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我々が知っていること
フランスのウォッチメイキングは、ここ最近まさに絶好調だ。F.P.ジュルヌはさておき(拠点はスイスだが、彼自身はフランス人だ)、興味深いアプローチで前進を続けるブランドが次々と現れている。今回特に注目すべきふたつの名前は、バルチックとスペースワンだ。後者はオフレ パリのテオ・オフレ(Théo Auffret)氏と、いくつかの主要ブランドの復活に大きな役割を果たしてきたギヨーム・ライデ(Guillaume Laidet)氏によるコラボレーションブランドである。両者とも、比較的手の届きやすいインディペンデントウォッチメイキングの領域で重要な存在となっているが、そのアプローチはまったく異なる。スペースワンが未来的なデザインを前面に押し出しているのに対し、バルチック、そしてより広く言えばオフレ氏は、クラシックなデザインに根ざした時計づくりを得意としている。だからこそこのバルチック×スペースワンの新作、セコンド・マジュールはきわめて興味深い。私のような、より伝統的なテイストを好む人間が待ち望んでいた時計のように感じられる。
セコンド・マジュール自体は、すべての人にとって完全なサプライズというわけではない。バルチックとスペースワンは、数週間前にジュネーブで開催されたTime to Watchesでこの時計を披露しており、発売に先駆けて私のもとにもプレビュー用のプロトタイプを送ってくれた。ひとつ補足しておくと、私が撮影した写真はすべてリューズを引き出した状態で撮影したものなので、スクロールしながらその点を心に留めておいて欲しい。とはいえ、多くの人にとっては急いで情報を追う必要があるかもしれない。というのも、この時計はごく限られた期間しか入手できないからだ。しかしすぐにわかるのは、この時計が手ごろな価格帯のモデルとしてきわめて魅力的で、かつとてもコンパクトだということだ。
ステンレススティール製のケースは直径38.5mm、厚さ12.5mm、ラグからラグまでが47.5mm。最大の特徴はブラックのディスプレイの上をサファイアディスクが回転する、ジャンピングアワーとワンダリングミニッツのモジュールを搭載したローズカラーの洋銀製プレートだ。時表示は12時位置の小窓に表示され、透明なアワーディスクがブラックセクションを飛び越えることで数字を表示する。分表示は回転しながら、ディスプレイのクロスハッチ先端に配された矢印で示される。秒表示は通常どおり、ダイヤルの中心よりわずかに低い位置で回転し続ける。だがこれらは驚くほど視認性がよく、ひと目見ただけでも時刻を把握できる(ちょうどオーデマ ピゲがCODE 11.59を作る前の、かつてのスターホイールのように)。
セコンド・マジュールにはサテン仕上げのダイヤルと、下記で紹介するシャルボネ(charbonné)仕上げのダイヤルといったふたつの仕様が用意される。このシャルボネ仕上げは、アフレ氏の代名詞ともいえる技法だ。このパリの伝統的な仕上げ技法は、彼の師であるジャン=バティスト・ビオ(Jean-Batiste Viot)氏によって復活したもので、プレートの表面を炭のブロックで擦ることで、素晴らしい模様が浮かびあがる。
もうひとつの選択肢であるシャルボネ仕上げ。Photo courtesy of Baltic.
このジャンピングアワーを実現するために、ブランドはソプロード P024をベースにモジュールを追加しており、これはサファイアダイヤルの下から見ることができる。中央にある制御用のホイールが分ディスクを回転させ(通常どおり1時間に1周)、回転するにつれて12枚歯の星型ホイールとかみ合い、ジャンパースプリングで固定されたホイールに徐々に圧力をかけていく。一定以上の圧力に達した瞬間、ホイールが回転し(正時)、スプリングが次の時間を所定の位置に保持する仕組みだ。ジャンピングアワー機構の周りは、時計師と製造地の名がエングレービングされている。
そのほか注目すべき点としては、ケースバックのエングレービングが挙げられる。ここには製造地に加え、個別番号が(率直に言って、美しい書体で)刻印される。ケースはネジ留め式だが、50mの防水性を確保している。リューズは12時位置にあるが、操作はかなり簡単で(特に正面から)、ラグは美しい形状に仕上げられている。サテンとポリッシュを組み合わせた仕上げは、どことなくヴィシェ社製のケースを彷彿とさせる。
直径38.5mmのケースは、私の7.25インチ(約18.4cm)の手首にもよく収まる。これはおそらく、ケースサイズに対して平均よりほんの少し長めの47.5mmというラグ・トゥ・ラグのおかげだろう。ダイヤルには余白が多いため、実寸よりも少し大きく感じられる一方、12時位置のリューズ配置によって全体の輪郭が引き締まり、別の意味ではコンパクトにも感じられる。
シャルボネ仕上げには追加の作業が必要となるため、こちらの価格は3500ユーロ(日本円で約64万円)と、もう一方の2500ユーロ(日本円で約46万円)よりも高価だ。どちらかに興味があるなら、5月12日から5月17日までに注文した者全員が、個別番号入りの限定生産モデルを手に入れることができる。
我々の考え
これはバルチックとスペースワンによる、興味深くダイナミックなリリースだ。スペースワンの名を冠するモデルとしては私が想像していたものとは異なるが、アフレ氏がこの時計に与えた影響は一目瞭然だ。また私がすぐに連想するような、よく考え抜かれたヴィンテージテイストの時計づくりを得意とするバルチックにとっても、かなり型破りなモデルと言えるだろう。とはいえ、どちらも私の好みに合うのだ。なにしろ、私は最近発売されたラブラドライトのワールドタイマーも購入したくらいだ。両者がこれほど意外な形で融合するのを見られるのは、まさにウォッチメイキングに期待することそのものである。
ソプロード P024ムーブメントについては、少し批判的な意見があるかもしれない。というのも、おそらくこのムーブメントを搭載した時計のなかで最も高価だからだ。しかしジャンピングアワーモジュールによる改造が施され、私が知る限り同ムーブメントを搭載したほかのどの時計よりも多くの仕上げが施されているのも事実だ。私の個人的な意見を言わせてもらえば、もしどちらかを購入検討していて予算が許すなら、フランスらしい特別なタッチを味わえるシャルボネ仕上げを選ぶことをおすすめする。
基本情報
ブランド: バルチック × スペースワン(Baltic x SpaceOne)
モデル名: セコンド・マジュール(Seconde Majeure)
直径: 38.5mm
ラグ・トゥ・ラグ: 47.5mm
厚さ: 12.5mm
ケース素材: 904Lステンレススチール
文字盤: サテン仕上げまたはシャルボネ仕上げ施したローズカラーの洋銀製プレート、サファイアディスク
夜光: なし
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: デラグス(Delugs)製アルカンターラ®ストラップ
ムーブメント情報
キャリバー: ソプロード P024、テオ・アフレ氏によるジャンピングアワー機構モジュールを搭載
機能: ジャンピングアワー
直径: 26mm
厚さ: 4.6mm
パワーリザーブ: 42時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
価格&発売時期
価格: 3500ユーロ(日本円で約64万円/サテン仕上げ)と、もう一方の2500ユーロ(日本円で約46万円/シャルボネ仕上げ)
発売時期: 5月12日から5月17日まで予約受付
限定: あり、この6日間に受け付けた注文数による限定生産。個別番号入り
詳しくはこちらをご覧ください。
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