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Staff Picks 1万ドルチャレンジ 1万ドルあったらすぐに買いたい時計はこれだ

1万ドル(約150万円)があったとしたら、皆さんなら何に使うだろうか? 我々スタッフに聞いてみた。その答えに皆さんは驚くことだろう。ダニーの答えに関してはそうでもないかも知れないが。

今朝目を覚ましたら、個人間送金アプリVenmoの自分のアカウントに、1万ドル(約150万円) が振り込まれていたと想像してみて欲しい。メモ欄を見ると、あり得ないほどうれしくなる次のメッセージがあった。

 「このお金を時計に使ってください(これに関して違法性は一切ありません) 🤑」

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 このシナリオが自分の身に起きたとして、何を買うかを教えて欲しいと、HODINNKEEのスタッフ何人かに尋ねてみた。幅広いその選択を以下にご紹介していく。予算ギリギリのものから、はるかに下回るものまでさまざまだが、どれも素晴らしいチョイスだ。ぜひお読みいただき、降って湧いたお金をあなたならどう使うかコメント欄で教えて欲しい。

ライネ V38($9765/約141万円)
laine v38 watch

Photo courtesy of Laine. 

 正直に言うと私は、この質問に胸焼けが起きてしまいそうになる。1万ドルあれば買える素晴らしい時計は、それはもう無数にあるからだ。どうしてたったひとつを選べよう。ブランパン、ゼニス、オメガ、グランドセイコーと書き始めてみたが、最終的に、なかでもさらに特別だと思う時計に落ち着いた。それが上の写真。スイスのル・ロックルを拠点としてほぼひとりで製作しているフィンランド人ウォッチメーカー、トースティ・ライネ(Torsti Laine)によるV38だ。

 HODINKEEではまだ正式にライネの作品を扱ったことはないのだが(どうか彼を温かく迎え入れて欲しい)、私はここしばらく彼を注目していたし、手作業によるこれ以上の装飾をこの価格で手に入れるのはほかでは極めて難しいと思う。そして私としては、ひとつの時計に5桁(日本円では7桁)の大金をかけるのであれば、本質的にスペシャルなものであることを望むと思うのだ。この時計にはそれがある。

 9400スイスフラン(約138万円)のV38は、ヴォーシェのエボーシュを使用しており、タングステンのローターにはライネ自身の綿密な手作業によるエングレービングが施されている。光沢仕上げのステンレススティール製ケースは、サイズが私にぴったりで(38mm×9mm)、カスタマイズ可能なオプションも豊富にある。考えがころころと変わるのだが、私が現在欲しくてたまらない組み合わせは、“ムーンフロステッド”のインナーダイヤル、ブルースティール針、数字は青焼きのブレゲ数字アプライドインデックス、そしてナチュラルタンレザーのストラップだ。ダイヤルの色合いについては、標準のサーモンも捨てがたいのだが、ダークなバイオレットなんかでも見てみたい。あるいは、焼けつくような鮮明なオレンジとか。こんな感じで私にはどうしても決められない。- ローガン・ベイカー(Logan Baker)、ブランドエディター

カルティエ サントス(サントス ドゥ カルティエ)、ステンレススティール(7100ドル/99万8800円 ※日本での税込定価)
Cartier Santos

 朝起きたら1万ドル分だけ裕福になっていて、時計を買わないといけないって? そんなおいしい話に乗せないで欲しい。

  彼女はフランス製で、あでやかで、何にでも対応できる。彼女はサントス ドゥ カルティエ。そして確かな情報から断言できるのは、HODINKEEのデザインスタッフのなかで、時計の妖精がこの額を積んで用意してくれたこの企画で、すべてを任せられるアイコン的なこの時計を逃しはしないと思うのは私だけではないということ。

 私は時計好きで、どんな時計でもつけてしまう。サントスは、私がもっているコレクションのなかではややドレッシーな部類に入るが、その多用途性と品のよさもあり、ブラックタイを要求するフォーマルなイベントから職場やカジュアルな金曜日のオフィス(ホーム)まで、どんな場面でも申し分なくフィットする。

 カルティエのデザイン言語は何十年も一貫しているだけでなく、時代の淘汰のなかを生き抜いてきた。それだけでなく、ケースサイズが多様で誰にとっても合うサントスがある。これまでも現在もクールであり、今後も永久にクールであり続ける時計だ。だからこそ、デザインオタクであるこの私にはいとも簡単なチョイスとなる。- アレックス・フォートニー(Alex Fortney)、主任プロダクトデザイナー

