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Watching Movies オメガ シーマスター アクアテラをつけたジョージ・クルーニーが娘の結婚を阻止しようとする『チケット・トゥ・パラダイス』

そして、ジュリア・ロバーツは今週の時計関連映画でゴールドの謎の1本を身につけている。


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映画館に行って90分のあいだ、ほかのことを忘れ、映画スターが映画スターらしく振る舞うのをただ眺めていたい気分になったことはないだろうか。ジョージ・クルーニー(George Clooney)とジュリア・ロバーツ(Julia Roberts)が共演する最新のファミリーコメディ『チケット・トゥ・パラダイス』は、まさにそんなときのための映画だ。見たとおりといった印象であり、基本的な映画の前提を満たしている。だからもし、すでに予告編を見たことがあるなら、何が起こるかはおわかりのはずだが、見ていない方のために、内容をお伝えしよう。ジョージ・クルーニーとジュリア・ロバーツが演じるのは離婚した元夫婦で、娘がバリ島で結婚することになっており…ふたりは反対している。仲違いしてはいるものの(苦々しい離婚だったのだ)、ふたりは協力して結婚を阻止しようということで合意する。おっと、それからジョージ・クルーニーはギリシャ文字の一番最後の文字がはいったステンレススティールのスポーツウォッチをつけている。

Clooney and Roberts

『チケット・トゥ・パラダイス』で、素晴らしい皮肉な笑顔を見せるデヴィッド(ジョージ・クルーニー)とジョージア(ジュリア・ロバーツ)。Image: Courtesy of Universal


見るべき理由

 このWatching Moviesでは、劇場公開作をチェックしておきたいと思っており、特に新作映画に取り上げる価値のある時計が登場する場合にはなおさらだ(その映画が批評家のお気に入りとはならないかもしれないが)。『チケット・トゥ・パラダイス』は本日(日本では11月3日)劇場公開されるが、予告編が公開されて以来、私はこの映画を自分自身の目でチェックしなくてはならないと確信していた。劇中でクルーニーがSS製のオメガ シーマスター アクアテラを着用しているからだ。もちろんクルーニーがオメガのアンバサダーであることは有名で、『ラスト・ターゲット(原題:The American)』(2010)や『マネーモンスター』(2016)などのいくつかの映画でオメガの時計を着用している。ちなみに『マネーモンスター』でもジュリア・ロバーツが共演している。

Clooney

『チケット・トゥ・パラダイス』の劇中、一緒にいられることにすっかり感激している様子のアクアテラをつけたデヴィッド(クルーニー)と、ジョージア(ロバーツ)。Image: Courtesy of Universal

 しかし、これらの映画で彼はオメガ スピードマスターを着用していた。本作では、とびきりトロピカルなバリ島へ行く役であり、選ばれた時計は、はるかに防水性の高いものだ。マスターはマスターでも、シーマスターのほうで、正確にはシーマスター アクアテラだ。見たところ型番は220.10.41.21.01.001で、シーマスター アクアテラ 150m コーアクシャル マスター クロノメーター 41mmと呼ばれる。どう考えても呼びにくい名前だ。

 劇中で時計を見つけるのは非常に容易であり、クローズアップで映る場面もいくつかある。注目すべき特徴はオールSS製のつくり、模様のある黒いダイヤル、三角形のアプライドインデックス、アロー型の分針、そしてクロノメーター認定を受けているコーアクシャル脱進機を用いたCal.8900だ。アクアテラはいろいろな意味で、決してダイバーズウォッチとしてではなく、多様な使い方ができる日常の時計として作られた非常に独創的な古いシーマスターの精神を継ぐものである。そのため、ダイバー 300Mシーマスター 300にあるような潜水時間計測用のベゼルがない。それでも150m防水であり、クルーニーが演じたバリ島を訪れるデヴィッドには十分であり、皆さんにも十分なはずだ。

Omega Aqua Terra

こちらと下の写真は、ジョージ・クルーニーが『チケット・トゥ・パラダイス』で着用した時計と同様のオメガ シーマスター アクアテラ。

Omega Aqua Terra
Omega Aqua Terra

 ブランドのアンバサダーであるにしても、クルーニーが本作でこの時計を身につけているのはクールだと、私は思っている。すべての父親には信頼できるSS製スポーツウォッチが必要だという観点から、この時計は完璧な父親の時計だと思える。そして彼は『チケット・トゥ・パラダイス』のなかで、アイロンのかかったYシャツとスラックス、数々のブレザーとスーツを身にまとって父親的エネルギーを放っている。このフィクションの世界のなかで、彼の時計はこれしかないと感じられるが、あからさまな表現なしに、こういった感覚が伝わってくるとき、私はそれを映画的、時計学的な勝利と呼ぶ。

結婚の妨害を企てながらバリ島に到着する、アクアテラをつけたデヴィッド(クルーニー)とジョージア(ロバーツ)。『チケット・トゥ・パラダイス』より。Image: Courtesy of Universal

 時計についていえば、ジュリア・ロバーツが演じるジョージアも劇中で時計をつけている。ゴールドにレザーストラップの時計だ。映画を観て、彼女の時計が何かわかったら、コメント欄で教えてほしい。コミュニティの皆さんによる「Watch spotting(時計の特定)」だ。

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見るべきシーン

 バリ島に到着したあと、デヴィッド(クルーニー)は娘の将来の夫と海岸沿いでふたりきりになる。このときの会話によって、彼はこの哀れな男を存分に怖がらせ、未来の妻は結婚に完全に乗り気ではないかもしれず、将来離婚を申し渡される可能性があると思い込ませる。もちろんデヴィッドとジョージア(ロバーツ)にとって、すべては計画どおりだ。“腹を割った会話”のあと、デヴィッドとジョージアは未来の義理の家族とともに祝宴に参加し、そこでデヴィッドが肉と野菜らしきもの(我ながら鋭い観察力だ)の串焼きにかぶりつく様子が見られる。その際に、彼の腕に装着されたアクアテラが素晴らしくはっきりと映る。

Clooney

Image courtesy of Universal

 劇中ではその後、花嫁となるリリー(ケイトリン・デヴァー, Kaitlyn Dever)が両親と親友のレン(ビリー・ロード, Billy Lourd)とともに夜の街で時を過ごす。彼らはたっぷりと酒を飲んで、パーティを本当に始めるために、バーはどの音楽をかけるべきかを議論する、とだけ言っておこう。座って飲んでいるとき、カメラが少しのあいだ、アクアテラをつけたクルーニーの腕を映す。それから音楽が始まり、クルーニーとロバーツの長いダンスタイムとなる。ふたりの動きがよいかどうかのジャッジは皆さんにお任せしよう。私はただ時計についてジャッジするだけだ。

Clooney

Image: Courtesy of Universal

『チケット・トゥ・パラダイス』(主演:ジョージ・クルーニー、ジュリア・ロバーツ)はオル・パーカー(Ol Parker)が監督、エマ・ラドキン(Emma Rudkin)が小道具を担当。現在、各地の映画館で上映中。

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