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我々が知っていること
終わりは近い。パテック フィリップのノーチラス Ref. 5711がディスコンへ。このニュースは2021年の時計業界のニュースのなかで、他に類を見ないほど大きな話題となった。我々は5711の製造中止という情報をディスコンリストを入手したときに初めて知ったのだが、それは小さな時計オタクの世界の外から伝わってきた。話題は、パテック フィリップCEOのティエリー・スターン氏がニューヨーク・タイムズ紙に行ったインタビューで、2006年に発売された最も人気のある時計を終了するという選択を正当化したことで最高潮に達した。
タイムズ誌のインタビューでスターン氏は、パテックの最も話題性のあるステンレススティールウォッチの「勝利の宴」が開かれるだろうと語っていた。今年のWatches & Wondersでグリーンダイヤルのノーチラス 5711/1A-014が登場したときには、誰もがこれがそれに当たると思っていた。しかし、パテックは別のバージョンを用意していたのだ。
ティファニー ブルーのパテック フィリップ Ref. 5711は、時計業界で最も愛されているスティールリファレンスの限定モデルだ。このモデルは、パテックの最も偉大なリテールパートナーのために製作されたもので、時計製造における最もダイナミックなブランドとリテーラーの170周年を記念するものだ。
この時計は、パテック フィリップが販売されているニューヨーク、ビバリーヒルズ、そしてサンフランシスコのティファニー・ブティックでのみ販売される。すべての面でおなじみの5711/1Aに、ティファニー ブルーの文字盤が加わっている。もちろん、ティファニーの刻印入りだ。170本の限定生産で、「170th Anniversary Tiffany & Co - Patek Philippe 1851 - 2021」と刻まれており、5711の究極のスワンソングとなる。今度は本物だ。
もし、割り当てを逃してしまったら(正直言って、そうなるだろう)、オークションで運試しをすることができる。オークションハウスのフィリップス社は、12月11日にニューヨークでこのうち1本を販売し、収益の100%をティファニー社が選んだ慈善団体「The Nature Conservancy」に寄付するという。また、すべての時計をどのように顧客に配分するかは、ティファニー社によって決められる。
小売価格は5万2635ドル(約598万円)で、通常の5711よりも高くなっている。これはパテックのすべてのスペシャルエディションに共通していることで、小規模なシリーズの製造には追加の作業が必要になるためだという。
我々が思うこと
最新の5711は、パテック フィリップであると同時にティファニーの製品であると感じられる。このブルーは、まさに彼らの自己表現である。パテックは、重要な時計の締めくくりに、このような親密な方法でパートナーとスポットライトを共有することを選んだわけだが、それはジュネーブの大企業を運営するエグゼクティブが、ビジネスパートナーシップをどのように考えているかを示すものだ。
2019年末、HODINKEEの記事のなかで、ジョー・トンプソンとベン・クライマーは、LVMHによるティファニーの買収と、それが時計コレクターにとってどのような意味を持つかについて考察した。ティファニーが世界最大のラグジュアリーグループに加わったことで、パテック フィリップと長年にわたる米国の小売店としての関係に何か影響があるのではないか、という話題だった。今回のリリースから判断すると、そのパートナーシップはこれまで同様に強固なものであるようだ。ふたつ上の画像にあるケースバックをよく見ると、2021年という文字のなかにイースターエッグが隠されていることに気づくだろう。
実は、パテックとティファニーの170年におよぶパートナーシップを称えるだけでなく、最終モデルの5711は、アメリカのジュエラーであるティファニーがLVMHグループに買収されたことを記念するものでもある。パテックのCEOであるティエリー・スターン氏は、CNBCの記事のなかで、「これは、ティファニーの買収を祝福するための、私からのささやかな贈り物でした」と語っている。「私にとって、ユニークで特別なものを選ばなければならないことは明らかでした。これがこの時計の最終ラウンドです」。スターン氏は、LVMHの幹部とのバーチャル会議でこのデザインを発表した。
パテック フィリップが製造するティファニースタンプ付きの時計は、どれも注目の的だ。5711の最後のバリエーションであること、パテックの最も輝かしい小売店とのパートナーシップから生まれたこと、その小売店の付加価値のあるスタンプだけでなく、そのシグネチャーカラーの文字盤を備えた限定版であること...これらすべてが、今年最も切望された時計のひとつになることは間違いないだろう。
このブルーの色合いは、多くの人が伝統的なノーチラスに期待してきたものとはまったく異なるものだ。メタリックブルーとホワイトの重厚なダイヤルカラーは、文字盤の水平方向の型押しと同様に、デザインの象徴的な要素と私も考えているほど、長く愛されてきた。今年の初めに発表されたグリーンバージョンは、メタリックブルーの精神を継承しつつ、2021年に向けて最新のポーズをとっているように見えた。ティファニー ブルーが象徴的な色であることは間違いない。しかし、それはノーチラスを象徴する色なのだろうか?
私は1時間ほど写真に目を通したが、文字盤の色について最終的にどう思うかはこの時計を実際に見てみないとわからないという結論に至った。柔らかなブルーの色調とブラックのマーカーの組み合わせは、ロンドンの靴メーカージョージ・クレバリーのオーナーであるジョージ・グラスゴー・ジュニアが最近のFour + Oneで述べたことを思い起こさせるものだった。同氏は奥さんとノーチラスを共有していて、彼女もノーチラスを使いこなせるように時々リンクを外しているそうだ。この最後の1本となる5711は、共有できるノーチラスの候補として非常に素晴らしいものだと感じる。また、数量が非常に限られているため、そうする必要があるかもしれない。
基本情報
ブランド: パテック フィリップ(Patek Philippe)
モデル名: ノーチラス(Nautilus)
型番: 5711/1A-018
直径: 40mm
厚さ: 8.3mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤色: ティファニー ブルー
インデックス: ブラックのアプライド(ゴールド製)
夜光: あり
防水性能: 120m
ストラップ/ブレスレット: ステンレススティール製ブレスレット
ムーブメント情報
キャリバー: 26-330 SC
機構: 時、分、秒、日付
直径: 27mm
厚さ: 3.3mm
パワーリザーブ: 35時間、最大45時間
巻毛方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
価格 & 発売時期
価格: 5万2635ドル(約598万円)
限定: 170本
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パテック フィリップの詳細については、公式サイトをご覧ください。ティファニーは、LVMHグループの一員です。LVMH Luxury VenturesはHODINKEEに少額出資していますが、編集上の独立性は完全に保たれています。