カルティエ バロン ブルー ドゥ カルティエ 36mm スティール(6350ドル/86万3500円 ※日本での税込定価)
Cartier Ballon Blue

 今回の権利を行使するためにまず私は、学生ローンの返済を終え、卵子を採取して冷凍庫で保管し、バスルームの改装も終えているものと仮定しよう。その前提で選ぶのは、カルティエ バロンブルーのSS製、36mmだ。

 私は時計の道を歩み始めてまだ14ヵ月で、何も買ったことがない(セイバーズで購入した7ドル=約1000円のSS製を除く)。この時計は、そんな私がこの職場以外で最も長い時間を費やしたことのあるものだ。“長い時間”といっても、5番街のカルティエブティックで、元彼と30分の予約を入れたときのことだ。彼が時計好きで、これをつけてみたらと私にすすめたのだ。

 店のなかへ入っていくとき、私にはパンテールがいいと思っていた。しかしそれは間違いだった。私が欲しいのは、機械式、ラウンド型の金属製で、時代に左右されないものなのだ。施されているリューズガードもおもしろく、それが2時から4時にかけてインデックスの流れを壊していて、3時のインデックスもややカオスになっているところが気に入っている。私を知る人なら誰でも、私が少しカオスなものが好きなことは知っている。- リサ・ゴンザレス(Lisa Gonzalez)、プロダクションディレクター

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オメガ スピードマスター Cal.3861 ヘサライトモデル(6400ドル/88万円 ※日本での税込定価)
Omega Speedmaster on a wrist

 これは難しい選択だ。この価格帯には高品質で抗いがたい時計が数多くあるからだ。真っ先に浮かんだのは、グランドセイコーのSBGY009 スプリングドライブ。そしてチューダーのペラゴス(ブルー)とオメガのシーマスター 300 41mmも浮かんだ。どれもいい時計だ。だが、今この瞬間で言えば、私はオメガのスピードマスター プロフェッショナル 3861 ヘサライトモデルに飛びつく。

 特許を取得したスピードマスターの外観もさることながら、このモデルの歴史的遺産に踏み込むことで、その思いは強くなる(クローズドケースバックには、“1965年にNASAにより宇宙飛行品質認定 すべての有人宇宙ミッションに向けて”、“月で装着された最初の腕時計”などと刻まれている)。時として我々は、偉大な功績を彷彿させてくれるものを必要とする。そしてそれが腕を見下ろして簡単に済むものであれば、なおさらよい。- ウィル・ホロウェイ(Will Holloway)、コンテンツディレクター

ゼニス クロノマスター オリジナル ブラックダイヤル ブレスレット(9500ドル/110万円 ※日本での税込定価)
Zenith Chronomaster Original

 概して私は、新品よりもヴィンテージものに引かれる。おそらくこれは、皮肉好きな時計の世界によくある逆張り的な考え方なのだろうが、時計の外観や感触に関して言えば、私は過去に思いを馳せるのが好きだ。ゼニス クロノマスター オリジナル ブラックダイヤルのブレスレット付きは、私にとって二役をこなしている。クラシックなゼニスのデザインが持つ外観と感触をすべて備えながら、現代の製造技術や品質の恩恵も同時に被ることができる。そしてそう、これには“フォティーナ”とも呼ばれるクリーム色をした夜光マーカーがついている。しかし、ゼニスのようにある種の歴史的なデザインのDNAを持つブランドであれば、好きにすることが許されるのだと私は思う。1万ドル(約150万円)の価値は十分にある。- マイルス・クサバ(Myles Kusaba)、ラグジュアリーウォッチ担当バイヤー

エルメス H08 サテン仕上げ チタン ブレスレット付き(5400ドル/76万8900円 ※日本での税込定価)
Hermes H08

 私がブレスレットを求めて腕時計を買ったとしても、これが初めてにはならないだろうが、光沢仕上げのセンターリンクを求めて腕時計を買うとなれば、これが初めてになる。この輝きをご覧あれ。サテン仕上げのチタンを背景にしたコントラストが、極めて粋だ。そして私の1万ドルウォッチは、実際には5400ドル(※日本での税込定価75万2000円)なのだから、残りの4000ドル(約55万7000円)を使ってひと晩をユタ州の高級リゾートホテル、アマンギリで過ごしながら、新たに手に入れたセンターリンクが砂漠の太陽のなかできらめくのを愛でることもできるというわけだ。- ニック・マリノ(Nick Marino)、コンテンツ部門副社長

