我々が知っていること
ロレックスにとって、デイトジャストは現代的な時計の最も純粋な表現そのものだ。1945年に誕生したこのモデルは、3時位置に日付窓を備えた初の防水・自動巻きクロノメーターだった。1953年に象徴的なサイクロップレンズが追加されたことを除けば、デイトジャストは当初のオイスターケースの形状とクラシックなレイアウトを維持しながら、控えめなアップグレードと改良を重ね、ゆっくりと、かつ着実に進化してきた。その過程で、このモデルはまさに高級時計のあり方を体現する存在となった。
ロレックスのラインナップにおいてデイトジャストが時計の代名詞として長きにわたり果たしてきた役割を称え、さらには外敵から時計を守るオイスターケースの密閉構造の誕生から100周年を祝し、ロレックスはグリーンラッカーのオンブレダイヤルを備えた、きわめて特別なデイトジャストを発表した。
この時計は直径41mmのホワイトロレゾール製で、サテンとポリッシュ仕上げが施されたステンレススティール(SS)製ミドルケースとブレスレットに、ホワイトゴールドのフルーテッドベゼルを組み合わせている。ロレックスが2019年から一部のモデルでグラデーション(デグラデ)効果を再導入して以来、このカラーのオンブレダイヤルにラッカーが採用されたのはこれが初めての例となる。
この技法は、ダイヤルカラーが中央のライトグリーンから外周のインクのような暗い色調へと緩やかに変化することで、深く響くような印象を生み出す。ロレックスの技術者たちは、ダイヤルのベースにグリーンラッカーを塗布したのち、中心から同心円状にブラックラッカーを層状に吹き付けることで、このドラマチックな効果を実現した。
ラッカー塗装は、1世紀以上にわたって時計製造の一部として用いられ、伝統的なグラン・フー エナメルや塗装ダイヤルに代わる、より耐久性が高く実用的な選択肢として提供されてきた。また、ラッカーは他の仕上げ技法では実現できない深みのある色合いをもたらし、今回のようなオンブレ(グラデーション)効果を可能にしている。
重なり合う層は、より深く、より豊かで、鮮やかな色調を生み出す。そして、コントラストを高めることでダイヤルの文字を際立たせ、タイポグラフィにさらなる存在感(ポップさ)を鮮明にする。これは単に美観や滑らかな表面を実現するためだけではない。ラッカーは、ほかの多くのダイヤル仕上げ技法よりも、紫外線によるダメージや表面の傷から、ダイヤルのマーキングや色をしっかりと保護してくれる。
このような表情豊かなダイヤルは、1960年代から70年代にかけて製造されたロレックスの時計において重要な役割を果たしていた。当時、ジュネーブを拠点としていた同社は、変化する時代の感性を反映させるために、新しいダイヤル素材やデザイン、技法を試行錯誤していた。ロレックスはこの時期に、明るいエナメルカラーで現在はコレクターのあいだで珍重されている“ステラ”ラッカーダイヤルを製造した。また、マラカイトやラピスラズリ、オニキスなどの天然石ダイヤルの試作も行われ、その前衛的な精神のもと、最初のオンブレダイヤルの製造も開始した。これらの型破りなダイヤルの選択肢は、1980年代のクォーツショックの時代に、より保守的なブラック、ホワイト、シルバー、シャンパンカラーへの回帰とともに、ほぼ姿を消してしまった。
幸いなことに、近年再び風向きが変わり、ロレックスは鮮やかなカラーのオイスター パーペチュアル シリーズなど、より多くのモデルでラッカーを用いて鮮やかな色合いのダイヤルを製造している。2020年に発表され、キャンディピンクからターコイズまでの新しいカラーパレットを提供し、直近では昨年、控えめなベージュからピスタチオグリーンに至るまでマットラッカー仕上げのパステルカラーでアップデートされたラッカーダイヤルの豊かな色彩が、再びカタログの重要な柱となっている。
オイスターケースの100周年という節目を祝うためにデイトジャストを選ぶのは、実にふさわしい。このモデルは、ロレックス創業40周年を記念して名付けられたジュビリーブレスレットを初めて装着した時計だったからだ。今年はオイスターケースの100周年を記念して、“ジュビリー”という言葉が多くの新作で惜しみなく使われている。オイスター パーペチュアル 36のパターン化された“ジュビリーダイヤル”で見られる多彩なカラーをはじめ、ロレックスとして20年以上ぶりに発表された新しいゴールド合金にまでおよぶ。この新素材は“ジュビリーゴールド”と名付けられ、新作の天然石(グリーン)ダイヤルを備えたデイデイト 40にのみ採用されている。
