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我々が知っていること
リック・マレイ(Rick Marei)氏の確かな指揮のもと、アクアスターは過去5年間で慎重に復活を遂げてきた。ディープスターやベンソスの復刻版を通じて、強固なコミュニティの支持を得ている。このブランドは、1958年にジャン・リシャールのサブブランドとして設立され、そのあとすぐにダイバーズウォッチの定番ブランドとして地位を確立した。特に1970年に登場したアクアスター ベンソス 500は、1970年代を通じてアメリカ海軍によって認定されていた。プロフェッショナルダイバーにとって、仕事を的確にこなすための道具を提供するブランドであったのだ。アクアスターについて詳しい背景を知りたい場合は、2020年にジェイソン・ヒートン(Jason Heaton)氏がディープスターと共に潜水した記事を振り返るか、The Grey Natoポッドキャストで故キャプテン・ドン・ウォルシュ(Don Walsh)の冒険を聞くことをおすすめする。
本日発表されたアクアスター ベンソス ヘリテージIIの大幅な再設計は、アーカイブに残るツインクラウン仕様のベンソスのスケッチに触発されたものであり、オリジナルデザインがどのように進化していたかを解釈したものである。マーケティング的な響きに聞こえるかもしれないが、スリムなプロポーション、強力な夜光塗料、洗練されたディテールを目にすればそのデザインが合理的であり、インスピレーションの源に関わらず魅力的であることがわかる。
アクアスターのCEOであるリック・マレイ氏は次のように述べている。「20年間、ドクサやアクアダイブで復刻モデルをてがけてきましたが、アクアスターでは単なる復刻版から脱却しようとしています。創業者たちがこのブランドをどのように発展させたか、スイス時計産業がクォーツ危機に直面しなかったらどうなっていたかを想像しています。ときおり、自分は間違った時代に生まれたように感じます。もし1980年代にこれらのブランドを引き継ぎ、その仕事を続けることができたらと願うことがあります」
2023年に登場したたくましいH1と並べてみると、H2はよりスリムで装着性が大幅に向上していることが明らかだ。ベンソス H1は厚さ16mm、ケース径42mm、500mの防水性能を備え、その安心感のある頑丈さは否定できない。しかしヘリテージIIは現代的な視点からはるかに装着しやすい時計に生まれ変わった。再設計されたケースは40mm(しかも904Lスティール製)で、ラグからラグまでの長さは44mmと、人間工学を意識したデザインだ。トノーケースを採用した多くのダイバーズウォッチと同様に、幅広のベゼルとディテールに富んだダイヤルは視覚的に新しいアクアスターを小ぶりに感じさせるだろう。また厚さ11.9mmというスリムなプロポーションも、ダイバーズウォッチとしては大きな魅力である。
H1と比較して唯一スペック面で妥協されたのは、防水性能が300mに減少した点である。リック・マレイ氏はデザインプロセス中に時計コミュニティから要望を取り入れたと語っており、独立系ブランドがユーザーの声を積極的に聞く魅力を強調している。そして新しいサイズ感とともに、H2にはふたつの新機能が加わった。ひとつ目はマットセラミックベゼルでありスクエアインデックスに使用されているオールドラジウムのスーパールミノバと同じ色合いの、彫刻が鮮明で夜光を埋め込んだ数字を備えている。ふたつ目は4時位置に配されたヘリウムエスケープバルブ用のリューズで、これによりH2はコンプレッサースタイルの外観を持つようになった。個人的には目立たないインセットバルブのほうが好みで、この点が唯一の不満だが、オフセットされたリューズ配置がもたらす快適さには大きな魅力がある。また多くの人がこのH2の新しい対称性に快適さを見出すだろう。
ヴィンテージのアクアスター ベンソスモデルには、左からベンソス I、ベンソス 500、そしてベンソス IIなどがある。
今回再設計されたベンソスに搭載されたムーブメントは、日常使いに最適な堅牢さを持つセリタ製SW200-1である。このムーブメントは価格に見合った十分な精度を備えており、ETAの代替品として十分に実績がある。しかし最終的に重要なのは、この弾丸のように頑丈なダイバーズウォッチが日常生活にもたらす、思わず微笑んでしまうようなインスピレーションだ。