ゼニス クロノマスター リバイバル シャドウ(9000ドル/約103万4000円 ※日本での税込定価)
Zenith El Primero watch

 実生活での私は、古くてゴールドのものを追い求めているが、それが見つかるまで手を出してはいけないことは重々承知している。しかし今、時計につぎ込むための架空の1万ドルを手に入れた、それなら何を買う? 私ならクロノマスター リバイバル シャドウを買いに行く。

 私はファンキーな形のケースに目がないのだが、これはたぶん37mm×12.6mmというヴィンテージ的な比率のおかげで、まさにいいところを突いている。ブラスト加工を施したチタン製ケースも、いったんつけたら忘れていられるような装着性のよさにひと役買っている。これは、この額を時計につぎ込むのであれば(架空であろうと現実であろうと)そうあって欲しいと私が望む点だ。時計はつけるために作られているのだから。それと、私はキラキラしたブレスレットのついた時計に引かれる傾向にあるのだが、これはフラットな仕上げ、ブラック、ストラップという、何かまったく新しいものにトライしてみるいい機会になる。それはそうと、架空の現金って何?- ジョナサン・マクウォーター(Jonathan McWhorter)、動画プロデューサー

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グラスヒュッテ・オリジナル パノマティックルナ(9900ドル/尾錠タイプは124万3000円、 フォールディングバックルタイプは129万8000円 ※日本での税込定価)
Glashutte Original watch

 私は最初、この時計は時間、分、秒、日付と、あまりにも多くを盛り込みすぎていると思った。だが、配置がすっきりとしていて、各要素がうまく機能し合っている。光沢仕上げを施したSSのブルーは、落ち着くと同時に天空を思わせる色だ。最終的にはその読み取りやすい日付も気に入った。この時計が明確なモデルとしているランゲ1が本当は欲しかったのだと認めなければ嘘になる。しかし今回の企画は、“5万ドル(約720万円)があればどの時計を買うか”ではないのだし、9900ドルなら、5万ドルに比べたらほんの取るに足らない値段で買える、僅差で2位の時計ということにはなる。- サラ・ミラー(Sarah Miller)、シニアライター

ロレックス デイトジャスト 36mm シルバーダイヤル(8750ドル/103万5100円 ※日本での税込定価)
rolex datejust

 私は病気だ。どんな仮説で時計選びをするのであっても、たとえどれだけ夢を追ってもよい完全な自由を与えられたのだとしても、私は今後一生つけ続ける時計だけを買うだろうと想像する。私が買う時計はたとえ想像上であっても、どこでもつけられるものでなければならない。Venmoに入金された架空の現金で私が36mmのロレックス デイトジャストを買う理由は、それだ。本物であり、間違いのないクラシックなのだ。

 そして私は、クラシックを最上級に体現するものを望む。シルバーダイヤル、フルーテッドベゼル、ジュビリーブレスレットだ。これはほぼポール・ニューマンが『ハスラー2』でつけていたデイトジャストになるが、設定上の予算があるために、私はホワイトゴールドのフルーテッドベゼルにする(そしてデイトジャストはこれがなければ変に見える)。そして、1万ドルは決して小さな額ではなく、この価格帯だと私の想像力をもってしても想像が及ばないため、常に“安全”な選択をしようとすることになる。だからといって、私の選択が正しくないということにはならない。私にとっては正しいのだ。- ダニー・ミルトン(Danny Milton)、シニアエディター

カルティエ タンク マスト ソーラービート(2395ドル/ 37万9500円 ※SMサイズの日本での税込定価)
Cartier Tank Must SolarBeat watch

 HODINEEに入社するまで、私は時計の世界についてはほとんど、というか、実は何も知らなかった。でも動画編集については多少知っていた。そのため、就職に応募した際に、この『A Week On TheWrist』動画の私バージョンを作成することを課せられた。そして私はこのテストに合格し、これまで出会ったなかで最も情熱的で熱心な人々のなかで仕事ができることになって感じたあの興奮を、決して忘れることはないだろう。

 だから、カルティエ タンク マスト(特に私の手首は細いから小さいモデル)を私は選んだ。1万ドルはしないかも知れないが、私にとっては感傷的な部分でそれ以上の価値がある。- ヴィック・オットマネリ(Vic Ottomanelli)、動画エディター

