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A Week On The Wrist ゼニス デファイ リバイバル ダイバー A3648 (オレンジのアイツのほう)を1週間レビュー

ゼニスの新作ダイバーズは、実はゼニスのオールドダイバーズなのだ。

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時計愛好家は復刻モデルに目がありません。より小さいプロポーション? 素晴らしいですね。歴史的なリファレンス? 大賛成です。長年の完璧なエイジングとパティーナを模倣した味わい深いアクセント? 正直なところ、これはどちらとも言えません。よくも悪くも時計収集の風潮として過去を重んじる面があります。時計はさまざまなレベルで時空を駆ける乗り物であり、ブランドが何らかの形でその歴史を利用するのは当然と言えます。それを捨て去り(過去にとらわれない、と言ったほうが正しい)未来に目を向けることにも強い主張があります。あるいは自らのヘリテージを讃え、正当なアイデンティティとして歴史的な血統に注力する選択肢もあります。多くの場合、歴史的なリファレンスの出来には当たり外れがありますが、それがうまくいったときは...分かりますか? とにかく、うまくいくのです。

 時計メーカーや業界にとって何がベストなのかを長々と議論するのは避けて、さっそく本題に入りましょう。ゼニスのデファイ リバイバル ダイバー A3648は、このコンセプトを見事に体現した素晴らしいモデルです。

 まずはディテールから。オレンジの配色についてです。このオレンジはとても美しい発色をしています。私は鮮やかな配色に抵抗はありませんが、この“デイグロー”の色合いと、それを日常的に着用するとどうなるのか最初は少し懐疑的でした。しかし、その不安はすぐに消え去り、この鮮やかなオレンジがどれほど映えるかにただただ感動しました。彩度、明度、色相のバランスが見事に調和しているのです。実にいい塩梅で、視認性も抜群であり、ミッドセンチュリーらしさを持ちながらも過度にならない(信じるかは読者次第です)絶妙なデザインです。

…この時計は想像以上に大きくも小さくも感じられます

 それに、このサイズです! ケースのサイズは37mm×厚み15.5mmと聞いて、最初は奇異に感じました。当然と言えば当然でしょう。確かに分厚いのです。しかし八角形のフォルムとドーム型風防などを考慮すると、この時計は想像以上に大きくも小さくも感じられます。ファセットを施したラグ、風防、そしてもちろんオレンジの配色が、37mmという小ぶりなケース径を超えた存在感を与えています。逆に、短いラグと裏蓋から風防にかけての“ステップ(段差)”を付けたデザインは、15.5mmというケースの厚みの大部分を隠しています。言うまでもなく、この厚みの大半はドーム型風防が占めており、目に見える大きさには貢献していません。実際には16mm近い厚みよりもずっと小さく感じられます。

 本モデルには、復刻に求められる要素がすべて詰まっています。つまり、古い時計が新しく生まれ変わったということです。しっかりとした信頼性を感じさせながらも、ウケを狙ったニセの“経年”加工を感じさせることのない、ヴィンテージウォッチとしての魅力も備えています。忘れてはならないのは、この時計が非常に高性能だということです。ダイバーズウォッチに求められるのは防水性です。これらの時計で水深40m以上潜る人はいないでしょうが、600m防水は尊敬に値するということは誰もが認めるところでしょう。これはロレックスのサブマリーナーの2倍の防水性能であり、ダイバーズウォッチのISO 6425規格(100m)の6倍である約2000フィート(正確には1969フィート)にも達します。ゼニスのデファイは耐衝撃性と防水性能の両面において、日常的なタフネスを追求しています。その血統は、A3648にも完璧に受け継がれています。ただの宣伝文句ではありません。

 もちろん、価格については思うところもあります。しかしこれはゼニスが自社製品の競合を見定めた価格帯なのです。この文脈を理解するために、この時計に相当する先進モデルをカタログのなかから紹介すると、デファイ エクストリーム ダイバーが挙げられます。このモデルの価格は149万6000円(税込)です。その価格で、ハイビートムーブメントと42.5mmのチタンケース、そして同じ600m防水を手に入れることができます。しかしこのリバイバル A3648(税込101万2000円)は、1960年代後半から70年代にかけての短命に終わったモデルを現代的に再現したものであり、同じ機能を持ちながら、カタログの対極にある技術志向かつ戦術的な兄弟機よりもはるかに個性を放っています。これは、それぞれを対立させるものではありません。これらの時計は、異なる手法ながら目指すところは同じであり、どちらも高いレベルの仕上げが施されているのです。

 リバイバルの目的は、デファイシリーズの原点、この場合は完璧に復刻をして祝うことです。A3648はその計画に忠実に従い、成功しています。この時計は歴史的な血統を証明しようとするギミックが一切なく、まるで初代モデルがそのまま再生産されたかのような佇まいを持っています。もちろん初代モデルにはサファイアケースバック仕様はありませんでしたが、重要なのはそこではありません。むしろサファイアケースバック仕様を採用しながら、そのモンスター級の防水性を維持していることのほうが驚異的なのです。

 全体として、リバイバル ダイバーは単体で見ても素晴らしい時計であり、素晴らしい時計であるために歴史的なリファレンスという後ろ盾を必要としません。スペックシートとは裏腹に、そのサイズは主張しすぎず、控えめでもありません。控えめなプロポーションでありながら、手首の存在感は十分にあります。ケースのポリッシュ仕上げのファセットと鮮やかなオレンジは声高に主張しすぎることなく、適度な存在感を示しています。ブレスレットはつけ心地がよく堅牢で、5連リンクのデザインはフォルムと機能のバランスが見事です。サテン仕上げのリンクはタフで堅牢に感じられ、それがなければ見落としてしまいそうなポリッシュ仕上げの“ビーズ・オブ・ライス”が上品さを添えています。

 もしこの時計が、50年前のモデルをベースにしているとか、厚みが15.5mmだとか言われなければ、私は知ることもなければ気にすることもなかったでしょう。

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HODINKEEはゼニスの正規販売店です。新作デファイ リバイバル A3648の詳細については、ゼニスの公式ウェブサイトをご覧ください。

ゼニスはLVMHグループの一員です。LVMH Luxury VenturesはHODINKEEの少数株主ですが、編集の独立性は完全に保たれています。