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我々が知っていること
モンブランは1997年に最初の腕時計を発表して以降、一度も立ち止まることなく現在に至る。あれから25年後の現在、さまざまな種類の高級品を扱うこのメーカーは、セリタ社製ムーブメントを搭載した魅力的なエントリーモデルのヴィンテージ風ウォッチから、クロノグラフに特化した超高級複雑時計まで、多岐にわたる製造アプローチにより高級時計業界においてその地位を確固たるものにしている。2006年に歴史あるミネルバ マニュファクチュールをモンブランの傘下に統合したことにより、モンブランはアプローチの多様性を得ることができたのだ。
ミネルバの伝統的な時計製造のノウハウにより、モンブランはWatches & Wonders Geneva 2022で発表された3本のモノプッシャー クロノグラフのような特別な時計を作ることができる。今回は2015年にデビューして以来、モンブランのある種の支柱のような存在となったミネルバの創業年にちなんだ1858コレクション限定モデルから3本をご紹介しよう。
このトリオのうち、ヴィンテージクロノグラフ好きにとっての目玉は、何といっても1920年代から30年代にかけてミネルバが製造した初期のパイロットクロノグラフを彷彿とさせる88本限定の「モンブラン 1858 レッドアロー ミネルバ モノプッシャー クロノグラフ リミテッド エディション 88」であるに違いない。ミネルバは1927年にフルーテッドベゼルとカウントダウン用回転ベゼルを備えた腕時計を発表し、その約10年後の1939年には、アウター回転ベゼルとリセット機能を備えた初の腕時計型クロノグラフを発表している。
ミネルバのアーカイブにあるオリジナルのヴィンテージウォッチを参考に、この新しいクロノグラフはこれらの特徴をよみがえらせたのだ。直径42mmのステンレススティール製ケースに収められたレッドアロー LEは、18Kホワイトゴールド製のフルーテッド回転ベゼルを備え、シグネチャーの赤い矢印はゼロマーカーとして、経過時間の確認やカウントダウンタイマーとして使用することができる。
ブラックダイヤルには視認性の高いアラビア数字が配され、タキメーターとテレメーター両方の目盛りが表記される。Cal.MB 13.21は、1924年に発表されたオリジナルのCal.13.20をベースにしており、このムーブメントは腕時計用として開発された初期のクロノグラフムーブメントのひとつと考えられている。このCal.13.20は、当時のムーブメントしていかに先進的であったかを示すもので、Hodinkee Shopの週間ストックリストにも時折掲載される。
レッドアロー LEでは、この手巻きの水平クラッチ伝達コラムホイール作動式クロノグラフがこれまでと同様に輝きを放っている。もちろんミネルバの時計職人による手仕上げで、その精度は折り紙付きだ(参考までに、同じCal.MB 13.21は、2019年のモンブランとのコラボレーション、1858 モノプッシャー HODINKEE限定モデルにも搭載されている)。
この時計は88本の限定生産モデルで、価格は386万4850円(税込時価)、これはCal.13.20を使用した最近のモンブラン
モノプッシャー クロノグラフの限定モデルと同程度の価格だ。
同じ1858コレクションでも、今回発表されたミネルバ モノプッシャー クロノグラフの残る2モデルは、レッドアローと同じフルーテッドベゼルを採用しているにもかかわらず、伝統的な時計製造とはやや異なるアプローチをとっている。「モンブラン 1858 アンヴェイルド シークレット ミネルバ モノプッシャー クロノグラフ リミテッドエディション」は、18K“ライムゴールド”製18本とSS製58本の限定生産モデルで、歴史的なモノプッシャー クロノグラフムーブメントのCal.MB16.29を初めてスケルトナイズしたモデルだ。
この“アンヴェイルド シークレット”クロノグラフのペアで特に興味深いのが、モンブランが従来型のスケルトン加工ではなく、ムーブメントを上下反転させ、手首から時計を外さずにクロノグラフが作動する様子をダイヤル側から確認できるようにした点である。
このようなモデルは過去にも何度か登場しており、最も新しい例としては2019年に発表されたカリ・ヴティライネンの“28Ti”が思い浮かぶが、これほど正確な方法でクロノグラフに応用した例を見た記憶はない。モンブランによると、オリジナルのCal.MB16.29に、必要に応じて時間表示を反転させるために21個の部品を追加する必要があったそうだが、ジョークとして、Cal.MB16.29のスケルトン仕様の新作はムーブメントと同様に最後の桁を反転させてMB
