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Auctions カルティエの希少なホワイトゴールド製腕時計が、香港のオークションで2652万香港ドル(約5億3500万円)の記録的な価格で落札

オークションの世界でカルティエが大きな注目を集めている。サザビーズでは、希少でユニークなシェシュがカルティエの腕時計における最高落札額記録を更新。さらに、別のペブルが驚くべき新情報を受けて出品取り下げとなった直後、別のカルティエ ペブルが記録的な価格で落札された。

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パリ・ダカールラリーの連続優勝者に贈られる賞品として製作された希少な腕時計、カルティエのシェシュが香港で2652万香港ドル(約5億3500万円)という記録的な価格で落札され、オークションにおけるカルティエ腕時計の最高落札額となった。この記録的な価格は、パリを拠点とする時計・宝飾メゾン、カルティエの希少なモデルやデザインに対するコレクターや投機家の関心が高まっていることを如実に物語っている。現存が確認されているシェシュはわずか5本で、今回の個体は、2010年にカルティエが特別に製作した、ホワイトゴールド製ケースとクォーツムーブメントを備える一点ものの時計だ。

 この時計は、金曜日にサザビーズが香港で開催した“Important Watches”オークションの初日に出品された。サザビーズによると、オンライン、電話、会場から参加した入札者による9分間の競り合いの末、手数料込みで2652万香港ドル(約5億3500万円)で落札された。この結果は、5月にジュネーブで開催されたクリスティーズのオークションで1991年製のカルティエ クラッシュに支払われた202万4956ドル(当時のレートで約3億2000万円)を上回るものだ。そのクラッシュは、さらにその数週間前にサザビーズで別のクラッシュが記録した約199万ドルという落札額を更新したばかりだった。

カルティエのホワイトゴールド製シェシュが、香港で開催されたサザビーズのオークションで約5億3500万円で落札された。Image: Sotheby's

 1978年、モーターサイクルレーサーのティエリー・サビーヌ(Thierry Sabine)によって創設されたパリ・ダカールラリーは、フランスの首都パリからサハラ砂漠を横断し、セネガルのダカールまで約1万kmを走破する、耐久性、ナビゲーション、メカニカルエンジニアリングの能力が問われる伝説的なモータースポーツレースである。同レースの初期スポンサーのひとつだったカルティエと、当時の社長アラン・ドミニク・ペラン(Alain-Dominique Perrin)は、1983年に“カルティエ・チャレンジ”を創設した。これは、同じカテゴリーで2年連続優勝した選手に贈られる賞だった。

 カルティエ・チャレンジのトロフィーは、このレースのために特別にデザインされた時計だった。それはサハラ砂漠の遊牧民トゥアレグ族が身に着ける青いヘッドスカーフ(フランス語でcheich)から着想を得ていたモデルであり、カルティエはこの“シェシュ”をチャレンジの優勝者のためだけに製作し、一般販売は行わなかった。

 このトロフィーを獲得したのは、ベルギーのモトクロスチャンピオン、ガストン・ライエ(Gaston Rahier)ただひとりだった。ライエは1984年と1985年にオートバイ部門で2年連続優勝を果たした。その後、1986年にサビーヌがヘリコプター墜落事故で亡くなり、カルティエ・チャレンジも間もなく終了した。機械式ムーブメントを搭載したオリジナルのゴールド製カルティエ シェシュは、4本が製作されたと考えられている。そのうち2本はカルティエのヘリテージミュージアムに収蔵されている。サビーヌが所有していた1本は所在がわからず、失われたものと考えられている。一方、ライエのトロフィーは2022年にサザビーズでオークションにかけられ、GQによれば、コレクターのエリック・クー氏が約110万ドル(当時のレートで約1億4000万円)で落札した。

Image: Sotheby's

 先週、香港でオークションにかけられたカルティエ シェシュは、『Cartier Bianco』の共著者であり、重要なホワイトメタル製カルティエ・コレクションのひとつを所有していたジョルジオ・セラニョーリ氏のために、2010年に特別に注文・製作されたものだ。

 サイズは縦38mm、横27mm。特注されたこのシェシュはブラウンのレザーストラップに合わせられ、専用のプレゼンテーションボックスと、「No. 1 of 1」と記された証明書が付属していた。

カルティエ シェシュ No.1/1。Image: Sotheby's

 さらに、もうひとつの希少なカルティエも、サザビーズの香港オークションで記録的な落札価格をつけた。1973年または1974年に製作されたロンドン マキシ ペブルの個体で、手数料込みで380万香港ドル(約7600万円)で落札された。これはペブルとしてオークション史上最高額の落札となり、2021年にフィリップスで約45万ドル(当時のレートで約4900万円)で落札された別のペブルの記録を更新した。

 この記録的な落札は、オークションハウスが別のカルティエのロットをオークションから取り下げるという異例の決定の直後に起こった。サザビーズがオンラインで発表した声明によると、ロット番号2241のカルティエ ロンドン マキシ ペブルは、10月にモナコ・レジェンド・オークションで出品予定だった同型の時計と、ケースのシリアルナンバーが一致していることが判明したという。

 サザビーズは声明で、「モナコ・レジェンド・グループとの協議の結果、この相違についてさらなる調査を行うあいだ、双方のオークションから両時計を取り下げることで合意しました」と説明。さらに、「このプロセスを通じて示されたモナコ・レジェンドの協力、透明性、プロフェッショナリズムに深く感謝しています」と付け加えた。

サザビーズのロット2241、カルティエ ロンドン マキシ ペブル。Image: Sotheby's

 HODINKEEの取材に対し、モナコ・レジェンドのウォッチスペシャリスト、アンドレア・パルメジャーニ(Andrea Parmegiani)氏は、同社が両時計を開けて分解したうえで、より詳細な調査を行う予定だと語った。また、当時のカルティエ ロンドンにおける製造体制や手順について、カルティエ本社から追加の情報やアーカイブ資料も収集する方針だという。さらに、時計の真正性とオリジナリティを確認するため、ほかのカルティエのヴィンテージ専門家にも意見を求める予定だそうだ。

  「この2本を急いで売る必要はありません。カルティエの市場にとっても、この2本のペブルにとっても、これはきわめて重要なことです。なぜなら、これらはカルティエ ロンドンのなかでも非常に希少で、美しい個体だからです。最高の状態で販売されることが何より重要なので、急ぐ必要はありません」とパルメジャーニ氏は語った。

 HODINKEEでは今後も、同じシリアルナンバーを持つカルティエ ペブルをめぐる謎について、今後の展開や追加情報を追い、わかり次第お伝えしていく。

 サザビーズのオークションに関する詳細はこちらから、モナコ・レジェンド・オークションに関する詳細はこちらから。