trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag

Introducing カラトラバ 96にインスパイアされたジ・アーキウォッチ クラシック ツートン(編集部撮り下ろし)

ツートンダイヤル、ブレゲ数字、そしてきちんと仕上げたディテールを持つ現代的なパッケージのなかで、古典的なカラトラバへのオマージュを楽しめる。

ADVERTISEMENT

Photos by Anthony Traina


我々が知っていること

これはジ・アーキウォッチ(Archiwatch) クラシック ツートン(Classic Two-Tone)だ。オリジナルのパテック フィリップ カラトラバ  Ref.96へのオマージュとしてデザインし、現代的なパッケージで表現されている。メルシー インストゥルメンツ(Merci Instruments)で限定モデルのデザインを手がけたことがあるフランスのディーラー、リシャール・メナセ(Richard Ménasé)氏のアイデアから生まれたモデルである。ジ・アーキウォッチはヴィンテージカラトラバをミニマルにつけやすくアレンジしたもので、メルシーやバルチックなど、ヴィンテージウォッチのデザインを現代的な時計に落とし込んだブランドのファンにアピールできる時計だ。

ジ・アーキウォッチ クラシック ツートン

 同モデルの発売に先立ち、メナセ氏はブランド化される前に25本のアノニマスウォッチを、全8種類のダイヤルバリエーションで限定生産した。新型のクラシック ツートンは、ブレゲ数字、ツートンダイヤル、サーモンと隣り合った“シルバーロゼ”ダイヤルなど、アノニマスコレクションに備えられた素晴らしいディテールをいくつか取り入れている。スティール製ケースのサイズは36mm、ラグ幅は20mm(ラグからラグまでは45mm)で、50m防水のテスト済みだ。サテン仕上げのベゼルはパテック 96の特徴のひとつともいえる大きくてフラットな形状を持つ。ジ・アーキウォッチはそのサイズからは想像できないほど、手首に大きな存在感を与えてくれる。ダイヤルデザインも考え抜かれており、縦方向へサテン仕上げ、さらにアプライドのブレゲ数字を放射状に囲んだサテン仕上げでコントラストを生み出しているのも特徴だ。

 シャープで洗練されたドフィーヌ針、それと秒針を入れない判断も気に入っている。オリジナル96のバウハウス的インスピレーション、“レス・イズ・モア(Less is more)”を時計全体で表現しているように感じる。ジ・アーキウォッチは手巻きのセリタSW210-1を搭載、約42時間のパワーリザーブを備えている。手巻きムーブメントを採用したのは、オリジナルカラトラバに忠実でありながら厚さわずか8.5mmという薄さを実現するための選択である。

ジ・アーキウォッチ クラシック ツートンのダイヤル

 ジ・アーキウォッチ(の新作)は25本限定、メーカー希望小売価格は2000ユーロ(日本円で約31万円)で、現在ウェブサイトから入手可能だ(編集注記:すでに完売)。モレキン(Molequin)社製のレザーストラップを使用しており、1本はシボ感のあるグレイントープ、もう1本はアンスラサイト(どちらもこの記事内で確認可能だ)の計2本をセットにして提供する。さらにモレキン社製のスリムなレザートラベルケースに、原産地証明書も付属。この証明書は上質な台紙に印刷されており、パッケージ全体へのこだわりを感じさせるためあえて紹介しておこう。標準的なボックスに平凡なストラップを提供するのではなく、実用的なトラベルケースのセットに、私の好きなレザーストラップメーカーと提携しているなど、付属品まで配慮が行き渡っている。


我々の考え

この時計は基本的に私のような人間のためにつくられたものだが、その実行力とこだわり抜かれたディテールなど、オマージュとしてはかなり高いレベルだと思う。私はメナセ氏のことを初めて知ったのはディーラーとしてだが、実はデザインのバックグラウンドも持っていたとは。アメリカのデザインスクールに進んだ彼は数年間デザイン会社で働き、時計への情熱に目覚め、ホームであるパリに戻りディーラーとなった。彼は主にヴィンテージウォッチを取り扱っているため、パテック 96からインスピレーションを得て、ジ・アーキウォッチという自身のブランドで最初の時計を製造したのは理にかなっていると思う。