グランドセイコー SBGH289(7300ドル/81万4000円 ※日本での税込定価)
Grand Seiko SBGH289 watch

 私はセイコーのダイバーズが大好きだ。そしてグランドセイコーがSBGH289でしてきたことは、SKX007のようなモデルから試行錯誤を繰り返し、11にまで進めたことだ。そう、セイコーのダイバーズを魅力的なものにしているのはその価値提案なのだが、それは何らかの妥協していることを意味する。しかしグランドセイコーのSBGH289には、一切の妥協がないのだ。

 なかに使われているのは9S85(ハイビートムーブメントだ!)。緻密に仕上げられたケース、ザラツ研磨を施したインデックスが、ゴージャスな青紫色のダイヤルによく映える。ベゼルの動きはバターのように滑らかだ。この時計は、セイコーのダイバーズに対して抱く可能性のある不満のすべてに応えている。そしてそれこそがグランドセイコーの存在理由であり、セイコーの価値観をまったく新しいレベルへと押し上げるブランドなのだ。このダイバーズはまさに次のレベルのものだから、当然、それに見合っただけの価格が設定されている。というわけで、謎の慈善家さん、献金ありがとう。- コール・ペニントン(Cole Pennington)、エディター

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ブルガリ セルペンティ スピガ ブラックセラミックモデル(7550ドル/約105万7000円)
Bulgari Serpenti

 1万ドルは私のお金ではなく、自分はそれに関して一切稼いでいないのだと仮定すれば、私なら母親が顔をしかめるような派手なものを買うだろう。ブルガリのセルペンティほど“誰かほかの人のお金”であることを物語っている時計はそうそうない。そして予算がたった1万ドルということなら(ふくれっ面)、一度限り手首に巻くだけのこの時計でよしとしよう。その代わり、ブラックとローズゴールドという私の大好きな組み合わせにする。ニュアンスがあって最高! 私は正真正銘、贅沢感のあるこの時計が大好きだし、どんな性別を表明している人であっても、この上なく甘やかされている人に見せることができるし、そう見えるようにつけなければならない時計だ。シャイな女神さま、サプライズのお金をどうもありがとう。夢見ていたこの美しいセラミックウォッチに感謝します!- ノラ・テイラー(Nora Taylor)、副編集長

ロレックス デイトジャスト 36mm オリーブグリーン パームモチーフダイヤル(8750ドル/103万5100円 ※日本での税込定価)
Rolex Datejust Green dial

 ダニーと同じく、36mmのロレックス デイトジャストにするが、私のはパームモチーフの入ったものだ。予算が1万ドルではホワイトゴールドは買えないので、オイスタースチールにするしかない。これに、ジュビリーブレスレットをつける。これに関しては実際にRolex.comで検討し、こんなのを買うお金があればいいなと思いながら組み立ててみたのでよくわかっている。ロレックスは過剰評価されているという人もいて、そうかも知れないとは思うけれど、皆さんは1万ドルを有効活用したいとは思わないだろうか。リッチな人たちの必需品であるロレックスのないコレクションなんて、あり得ない。- ティファニー・ウェイド(Tiffany Wade)、フォトグラファー

オリス ビッグクラウン プロパイロットX キャリバー115 ブレスレット付き(7600ドル/103万6200円 ※日本での税込定価)
Oris Big Crown ProPilot X

 ポール・ニューマンが演じたビリヤード賭博師、“ファースト・エディ”・フェルソンの言葉を借りれば、「勝った金は稼いだ金の2倍甘い」。そこで私は今回の奇抜な企画のために、ルーレットテーブルへ行って1万ドルを赤に賭け、それが当たったと空想してみる。資金が2倍になった。さあ、このまま賭け続けることもできるぞ……しかし私はそうはせず、そのもうけた金でオリスのビッグクラウン プロパイロットX キャリバー115を買うことにする。

 なぜかって? 大きな理由が3つある。ひとつめは、素材だ。すべてチタンでできているため、つけていても非常に軽く、同時に耐久性もすこぶる高い。ふたつめは、ムーブメント。Cal.115は、オリス初のスケルトン型自社製ムーブメントで、これが非常に美しい。なかには大きくなった香箱が見えるが、これが10日間のパワーリザーブを叶えてくれる。すごいことだ。そして3つめはデザイン。44mmのオープンワークケースがオリスの技術を如実に示しており、そこにごついベゼルが加わることで、全体がジェットエンジンのような雰囲気で調和している。価格は7600ドル(103万6200円 ※日本での税込定価)。つまり、新たに手にした時計を楽しみながら、ポーカーでもする余裕がまだあるということになる。- ジョー・ワット(Joe Wyatt)、動画エディター

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