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Introducing ブルガリ オクト フィニッシモ ウルトラ トゥールビヨン、世界最薄のトゥールビヨンウォッチとして新記録を樹立

クレジットカードとの比較写真に備えるべし。オクト フィニッシモ ウルトラ トゥールビヨンの厚さは、わずか1.85mmだ。

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我々が知っていること

またかと言いたくなるかもしれないが、ブルガリが再び超薄型時計の王座を手中に収めた。新作オクト フィニッシモ ウルトラ トゥールビヨンは厚さわずか1.85mmで、史上最薄のトゥールビヨンとして正式に認定された。もはや異形と呼ぶには控えめすぎるこの記録は、ブルガリにとって超薄型分野での10度目の世界記録となる。

bulgari otto ultra tourb

 記念すべき10度目の世界記録にあたり、ブルガリはかつて自らが打ち立てた記録へと再び挑むこととなった。2014年にはオクト フィニッシモ トゥールビヨン マニュアルで厚さ5.0mmを記録し、最薄トゥールビヨンの座を獲得。さらに2018年には、自動巻き機構を備えたオクト フィニッシモ トゥールビヨン オートマティックで3.95mmを達成し、記録を塗り替えた。ところが昨年、Watches & Wondersにおいてピアジェがアルティプラノ コンセプト トゥールビヨンで厚さ2.0mmを実現し、このタイトルを奪取したのである。しかし10年以上にわたる超薄型時計の進化を振り返るならば、ひとつの教訓が浮かび上がる。“頂点を狙うには、一切の妥協が許されない”ということだ。ブルガリこそがその“王”であり、本日ピアジェはその現実を改めて思い知らされたかたちである。

 外観に目を向けると、本作は2024年発表のオクト フィニッシモ ウルトラ COSCや2022年のウルトラと同じデザインの系譜に属している。そのうえで、数ヵ所にスケルトン要素を取り入れているのが特徴だ。なぜそうしたのか? 理由は単純。それが可能だからだ。フライングトゥールビヨンのケージ、そして時・分針を配したダイヤル(と呼ぶべき部分)は大胆にスケルトン化されており、ひと目でこのモデルがウルトラ トゥールビヨンであることがわかる。次の愛好家の集まりで、誰かが“従来”のウルトラをつけていても、しっかりと差がつく仕上がりだ。

bulgari octo finnissimo ultra tourbillon
bulgari octo ultra tourbillon
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 搭載されるキャリバーBVL 900は、2024年のオクト フィニッシモ ウルトラ COSCに採用されたBVL 180と、少なくとも一部の構造を共有しているように見受けられる。ただしそこにトゥールビヨンを加えただけと捉えるのは早計である。ムーブメント上部の構成こそ似通っているが、下部は全面的に再設計されており、ブルガリからの詳細な技術解説が待たれるところだ。技術仕様としては手巻き式で2万8800振動/時の振動数をもち、パワーリザーブは50時間を確保している。

 想像どおり、この種の時計が安価で手に入るわけはない。オクト フィニッシモ ウルトラ トゥールビヨンの価格は67万8000ドル(日本円で約1億1600万円)である。


我々の考え

ブルガリがWatches & Wondersに初出展して披露したのがこのモデルであるとは、なんとも鮮烈な登場だ。しかし、現時点でブルガリはすでに数多くの超薄型時計の世界記録を保持しており、その数は把握が困難なほどであり、「またか」と思わせるほど常態化している。冷静に考えれば、昨年ピアジェが記録を打ち立てた時点でブルガリが反撃に出るのは時間の問題だったといえるだろう。同様の構図は、“世界最薄の腕時計”の座を、昨年8月のジュネーブ・ウォッチ・デイズにてコンスタンチン・チャイキンがThinKingのプロトタイプで奪った件にも当てはまる。こちらのタイトルに関しても、次なる展開を注視する必要がありそうだ。

 こうなると、そもそも誰がこの超薄型時計競争の記録を取りまとめているのか、という疑問が湧いてくる。ギネス世界記録が関与しているのか、それともスイスにある時計記録の専門機関があるのか。詳細は不明だが、いずれにしても一部の時計ブランドがこの“栄冠”へ異常なまでの執着を見せているのは確かである。消費者の立場からそれを重要と感じるか、単なる技術誇示と受け止めるかはともかく、極限の時計技術が繰り広げるこの“腕比べ”は見ていて実におもしろい。

bulgari octo ultra series

 コレクターや愛好家の声を聞く限り、オクト フィニッシモ ウルトラシリーズは想像以上に装着性に優れているようだ。記録追求型のモデルでありながら、実用性にも配慮している点についてはブルガリに敬意を表したい。こうした姿勢は、常にとられているわけではない。過去のウルトラモデルについて細かいことを言うなら、10時位置の香箱に配されたQRコードやデータマトリクスの装飾はややギミックに過ぎる印象もあった。今回のウルトラ トゥールビヨンでは、そうした情報的なおもしろみを重視するアプローチから離れたことに安堵している。

 数字の話に戻ろう。ブルガリがトゥールビヨンをウルトラに組み込むために追加で要した厚みは、たったの0.15mm。これは人間の髪の毛2本分ほどの厚さにすぎない。この狂気ともいえる挑戦には、ただただ感嘆するほかない。

 今後もWatches and Wondersの会期中、新作情報が続々と届く予定だ。最新情報は引き続き本サイトで確認してほしい。


基本情報

ブランド: ブルガリ(Bulgari)
モデル名: オクト フィニッシモ ウルトラ トゥールビヨン(Octo Finissimo Ultra Tourbillon)

直径: 40mm
厚さ: 1.85mm
ケース素材: チタニウム
ストラップ/ブレスレット: チタニウム製

Bulgari Octo Ultra Tourbillon

ムーブメント情報

キャリバー: BVL 900
機能: 時・分表示
パワーリザーブ: 50時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万8800振動/時


価格 & 発売時期

価格: 67万8000ドル(日本円で約1億1600万円)
限定: 20本限定

詳細はブルガリのウェブサイトをチェック