ADVERTISEMENT
我々が知っていること
ユリス・ナルダンは、フリーク誕生25周年を記念し、これまでにないほど技術的野心に満ちた“時刻表示のみ”のモデル、スーパーフリークを発表しました。ル・ロックルに拠点を置く同社は、この節目に向けて大きな発表を予告していましたが、その全貌がついに明らかになりました。
それは、すでに前衛的な存在として知られるフリークのコンセプトを、さらに一歩先の新たな領域へと押し進めたモデルです。本作はコレクションの頂点に位置づけられる新たなフラッグシップであり、“これまでに作られたなかで最も複雑な時刻表示専用時計”として打ち出されています。
約4年の開発期間を経て誕生したスーパーフリークは、グランドコンプリケーションを手がける熟練時計師がひとりで約60時間をかけ、手作業で組み上げるモデル。ケースには直径44mmのホワイトゴールドが採用されています。内部構造を踏まえると驚くべきことに、45mmのフリークSよりもわずかにコンパクトに仕上げられています。7層構造で構築されたこのモデルは、視覚的な奥行きが際立つのが大きな特徴であり、思わず引き込まれるような魅力を備えています。
フリークシリーズに共通するように、ムーブメントそのものが時刻表示を担い回転しますが、本作ではそのコンセプトが極限まで押し進められています。全511点のパーツのうち、固定されているのはわずか13点のみ。ふたつのフライングトゥールビヨンは、それぞれが傾斜した状態で互いに逆方向へ回転しながら1分で1回転します。さらに、それらを載せたキャラセル(回転機構)全体も1時間で1周する仕組みです。
スーパーフリークでは、フリークの系譜として初めて秒表示も導入されました。その実現のために採用されたのが、きわめて独創的な解決策である特許取得済みの超小型ジンバルシステムです。ムーブメントの中核では、ふたつのトゥールビヨンがディファレンシャル(差動装置)によって制御されており、これはこれまでに作られたなかでも最小級のものだといいます。このディファレンシャルが両者の歩度を平均化することで、システム全体の安定性を保っています。一方で、秒表示はその機構の軸上から外れた位置に配されているため、ユリス・ナルダンは表示部へ確実にエネルギーを伝達するためのジンバルも新たに開発しました。なお、これは世界最小のジンバルシステムとうたわれています。
これらすべてを支えているのが、ブランド独自の特許技術であるグラインダー®テクノロジーです。これは現在も業界屈指の高効率を誇る機構として知られています。厚さわずか0.12mmの部品を含みながらも、このシステムは回転するキャラセル上にダブルトゥールビヨンを備えるという高いエネルギー負荷に対応しつつ、約3日間のパワーリザーブを実現しています。もちろん、この時計にリューズはありません。時刻合わせはベゼルで行い、巻き上げはケースバックから行う仕様で、フリーク本来のコンセプトを忠実に受け継いでいます。
スーパーフリークは世界限定50本で、価格は5594万6000円(税込)に設定されています。ストラップにはグレーのラバーストラップを採用し、WG製のデプロワイヤントクラスプが組み合わされています。
我々の考え
まず触れておきたいのはこの価格だろう。約5600万円というプライスタグは、そのエンジニアリングにどれほどの価値を見出すかにかかわらず、誰にとっても決して軽いものではありません。だからこそ、これから述べることには前提があります。すなわち、この時計はほとんどの人にとって現実的に手の届く存在ではない、という点です。それでもなお25周年という節目にふさわしい、美しさと技術的完成度を兼ね備えた1本であることは間違いありません。
ここに盛り込まれた“初”や称号の数々は実に多岐にわたります。これまでで最も複雑な時刻表示専用時計であること、この構造で実現された初の自動巻きダブルトゥールビヨンであること、フリークにおける秒表示の初搭載、そして時計製造において最小のジンバルシステムなど、枚挙にいとまがありません。まさにエンジニアリングの結晶と呼ぶにふさわしい存在です。
それでもなお私が何度も立ち返ってしまうのは、この時計全体に漂う一体感です。フリークはこれまでも、機械的実験でありながら製品として成立し、さらには前衛的なアートピースでもあるという絶妙なバランスの上に成り立ってきました。そしてスーパーフリークは、その境界線をさらに極限まで押し広げながらも、本質を見失うことなくまとめ上げられています。
ビジュアル面に関して言えば、見事に仕上げてきたと感じます。これほど多くの要素が盛り込まれ、その多くが実際に動いているにもかかわらず視認性は高く、デザイン全体にも統一感があります。ブルーを基調とした色使いに加え、文字盤の透明感、そしてWGとのコントラストが相まって、あの奥行きのある表情を生み出しています。本来であれば圧倒されかねない情報量を備えながらも、不思議なほど明快さが保たれているのです。
“ハイ・オルロジュリー”の世界では、ついディテールに没入しすぎてしまいがちです。複雑機構が増え、エンジニアリングも高度化し、あらゆる要素が積み重なっていく…そうなると、最終的に最大の制約となるのは“空間”。そのなかで真に優れた作品、そしてスーパーフリークも間違いなくそこに含まれると思いますが、そうしたモデルに共通しているのは、この複雑さを抱えながらも視認性や設計の意図を損なうことなく成立させている点にあります。
何よりも、この時計はステートメントピースとしての性格を強く感じさせます。ただしそれは声高なマーケティング的アピールという意味ではなく、初代フリークがそうであったような在り方です。ユリス・ナルダンが長い歴史を持ちながらも、いまなお本当に新しいことへ挑戦し続けるブランドであることを示す存在だといえるでしょう。私自身、今週ジュネーブで実物を見るのが待ちきれません。
基本情報
ブランド: ユリス・ナルダン(Ulysse Nardin)
モデル名: スーパーフリーク(Super Freak)
型番: 2520-500LE-3A-BLUE/3A
直径: 44mm
厚さ: 16.54mm
ケース素材: ホワイトゴールド
文字盤: トランスパレントブルー
インデックス: ホワイトのスーパールミノバを配したアプライド
夜光: あり、アワーマーカーおよび表示にスーパールミノバ
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: グレーラバーストラップ(ホワイトステッチ入り)、WG製デプロワイヤントクラスプ
ムーブメント情報
キャリバー: 自社製Cal.UN-252
機能: 時・分・秒(回転するキャラセル〈回転機構〉による表示)
パワーリザーブ: 約72時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2×1万8000振動/時(2×2.5Hz)
石数: 42
クロノメーター: なし
追加情報: フライングキャラセル構造/互いに逆方向へ回転する、10度傾斜したデュアル・フライングトゥールビヨン/世界最小の垂直ディファレンシャル/オフアクシスの秒表示のための特許取得済みジンバルシステム/シリコン製テンプおよびヒゲゼンマイ/全511点のパーツのうち約97%が可動
価格 & 発売時期
価格: 5594万6000円(税込)
発売時期: 発売中
限定: あり、世界限定50本
詳しくはこちらをご覧ください。
話題の記事
Introducing ユリス・ナルダン、フリーク誕生25周年を記念してスーパーフリークを発表
Introducing ノモス グラスヒュッテよりタンジェント ネオマティック38アップデートが登場
Introducing ヴァシュロン・コンスタンタン ヒストリーク アメリカン 1921に新たなピンクゴールドモデルを2サイズで追加