ジ・アーキウォッチ クラシック ツートンのリストショット

 アノニマスのコレクションに言及したのは、そのとき初めてメナセ氏の時計デザインへの進出を知ったからだ。(アノニマスウォッチと同じく)こちらもブランド名を排したダイヤルのほうがよかったかもしれないと感じたが、“The Archiwatch”の銘を12時位置ではなく6時位置に置くことでブランド名を目立たなくしている。特に新しいブランドの場合、トップに大きな文字でブランドをアピールする必要はない。デザインやフィット感、仕上げにこだわる姿勢により、周りの人々にブランドを認識させるのだ(例えばウニマティックはこれをうまくやっているブランドのひとつだ)。それ以外にもジ・アーキウォッチという名前にはすごい由来がある。メナセ氏の時計に対する情熱は、イタリア人建築家である彼の父親が会社をアーキグラフ(Archigraph)と名付けたことから由来する。2019年に父親が亡くなったあと、メナセ氏は父親に敬意を表して会社名を変更した。

ジ・アーキウォッチ クラシック ツートン
ジ・アーキウォッチ クラシック ツートンの裏蓋
ジ・アーキウォッチ クラシック ツートンのケースサイド

 ジ・アーキウォッチは、カラトラバ 96のようなヴィンテージドレスウォッチにオマージュを捧げた時計の仲間入りを果たした。これはオマージュダイバー同様盛り上がりをみせるカテゴリーだ。もちろんバルチックのMR-01(クラシック ツートンに最も似ているであろうサーモンダイヤルのMR-01を所有していた)を連想させるが、私はジ・アーキウォッチの完成度の高さのほうが好みだ。“まあもちろんそうだろう。バルチックは600ドル(日本円で約8万5000円)くらいで、これは2200ドル(日本円で約31万円)くらいなのだ。このジ・アーキウォッチという名前のブランドは聞いたことがない”と言われるかもしれない。これらのことはすべて正しいだろう。しかしムーブメントには信頼できるセリタ社のものを使用している。またバルチックのマイクロローター(修正可能)に問題があったと報告した人も一部いる。ジ・アーキウォッチのサテン仕上げのケースは気に入っているし、コントラストを生み出すためにポリッシュ仕上げがあってもよかったかもしれないが、この価格では現実的ではないと理解している(少なくともこの限定生産では)。

 明らかにこのダイヤルは昔のパテック 96を参考にしているが、それ自体に古さを感じることはない。ブレゲ数字の一部が同心円からわずかにはみ出ているのが気になるものの、全体的にクリーンで洗練されたモダンな印象である。シルバーロゼと名付けられた文字盤の色は、私が思いつく限りプロヴァンスのロゼを飲みながら50セント硬貨を眺めるようなイメージだ(どちらも経験は少ないが)。円形と垂直のサテン仕上げの組み合わせ、それにポリッシュ仕上げのブレゲ数字が(ブランドの)思いを示し、ほかの多くのオマージュウォッチと一線を画す文字盤となっているようだ。

 ジ・アーキウォッチのような腕時計は万人向けにつくられているわけではない。正確には25人向けだが、バグではなくあくまでも特徴だ。さらにバルチックやファーラン・マリといったブランドが数百ドルで同じ気分を味わえるものを提供しているため、パテック 96のオマージュウォッチが2200ドルは高すぎるのではないか、という疑問はもっともである。しかし私にとっては、このディテールの作り込み、それになによりスイス製機械式ムーブメントを搭載しているという説得力のある主張をしているのが重要なのだ。もしこれがダメでも、メナセ氏は来年に向けて新しいデザインに取り組という。

ADVERTISEMENT

基本情報

ブランド: ジ・アーキウォッチ(The Archiwatch)
モデル名: クラシック ツートン(Classic Two-Tone)
型番: 2501/4

直径: 36mm
ラグ幅: 20mm
厚さ: 8.5mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤: シルバーロゼ
インデックス: ブレゲ数字
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: モレキン社製レザーストラップ2本(トープ、アンスラサイト)、モレキン社製レザートラベルケース付き

ジ・アーキウォッチ クラシック ツートンとモレキン社製のトラベルケース

ムーブメント情報

キャリバー: Sellita SW210-1
機能: 時・分
直径: 25.6mm
厚み: 3.35mm
パワーリザーブ: 約42時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 19


価格 & 発売時期

価格: 2000ユーロ(日本円で約31万円)
発売時期: 完売
限定: あり、25本生産(個別シリアルナンバー入り)

詳細はこちらから。