいらっしゃるかもしれない。やがて、良質なGMTウォッチ、とりわけロレックスのモデルの価格が、いよいよ無視できない水準に達していることに気づくかもしれない。その時取るべき行動とは? ダニー・ミルトンは、まさにその究極の問いと格闘していたのであり、私はこの記事を読んで、彼のアドバイスに耳を傾けることをオススメしたい。

話しているうちに、彼のGMTは私のよりもずっとボロボロで、色あせていて、かろうじて伸びたリベット付きのブレスレットにしがみついている状態だった。しかし、間違いなく2つのうちより好ましいものであることに気付いた。私は嫉妬した。彼の時計にではなく、彼に。

– ジェイソン・ヒートン(JASON HEATON)