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Introducing シルヴァン・ピノーとエスパーリュクスの特別モデル、オリジン“サント・クロワ”が登場

ピノー氏とエスパーリュクスは、すでに優れたインディペンデントウォッチをさらに洗練させ、とても魅力的なものに仕上げた。

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我々が知っていること

シルヴァン・ピノー(Sylvain Pinaud)氏は、ボストンの独立系リテーラー、エスパーリュクス(EsperLuxe)と協力し、ピノーのタイムオンリーウォッチ“オリジン”を12本限定で発表すると明らかにした。これはエスパーリュクスがリテーラーとして5周年を迎えることを記念したものである。実物はまだ見ていないが、写真から判断するにこれまでのピノーの作品のなかで最も気に入っている。ハイエンドウォッチメイキングの一例として、その価格は決して安くないがそれだけの価値があるように感じる。

Sylvain Pinaud Origine 'Ste Croix'

 新作オリジン“サント・クロワ(Ste Croix)”は、2023年のGPHGで“オロロジカル・レベレーション賞(Horological Revelation)”賞を受賞したオリジナルのオリジンを基にしている。ムーブメントには自社製の輪列とスイスレバー脱進機が搭載されている。特筆すべきはダイヤル側の6時位置に配置された13.2mmのフィリップスカーブ付きヒゲゼンマイである。秒針は10時位置にあり、時刻表示は2時位置のシルバートーンのフロステッド仕上げとサテン仕上げが施されたインダイヤルに表示される。この美しく際立つシンプルなレイアウトによって、ピノー氏のハンドクラフト技術が強調されているのだ。地板はフロステッドゴールド製で、オリジナルのオリジンにはなかった色味が加わっている。今回のモデルではダイヤル上の“Hand Made”表記が取り除かれたが、そもそもこの表記は不要だと感じていた。作品はそれ自体を物語っている。

Sylvain Pinaud Origine 'Ste Croix'

 ムーブメントの裏側は一見シンプルに見えるが、やはり写真を見る限りその仕上げは裏側も素晴らしい。ムーブメントは手巻きで、パワーリザーブは約55時間。ケースはステンレススティール製で、そのシェイプはF.P.ジュルヌの時計をほうふつとさせるものであり、サイズは40mmで厚さは11mmだ。繰り返しになるが、優れた手作業には値段を付けるべきではない。だがもし値段を付けるとすれば、この時計は7万6900スイスフラン(日本円で約1315万円)となる。

Sylvain Pinaud Origine 'Ste Croix'

我々の考え

シルヴァン・ピノー氏はもっと注目されるべき時計師だと思うが、残念ながら彼の作品を実際に見たことはまだない。彼の作品は最高水準の品質に見えるが、現時点で発表しているのはわずかに異なるふたつのデザインを持つモデルだけであり、これが彼自身のスタイルとして確立されたものかどうかははっきりしていない。ただ個人的にはそうであってほしいと願っている。というのも、どの要素を見ても素晴らしく、特にテンプやブリッジ、ダイヤルのパーツ、ブリッジのシェイプなど、どれも非常に緻密に計算されているように感じるからだ。

Sylvain Pinaud Origine 'Ste Croix'

 いくつか気になる点もある。たとえば通常テンプが収まるはずの背面の隙間が、まるで何かが欠けているように目立つ。しかし、これもひとつの魅力かもしれない。確かにその隙間が視覚的な緊張感を生み出しているようだ。

 エスパーリュクスについては、昨年のクリストファー・ダブール(Christopher Daaboul)氏に関するプロフィールを記事で紹介したことを覚えているかもしれない。彼は長年にわたり情熱的なコレクターであり、独立系時計師たちを支持し、現在では5年間にわたり独立時計師たちの小売業者としても活躍している。彼は2021年にZoomを通じてシルヴァン・ピノー氏と出会い、その後サント・クロワ地方にあるピノー氏のアトリエを訪れたそうだ。ダブール氏によればこの時計はサント・クロワ地方のウォッチメイキングからインスピレーションを得ているという。正直なところ、その地域の時計製造については詳しくないため細部までは分からないが、写真を見る限りこのオリジンのバージョンが個人的には一番気に入っている。

Sylvain Pinaud Origine 'Ste Croix'

 ゴールドフロステッド仕上げが施された地板は、F.P.ジュルヌやフェルディナント・ベルトゥーの美学を思わせる伝統的な雰囲気を醸し出している。このような時計にうまく調和しており、特に前面に大きく配置されたテンプとの相性が抜群だ。また発売時のシルバートーンのオリジンよりも視認性が高いように感じられる。SSケースの時計で7万6900スイスフラン(日本円で約1315万円)という価格は驚くかもしれないが、その価格はオリジンに見合うハンドクラフトとハンドフィニッシュのレベルに見合ったものだと言える。そういった意味では、ピノーの時計を実際に見る努力をしなければならないと再認識させられた。

Sylvain Pinaud Origine 'Ste Croix'

基本情報

ブランド: シルヴァン・ピノー(Sylvain Pinaud)
モデル名: オリジン“サント・クロワ”(Origine "Ste Croix")

直径: 40mm
厚さ: 11mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤: サークルポリッシュとサブラージュ仕上げの中央部分に、ゴールドフロステッド仕上げを施した地板
インデックス: 青焼きされた時・分・秒針
夜光:なし
ストラップ/ブレスレット: カーフレザーストラップ、SS製デプロワイヤントバックル

Sylvain Pinaud Origine 'Ste Croix'

ムーブメント情報

キャリバー: オリジン
機能: 時・分表示、スモールセコンド
直径: 33.8mm
厚さ: 6.9mm
パワーリザーブ: 約55時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万1600振動/時
追加情報: 自社製脱進機と可変慣性テンプ(テンプ径13.2mm)、フィリップスカーブ付きヒゲゼンマイ


価格 & 発売時期

価格: 7万6900スイスフラン(日本円で約1315万円)
発売時期: エスパーリュクスを通じて発売中
限定: あり、世界限定12本

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