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Introducing グランドセイコー 45GSを再現した限定版、SLGW004とSLGW005(編集部撮り下ろし)

44GSの弟分であるこのモデルが、今回の復刻でスポットライトを浴びる。

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我々が知っていること

今週、グランドセイコーは1968年に誕生したアイコニックなヴィンテージモデル“45GS”の現代的な復刻版となる2本の時計を限定シリーズとして再びカタログに加えた。45GSは、しばしば44GSの弟分とみなされるモデルである。44GSは、45GSに先立つ1967年に発表され、グランドセイコーの創造哲学を定義する“デザインの文法”を確立した時計である。44GSは現代的に再解釈され、やや分厚くてかさばるバージョンとして現在のカタログに位置づけられたが、45GSはブランドから同様の注目を浴びることはなかった。2013年、セイコーの時計製造100周年を記念して、ブランドはさまざまな金属ケースで忠実に再現された44GSを限定リリース。そして本日、ステンレススティールとイエローゴールドを用いたSLGW004およびSLGW005の登場により、ついに45GSも同様の待遇を受けることとなった。

gold 45GS on tray
44GS

オリジナルの44GS。

45GS

オリジナルの45GS。

 1968年から1973年まで製造された45GSは、44GSと外観上の共通点が多く、田中太郎(当時の服部時計店のデザイナーであった)が考案したデザイン文法がすでに確立されていたことを明確に示している。44GSと同様に、45GSも当時セイコーの2大生産拠点のひとつであった第二精工舎で製造された。しかし45GSには、兄弟モデルとは一線を画すための微妙な変更が加えられていた。44GSと同様、印象的にポリッシュ仕上げされたケース側面や、精巧なサテン仕上げが施されたショルダーラグ、そして部分的に凹んだリューズはそのままに、さまざまなプロポーションに手が加えられていたのだ。また44GSの37mmケースサイズから、45GSでは36.5mmへとわずかに縮小。さらに重要な点として、45GSはグランドセイコーラインで初となるハイビートムーブメントを搭載し、3万6000振動/時(5Hz)で時を刻んでいた。

 現在に話を戻すと、新たに再現されたSSとYGモデルでは、ケースデザインはオリジナルに忠実でありながら、直径38.8mm、厚さ10.4mmのケースに手巻きムーブメントを収めるべく、モダンなアレンジがわずかに加えられている。またこのモデルでも45GSの特徴である傾斜のついたケース側面と幅広のラグがしっかりと再現されており、ラグのショルダー部分のヘアライン仕上げとザラツ研磨が施されたケースとのコントラストが非常に際立っている。文字盤の色と文字は、オリジナルとほぼ同じだとブランドは言う。遠目には無垢に見えるかもしれないが文字盤はわずかにメタリックで、真珠に似た光沢のあるきめ細かなテクスチャーが施されている。スティールモデルではカラーがホワイトエッグシェルであるのに対し、ゴールドモデルではダイヤルがやや温かみのあるライトクリーム色となっている。実際にこれらを見たところ、少なくとも屋内の照明下では、その違いはそれほど目立たなかった。文字盤上には、12時位置にヴィンテージの“SEIKO”ロゴ、6時位置に“GS”ロゴが配されている。印字された文字もオリジナルに倣っており、“HI-BEAT”、“36000”、さらには初代へのオマージュとして第二精工舎のロゴも、このモデルに取り入れられている。

closeup of dial
hairline finishing
case side
vintage style buckles

 この時計で最も現代的な要素は裏側にある。4月のWatches & Wondersで発表された手巻きのハイビートムーブメント Cal.9SA4が搭載されているのだ。このムーブメントはデュアルインパルス脱進機とツインバレルを備えており、パワーリザーブは約80時間と、45GSに搭載されたオリジナルのCal.4250よりもはるかに高いスペックを誇る。テンプのすぐ下には加熱処理された青焼き針を持つパワーリザーブインジケーターが配置されており、新構造の楽しくて小さいトレードマークである小さなセキレイがムーブメントのコハゼとして機能している。

wagtail click

小さなセキレイの形をしたコハゼは、遊び心のある魅力的なディテールである。

the power reserve

裏側に配されたパワーリザーブインジケーター。

caseback of the watch

 両モデルともに11月9日発売予定(グランドセイコーマスターショップ限定)で、SSモデルは134万2000円で世界限定1200本(うち国内425本)、YGモデルは423万5000円(ともに税込)で世界限定200本(うち国内175本)となっている。