そう考えると、新しいグリーンラッカー オンブレ デイトジャストにオイスターブレスレットが装着されているのは注目に値する。ポリッシュ仕上げのセンターリンクとサテン仕上げのサイドリンクを備えたSS製の3連ブレスレットは、ロレックスグリーンを解釈したオンブレダイヤルの威厳を際立たせている。伝統的なホワイトゴールド製のフルーテッドベゼルが、グラデーションがかったグリーンのダイヤルを囲み、まるで芸術作品のような、深い質感を持つフレームとなっている。
実際、大胆なオンブレを除けば、この時計はクラシックなデイトジャストそのものだ。インデックスは18Kホワイトゴールド(18KWG)製で、バトン針も同様である。どちらも白色のクロマライト夜光を備え、青く発光する。オイスタースチール(SS)製のリューズは、伝統的なトゥインロック式のねじ込み式で、防水性を確保している。
ムーブメントには、2015年に初めて導入されたロレックス自社製の時間・日付表示用Cal.3235を搭載する。この新しいデイトジャスト 41はCOSC認定を受けているだけでなく、ロレックス独自の高精度クロノメーター検査の新たに強化された基準もクリアしている。そしてロレックスは今年、耐磁性、信頼性、持続可能性を含む3つの新しいテスト項目を、すでに厳格だった高精度クロノメーター規格に追加した。
我々の考え
これは、ロレックス デイトジャストの最も力強い姿だ。ダイヤルには深みがあり、思わず凝視してしまう。グリーンラッカーのオンブレ効果からは、同社のフラッグシップカラーを斬新に表現したロレックスのデザイナーと、それを大規模に製造するためにメーカーの工業力を駆使した技術者たち双方の、芸術的ビジョンに思いを馳せざるを得ない。
デイトジャストのなかで最大となる41mmというサイズは、おそらくすべての手首に合うわけではないだろう。しかし、その重厚感は、ドラマチックな色の変化を堪能するためのより広い視野を与えてくれる。
価格もまた、祝福に値するかもしれない。173万1400円(税込)という価格設定で、特別なラッカー オンブレダイヤルに対してプレミアムは課されていないのだ。この時計は、サンレイ仕上げのPVD(物理蒸着)カラーメタリックダイヤルを備えた、同じ構成のほかのモデルと同価格で販売されている。
信頼性が高く、実績があり、機能的でありながら、目立たない贅沢さと職人技のひらめきを備えたこのオイスター アニバーサリーモデルは、デイトジャストの時代を超越したデザインの魅力を凝縮し、さらに高めている。これはまさに正当な祝福に値するものだ、と言ってもいいだろう。
基本情報
ブランド: ロレックス(ROLEX)
モデル名: デイトジャスト 41(Datejust 41)
型番: 126334(ケース)、72610 オイスター(ブレスレット)
直径: 41mm
厚さ: 11.6mm
ケース素材: ロレゾール(オイスタースチールケース、18Kホワイトゴールド製フルーテッドベゼル)
文字盤: グリーンラッカーオンブレ
インデックス: 18Kホワイトゴールド製アプライド
夜光: クロマライト(ブルー発光)のインデックス、時・分針
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: オイスタースチール製オイスター3連ブレスレット、ポリッシュ仕上げのセンターリンク、サテン仕上げのサイドリンク(ポリッシュ仕上げのエッジ)
ムーブメント情報
キャリバー: 3235(ロレックス自社製)
機能: 時・分針、センターセコンド、3時位置に早送り機能付きの瞬時に変わる日付表示、ストップセコンド機能
直径: 28.5mm
パワーリザーブ: 約70時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時(4Hz)
石数: 31
クロノメーター: あり、COSCおよびロレックス独自の高精度クロノメーター認定(日差±2秒以内)
価格&発売時期
価格: 173万1400円(税込)
詳細は、こちらをクリック。
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