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エントリーレベルの時計探しには、ときに驚きの要素が含まれる。ショパールの現行カタログを価格順に並べてみたところ、このブランドで最も手に入れやすい価格の機械式時計は、ここ数年で僕を虜にしたミッレ ミリア クラシック クロノグラフであることがわかったのだ。
前にも言ったし、ここでも言っておくが、クルマのデザインと時計のデザインは、最小限の組み合わせにとどめるのがベストだ。クルマをテーマにした最高の時計は、よほどのクルマ好きでない限り、ほとんど気づかないほど軽いタッチで仕上げられているのがいい(そう思う人は手を挙げて欲しい)。メーターが時計のダイヤルに似ているからといって、このふたつが混ざり合ってはいけない。 この試みから生まれるのは、タコメーター、スピードメーター、またはその他のメーターのように見せかけた、読みにくい時計だ。それはギミックであり、安っぽく、より劣った時計になってしまうのだ。
時計とクルマの融合がうまくいくのは、時計が自動車のデザイン言語にマッチしている場合、さらに言えば、オリジナルの自動車デザインに影響を与えた時代のデザイン言語にマッチしている場合だ。クラシックカーやクラシックウォッチは、ノスタルジーのなかで生まれたものではない。ある時代のものであり、ある時代のためのものではないのだ。だから、もしあなたがクラシックカーを参考にした時計を作るなら、同じマインドセットで作られたものであることを感じさせて欲しい。
これまでにもさまざまなモデル(およびカラー)が発表されてきたが、現在のミッレ ミリア クラシック クロノグラフは、スティール製の42mmクロノグラフで、ブラックダイヤル、シースルーバック、そして1960年代のダンロップタイヤのトレッドを再現したブラックラバーストラップを備えている。これには策略があり、仕掛けもあるのだろうが、僕にとっては後者だ(しかも簡単にほかのストラップに簡単に交換できる)。
このコレクションは、ショパールが長年にわたってイタリアのブレシアからローマまでの公道を往復する1000マイルの定期ラリーであるミッレ ミリアのスポンサーを務めていることを記念して発表されたものだ。もともとこのイベントは1927年から1957年まで開催され、その後1977年にヴィンテージカーラリーとして復活した。このレースやショパールと同イベントの30年以上にわたる関係についてもっと知りたい方は、今年開催sれたレースのフォトレポートや、ショパールの共同社長であるカール-フリードリッヒ・ショイフレ(Karl-Freidrich Scheufele)氏とレーシングドライバーのジャッキー・イクス(Jacky Ickx)氏が語るHodinkee Radioのエピソードをチェックして欲しい。
ポリッシュ仕上げのベゼルに囲まれたダイヤルは賑やかだが、焦点が定まっていないわけではない。時刻表示は大型でわかりやすい針で支えられ、それぞれのインダイヤルには、最大12時間のクロノグラフ計測に役立つラベルが付けられている。4時30分位置に日付表示があるが、日付表示ホイールがダイヤルとマッチしているため、比較的さりげなく表示されている(6時位置の12時間クロノグラフ積算ダイヤルにあるほうがより効果的だと思うが…)。
夜光のアラビア数字インデックス、周囲のタキメータースケール、そして非常に小さな赤いミッレ ミリアのロゴ。ショパールはこのデザインで、ヴィンテージカーのなかにあっても違和感がなく、かつ時計であることを意識させないということを、うまく成功させたと思う。ドライビンググローブが似合うのはもちろんだが、ドライビンググローブを必要としない時計でもある。
僕は、鮮やかな色、貴金属、そして多くのケースサイズのミッレ ミリアクロノを見てきた。僕の場合、これらは42mm以下で最適に機能し、範囲内の追加オプションとして以前の39mmサイズを簡単に取り戻すことができると考えている。
シースルーバックから見ることができる、ミッレ ミリアのクロノグラフムーブメントは、ETA社の最も定評あるムーブメントのひとつである2892-A2をベースとした、ETA 2894-2を搭載している。2万8800振動で作動し、42時間のパワーリザーブを誇るこのムーブメントは、COSC認定を受けている。
ミッレ ミリア クラシック クロノグラフは81万4000円(税込)の価格、クルマをテーマにしたオメガのスピードマスター(ストラップ仕様で税込94万6000円、コーアクシャルムーブメント搭載)など、厳しい競争を強いられている。この価格帯には、スペック重視で購入するのであれば、確かに素晴らしい時計がたくさんある。しかし、ミッレ ミリア クラシック クロノグラフは、そのスタイルと、ヴィンテージモーターとの真のつながりを持つインディペンデントブランドから生まれたという点で魅力的だ。
ショパールは、おそらく印象的なL.U.Cコレクションや、最近のアルパインイーグル(あなたが36mmを試着していないのなら、自身のto-doリストに追加することをおすすめする)の成功で知られているが、僕はミッレ ミリアコレクションのクラシックフレーバーを楽しむようになった。ショパールの入門モデルとして、ミッレ ミリア クラシック クロノグラフは手首になじみ、漫画のような落とし穴に屈することなく、クラシックなモータースポーツの雰囲気をうまく表現している。あなたの好きなモータースポーツのダジャレを、ここに自由に挿入して欲しい。
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