我々の考え

グランドセイコーがWatches & Wondersで新しい手巻きモデル、SLGW002とSLGW003を発表したとき、私はこの新しいムーブメントに注目した。しかし新しいエボリューション9のデザイン言語にはまだなじもうとしている段階だ。SLGW004とSLGW005では、オリジナルの45GSのシャープで引き締まったケースと最新のムーブメントの組み合わせが素晴らしいコンビネーションを生み出していると思う。一部の熱狂的なヴィンテージグランドセイコーファンは、この“復刻版”に対し、これまでのモデルで見られた典型的なソリッドケースバックが採用されていない点を批判するかもしれない。それが少し幻想を壊しているという意見もきっとあるだろう。しかし私はこのムーブメントこそ見せるべきだと思っている。

steel and gold watches together

 このムーブメントの構造や仕上げはブランドのより古典的な手巻きムーブメントからはるかに大きく進歩しているし、私がこのバージョンで気に入っているのは、ムーブメントが裏蓋全体を完全に埋め尽くしていることだ。結果的に、この時計は古きよきものと新しいものを見事に融合させた成功例であり、まさに現代的な復刻版の定義にふさわしいと感じる。

 手首につけると、わずかにサイズアップしたケース(新ムーブメントを搭載するためには仕方のないことだ)は、ラグが短いこともあってさまざまな手首に驚くほどよくフィットする。グランドセイコーはこれに黒のクロコダイルストラップを合わせているが、個人的にはこの時計には美しいカジュアルなカーフレザーストラップが似合うと思う。毎年ダイヤルの色を変えて限定発売されるモデルが好みでないなら、このモデルがぴったりかもしれない。

gold wrist shot

 これらが通常ラインナップとして提供されてほしいとは思うが、グランドセイコーがこのような歴史的モデルを小規模な製品として時折展開し続けるのも理解できる。興味深いことに、今回のSS製復刻モデルは限定ではないチタン製SLGW003よりも安価である。チタンには追加の料金がかかるためこの価格設定は理にかなっているが、ブランドが限定モデルに対して価格設定を無視することが多いなか、この価格設定は好意的に受け取れる。


基本情報

ブランド: グランドセイコー(Grand Seiko)
モデル名: ヘリテージコレクション 45GS復刻デザイン 限定モデル(Heritage CollectionRe-creation of the 45GS Limited Edition)
型番: SLGW004(YG)、SLGW005(SS)

直径: 38.8mm
厚さ: 10.4mm
ケース素材: 18Kイエローゴールドまたはステンレススティール
文字盤: ライトクリーム(SLGW004)、エッグシェルホワイト(SLGW005)
インデックス: アプライド
夜光: なし
防水性能: 日常生活用防水(3気圧防水)
ストラップ/ブレスレット: クロコダイルストラップ


ムーブメント情報

キャリバー: 9SA4
機能: 時・分表示、センターセコンド、パワーリザーブインジケーター(ケースバック側)
直径: 31mm
厚さ: 4.15mm
パワーリザーブ: 約80時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 3万6000振動/時
石数: 47
クロノメーター認定: なし、日差+5~-3秒
追加情報: シースルーケースバック、4800A/mまでの耐磁性能


価格 & 発売時期

価格: SSモデルは134万2000円、YGモデルは423万5000円(ともに税込)
発売時期: 2024年11月9日(グランドセイコーマスターショップ限定)
限定: SSモデルは世界限定1200本(うち国内425本)、YGモデルは世界限定200本(うち国内175本)

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