trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag

Auctions フィリップス、プレプロダクションのF.P.ジュルヌ クロノメーター・レゾナンスを11月に出品

きわめて初期の個体であり、名高いフランスの時計メーカーが製造した希少な時計は、新たな記録を打ち出す可能性を秘めている。

Photos by Andy Hoffman

ADVERTISEMENT

またしても、オークションは好調だ。今年のオークション市場は、特に独立時計師による希少なタイムピースにとって記録的な1年となっており、その中心にはF.P.ジュルヌがいる。今春のオークションシーズンは、インディペンデントブランドの最高峰モデルに対する評価額とコレクターの関心が劇的に高まる歴史的なシーズンとなった。そのなかで、初期のクロノメーター・レゾナンス(No.007)が1390万ドル(落札日のレートで約22億円)という記録的な価格で落札され、F.P.ジュルヌ史上最高額のオークション落札記録を更新するとともに、オークション史上5番目に高額で落札された腕時計となった。

 この記録的な落札については、マークが優れた記事を書いている。そこでは、クロノメーター・レゾナンスの歴史や、それがなぜオート・オルロジュリーにおける重要な成果なのか、そしてなぜフランソワ=ポール・ジュルヌ氏を象徴する代表作とされているのかが詳しく解説されている。1998年に製作されたプロトタイプを経て、2000年には“スースクリプション”と呼ばれる初期の市販モデルが製作・納品されたクロノメーター・レゾナンスは、ふたつの独立したテンプを持つムーブメントをひとつのケースに収め、それらを完全に同期させる“共振(レゾナンス)”という概念を、世界で初めて腕時計として実現したモデルである。多くのコレクターにとって、このモデルはジュルヌ氏の時計師としての才能と哲学を最も純粋な形で体現している。“スースクリプション”はF.P.ジュルヌ初の腕時計、トゥールビヨンを購入した顧客だけに提供された特別なシリーズで、製作本数はわずか20本。現在ではきわめて人気が高く、とりわけ初期の個体ほど高いプレミアムで取引されている。レゾナンスに関しては、「古ければ古いほど価値が高い」というのが現在のコレクター市場の評価と言ってよいだろう。

 だからこそ、おそらく現存する最古の市販モデルが今秋オークションに出品されるというニュースは注目に値する。1999年に本人から直接受け取った初代オーナーが出品するこの“プレプロダクション”のレゾナンス(シリアルナンバー022/99R)は、11月にジュネーブで開催されるフィリップスのオークションに出品される。

 フィリップスによれば、これはレゾナンスの初期シリアルナンバー入り市販モデルだ。オークション前の予想落札価格は50万~100万スイスフラン(日本円で約9700万から約1億9000万円)と控えめだが、それ以上の値が付く可能性もある上に、現在の市場状況が続けば、はるかに高い金額に達しても不思議ではない。そしてさらに近年の実績を考慮すると、このプレプロダクションモデルは、F.P.ジュルヌの腕時計として史上最高額を更新する新たな記録を打ち立てる可能性さえ秘めている。

 直径38mmのプラチナ製ケースに収められたこの時計は、長年愛用されてきたことがうかがえる。光沢のあるピンクゴールド製のダイヤルが特徴であり、ダイヤルの仕上げと真鍮製のムーブメントは後期のモデルに比べてやや粗く、洗練さに欠ける印象がある。しかしそれこそが、この個体ならではの魅力だと感じるコレクターも少なくないだろう。

 フィリップスによると、この時計は初代オーナーが1999年に受け取って以来、27年間所有されてきたという。しかも、それはモデルが正式に発売される1年前のことだった。オークションハウスでは、このようなプレプロダクションモデルは現存数が10本前後しかないと推定している。

 この時計のシリアルナンバー 022/99Rには、興味深い由来がある。フィリップスによると、所有者はこの番号を自身の誕生日である22日にちなんで選び、R99は製造年を表しているとのことだ。ジュルヌ氏自身が製作したプレプロダクションモデルのレゾナンスは、近々開館予定の博物館に展示される予定で、シリアルナンバーは021だ。

 この個体がレゾナンスの最初の市販モデルだったかどうかは、現時点ではまだ確認されていない。フィリップスの欧州・中東地域時計部門副会長であるアレックス・ゴトビ氏は、ほぼ間違いなくそうだろうと述べている。しかしジュルヌ氏本人に話を聞いたところ、どのプレプロダクションモデルが最初に納品されたのか、彼自身も覚えておらず、記録も残っていないとのことだった。

 6月にニューヨークで約1400万ドル(落札日のレートで約22億円)という記録的な価格で落札されたレゾナンス(No.007)に加え、フィリップスは同じ春のシーズンに、クロノメーター・レゾナンス “スースクリプション No.18”を630万ドル(当時のレートで約9億8000万円)、クロノメーター・レゾナンス “ピサ”を300万ドル(当時のレートで約4億7000万円)で落札している。

 “共振(レゾナンス)”の概念そのものは何百年も前から存在し、オランダの科学者クリスティアン・ホイヘンスが時計で初めて実現し、その後、アブラアン-ルイ・ブレゲという時計師が懐中時計で試みた。ジュルヌ氏は、振動と近接によってふたつの独立したテンプの振動数を同期させるムーブメントとケース構造を開発し、腕時計として初めて共振の実用化に成功した。現在、共振時計を製造しているのはごく少数で、スイスの独立系時計メーカーであるアーミン・シュトロームなどが挙げられる。

 プレプロダクションのクロノメーター・レゾナンス No.022/99Rは、今年11月7日と8日にジュネーブで開催されるPhillips Geneva Watch Auction: XXIVに出品される予定だ。

 フィリップスについてはこちらから。