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Introducing グランドセイコー スプリングドライブ キャリバー9R 20周年記念限定モデル(編集部撮り下ろし)

スプリングドライブ キャリバー9Rの周年を祝うべく、グランドセイコーは2種類の赤文字盤モデルをリリースした。


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我々が知っていること

一昨日、グランドセイコーはスプリングドライブ キャリバー9Rの20周年を記念したふたつの限定モデルを新たに発表した。これはグランドセイコーがウォッチメイキングにおいて多大な貢献を果たした事実を称えるものであり、伝統的なゼンマイから機械的な力を得る一方で、電子および電磁部品を組み合わせることによってそれぞれ単体で使用するよりも大きな価値を生み出す“ハイブリッドムーブメント”というコンセプトを祝うものである。日差±1秒という驚異的な精度で知られるキャリバー9Rシリーズは、グランドセイコーの物語のなかで確固たる地位を確立。過去20年間以上にわたってグランドセイコーはこのコンセプトを進化させ、時刻表示のみの手巻きムーブメントから自動巻きクロノグラフGMTに至るまで数多くのバリエーションと、スプリングドライブの特徴を生かしたモデルを発表してきている。

Grand Seiko Spring Drive

Cal.9R31、手巻き式スプリングドライブムーブメント。

 グランドセイコーのブランドに精通している人なら、こうした限定モデルは往々にして文字盤が真の主役であることを知っているだろう。そして今回のリリースにおいても、まさにそのとおりになっている。

 まずひとつ目のモデルであるSBGY035は、直径38.5mmで厚さが10.2mmだ。このモデルはほかのSBGYモデルにも見られるステンレススティール(SS)製のケースを採用しており、広く滑らかなケース形状は手首に密着し、ラグは比較的短い。グランドセイコーのデザインに通常見られるような鋭いエッジよりもより穏やかな傾斜を特徴としている。内部には手巻き式のCal.9R31を搭載しており、約72時間のパワーリザーブとスプリングドライブに期待される日差約±1秒の精度を誇る。

closeup of red dial

文字盤の外側に向かって暗くなるダークなグラデーションがいいアクセントになっている。

 グランドセイコーが製造する文字盤の説明ではおなじみだが、SBGY035の際立った赤いカラーリングについてもブランドは詩的な表現を行っている。このモデルについては、「夜の静けさに包まれていた穂高連峰が朝日に照らされ、その輪郭がはっきりと浮かび上がり、美しい紅葉が現れる様子をグラデーションダイヤルで表現しました」とある。

 ブランドの過去数年間のリリースを追っている人ならば、この文字盤のパターンが非常になじみ深いものであることに気がつくかもしれない。それはSBGA413“春分”(アメリカ限定モデル)や昨年発表されたRGモデルの傑作であるSBGY026“花筏(はないかだ)”と同じものであり、今回は美しい濃赤(こきあか)のフュメカラーが施されている。ビーズブラスト加工された“GS”ロゴやポリッシュ仕上げの秒針は、淡いローズアンバーゴールドで彩られた。この時計には赤茶色のクロコダイルストラップとデプロワイヤントバックルが組み合わされている。全世界で700本限定で、11月からグランドセイコーブティックと一部の小売店で販売が開始される予定だ。価格は116万6000円(税込)となっている。

GS Red Dial Automatic

この文字盤を見た瞬間、急にフルーツポンチが食べたくなった。

 同タイミングでリリースされたもう1本のモデルが、自動巻きスプリングドライブを搭載したSBGA499だ。直径40.2mmで厚さは12.8mmと手巻きのSBGY035と比較して少しボリュームがある印象だが、ケースはより伝統的なフォーマットに則っているためより広い層への訴求が期待される。さて、この文字盤についてプレスリリースに書かれている詩的な表現を引用しよう。キャリバー9R 20周年記念モデルの2本目については、「鮮やかな赤色のダイヤルは、夜が明け、昇る太陽の光に照らされた穂高連峰がより一層輝く様子を表現」したとある。

 自動巻きスプリングドライブムーブメントの特徴であるパワーリザーブインジケーターは7時から8時の位置に配置されており、本作では淡いRGの色合いでコントラストがつけられた。また、10気圧の防水性能がこの時計をより日常使いに適したものとしている。SBGA499の文字盤上でなめらかな動きを見せるCal.9R65は9Rファミリーで最初に作られたムーブメントであり、今回のリリースにはふさわしいムーブメントだといえよう。この時計は9月7日(土)から79万2000円(税込)で世界限定1300本で販売される。

movement

SBGA499に搭載された自動巻きのCal.9R65。


我々の考え

グランドセイコーが限定モデルのために文字盤のカラーウェイを新たに提案するのは今回が初めてではないし、今回が最後というわけでもない。しかし実際にこれらを目にした際、その文字盤の美しさには驚かされた。私は普段、赤色を好まない。しかしとりわけSBGY035に関しては、中心に向かって明るくなる豊かな色合いのグラデーションとテクスチャーがこの時計に命を吹き込んでいるように見える。名作SBGA413“春分”が日本の繊細な桜の花を表現していたとすれば、この文字盤はまるで大きなチェリーパイの1片のようだ。ふたつ目の時計であるSBGA499では文字盤の色はさらに明るくなり、より強烈で電飾的な赤に感じられる。文字盤に施された鮮やかなサンバースト仕上げによって、よくも悪くも特に真昼間に目立つ時計であることは間違いない。私からすると少し赤が強すぎるため、もう少し暗めの色合いであればさらによくなると思うが、赤文字盤の愛好家からは異論が上がるかもしれない。

GS Red Dial

 これらの時計が過去の多くのモデルのように地域限定ではなく世界中で発売されることを考えると、特にSBGY035においては非常に高い需要が予想される。SBGA499の数量がSBGY035のほぼ2倍であるのは価格帯によるものだと推測されるが、私からするとSBGY035のほうがはるかに魅力的な時計であり、特に限定版としてその価値が高いと感じる。欲をいえばSBGY035を限定1300本として欲しかったところだ。


基本情報

ブランド: グランドセイコー(Grand Seiko)
型番: SBGY035、SBGA499

直径: 38.5mm(SBGY035)/40.2mm(SBGA499)
厚さ: 10.2mm(SBGY035)/12.8mm(SBGA499)
ケース素材: SS
文字盤色: レッド
インデックス: アプライド
夜光: なし
防水性能: 3気圧(SBGY035)/10気圧(SBGA499)
ストラップ/ブレスレット: 赤茶色のクロコダイルストラップ(SBGY035)/SS製ブレスレット(SBGA499)


ムーブメント情報

キャリバー: 9R31(SBGY035)/9R65(SBGA499)
機能: 時・分・秒表示、ケースバック側にパワーリザーブインジケーター(SBGY035)/時・分・秒表示、デイト表示、パワーリザーブインジケーター(SBGA499)
パワーリザーブ: 約72時間
巻き上げ方式: 手巻き(SBGY035)/自動巻き(SBGA499)
石数: 30
クロノメーター認定: なし、ただし精度は±1秒/日

side view of GS

価格 & 発売時期

価格: SBGY035は116万6000円/SBGA499は79万2000円(ともに税込)
発売時期: SBGA499は9月7日(土)/SBGY035は11月9日(土)
限定: SBGY035は世界限定700本/SBGA499は世界限定1300本

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