これまでのアクアスターモデルと同様、ベンソス ヘリテージIIもブランドの公式ウェブサイトで購入可能である。事前予約価格は1190ドル(日本円で約18万円)からスタートしており、2月末までの予約期間内に申し込むことでこの価格が適用される。配送は今年5月を予定しており、価格の詳細は以下を参照のこと。
我々の考え
アクアスターは、時を超えたタイムカプセルのような腕時計を求める我々の願いを叶えているが、これは目新しいことではない。チューダー ブラックベイのようなヴィンテージデザインを復活させた先駆者たちが登場してからすでに10年以上が経過し、ブランド各社が現代性を再発見している。しかし一部のコストパフォーマンスに優れた小規模なブランドは、10~15年前に時計への情熱を再燃させてくれた原点を思い出させる。そんななか、ベンソス H2はそのモダンにアップデートされた雰囲気で、必要な要素をすべて備えていると感じさせてくれる1本である。
熟練した目を持つ者だけが気づくような、選び抜かれたディテール、たとえば見事に仕上げられた904LSSの放射仕上げや、絶妙なプロポーションのデザインが私の琴線に触れる。そして良質なヴィンテージデザインが呼び起こす、ミッドセンチュリーのノスタルジックな時間旅行の趣にも魅了される。ベンソス H1の進化版として大幅なサイズダウンが実現され、アイコニックな雰囲気を損なうことなく多くの買い手の期待に応える1本に仕上がっている。このベンソス H2は、39mmのドクサ サブ200Tや、人気のセイコー プロスペックス 62MASシリーズのダイバーズウォッチに対する洗練された代替案といえるだろう。一方で、より力強いデザインやダイブクロノグラフを好むなら、昨年ジェームズ(・ステイシー)が取り上げたベンソス 500 ファウンダーズエディションがまだ手に入る可能性がある。
H1のアロー型秒針には特別な愛着を感じるが、現代的な針のデザインも自然になじんでおり、特にオレンジのイソフレーン(ISOfrane)社ストラップと組み合わせると非常に映える。また成功を収めたディープスターラインと同様、ベンソス H2もSS製の5列構造のビーズ・オブ・ライスブレスレットをオプションで注文可能だ。丸みを帯びたフラットなサイドリンクを備えたブラッシュ仕上げのSS製で、ややフォーマルな印象を与えるこのブレスレットは非常に魅力的だ。夏に向けてオレンジのイソフレーンストラップを追加するという選択肢もあり、追加コストを払ってでも両方をそろえたくなる気持ちになる。
この価格帯で、より高価な904LSSを採用している時計をほかに見つけるのは難しいだろう。ある王冠マークのブランドが広告で主張しているように、これは貴金属ではないがその独特な化学組成により、優れた耐腐食性と深みのある輝きを備えている。またエングレービングが施され、夜光を埋め込んだセラミックベゼルは、歓迎すべき現代的なアップグレードと言える。とはいえ近い将来飽和潜水をする予定がない限り、ヘリウムエスケープバルブの必要性は感じない。
スペック上、ベンソス ヘリテージIIは1500ドル(日本円で約23万円)未満で多くの価値を提供しており、さまざまな点で私を魅了する時計へと進化した。ヴィンテージスタイル、現代的な品質、そして実用性の高いダイバーズウォッチとしての優れたデザインが見事に融合しているのだ。
基本情報
ブランド: アクアスター(Aquastar)
モデル名: ベンソス ヘリテージII(Benthos Heritage II)
直径: 40mm
厚さ: 11.9mm
ラグからラグまで: 44mm
ケース素材: 904Lステンレススティール
文字盤: ブラック
インデックス: アプライドとプリント
夜光: あり、スーパールミノバ“オールドラジウム”
防水性能: 300m
ストラップ/ブレスレット: イソフレーンまたはトロピックラバーストラップ(追加料金でSS製ビーズ・オブ・ライスブレスレットが選択可能)
ムーブメント情報
キャリバー: セリタ製SW200-1
機能: 時・分表示、センターセコンド
パワーリザーブ: 約38時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
価格 & 発売時期
価格: ストラップ付きは事前予約価格1190ドル、日本円で約18万円(小売価格は1490ドル、日本円で約23万円)、ブレスレット付きは事前予約価格1290ドル、日本円で約20万円(小売価格は1590ドル、日本円で約25万円)
発売時期: 2025年1月24日から2月28日まで事前予約受付中
限定: あり、世界限定500本
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