16.26と命名されている。
サファイアクリスタルを通して見ると、ハンドメイドのミネルバムーブメントであることが一目瞭然だ(両モデルともケースバックはソリッドタイプになり、すべてが前面に見えるようになった)。クロノグラフレバーに施されたクールな矢印型のテール、有名なV字型のブリッジ、そしてサンドペーパーで磨き上げられたジャーマンシルバー製受けのアングラージュ(面取り)など、内角という内角が強調されたデザインとなっている。
ライムゴールドのデザインは、グリーンのスーパールミノバのインデックスとアクセントが、ゴールド合金の緑色の色合いを際立たせ、グリーンのアリゲーターレザーストラップとともに、価格は603万9000円(税込時価)となっている。SS製モデルは、ブルーのスーパールミノバのインデックスとアクセント、ブルーのアリゲーターレザーストラップで、よりクールなトーンになっており、価格は422万7300円(税込時価)だ。
我々が思うこと
ふぅ。いやはや、ミネルバのモノプッシャー クロノグラフムーブメントを搭載した、3本のモンブランのリリースは、実に盛り沢山だ。
ミネルバ搭載機は実際に見てみないことには、正当な判断を下すのは難しい。プレス用の画像やレンダリング画像だけでは、その視覚的な効果を理解することが難しいほど、その精巧さのレベルは高く、複雑だ。
「モンブラン 1858 レッドアロー ミネルバ モノプッシャー クロノグラフ LE 88」は、伝統的なヴィンテージ風クロノグラフのあるべき姿として、とても魅力的だ。この時計は、私の目にはドイツ軍が使用した最初のパイロット用クロノグラフウォッチとされる1950年代のハンハルト 417ESを彷彿とさせるが、モンブラン/ミネルバは、そのデザインインスピレーションを1920年代と30年代のヴィンテージウォッチのストック資料(写真上)に求めたそうだ。つまり、50年代にはハンハルトもミネルバを意識していたか、あるいはある程度並行して開発が進んでいた可能性が高い。
ヴィンテージ復刻クロノグラフは最近でも数多く存在するが、Cal.MB13.21のように高品質なムーブメントを搭載したものは、極めて希だ。実際、もしあなたがこうしたヴィンテージ風のミリタリーパイロットクロノグラフをお好きなら、1990年代後半から2000年代初頭のブレゲのタイプXX/XXI プレシャスメタル製リファレンスを除いて、あまり比較対象が思いつかないはずだ。これらのリファレンスが製造中止になって久しいことを考えると、レッドアローは、ミッドセンチュリーの空軍仕様デザインに加え、ハイエンドの伝統的な時計づくりが好きな人たちにとって、実に堅実なニッチを発見したと思う。
一方、「モンブラン 1858 アンヴェイルド シークレット ミネルバ モノプッシャー クロノグラフ LE」は、夜光塗料がネオンブルーとグリーンの色調で、どちらのバージョンも若干私の好みに合わないと感じられた。コンセプトや技術的な完成度は高く評価できるものの、実際にふたつのモデルを見るまでは、このペアについての判断は保留にしたいと思う。
基本情報
ブランド: モンブラン(Montblanc)
モデル: 「1858 レッドアロー ミネルバ モノプッシャー クロノグラフ リミテッド エディション 88」/「モンブラン 1858 アンヴェイルド シークレット ミネルバ モノプッシャー クロノグラフ リミテッドエディション 18」/「モンブラン 1858 アンヴェイルド シークレット ミネルバ モノプッシャー クロノグラフ リミテッドエディション 58」
型番: Ref.129614(レッドアロー LE 88)/Ref.129622(アンヴェイルド シークレット LE 18)/Ref.129613(アンヴェイルド シークレット LE 58)
直径:42mm(レッドアロー LE 88)/43mm(アンヴェイルド シークレット LE 18&58)
ケース素材: ステンレススティール、ホワイトゴールドフルーテッドベゼル(レッドアロー LE 88&アンヴェイルド シークレット LE 58)/18Kライムゴールド(アンヴェイルド シークレット LE 18)
文字盤色: ブラックオパーリンダイヤル(レッドアロー LE 88)/スケルトン(アンヴェイルド シークレット LE 18&58)
インデックス: アラビア数字・プリント(レッドアロー LE 88)/アラビア数字・アプライド(アンヴェイルド シークレット LE 18&58)
夜光塗料: ベージュのスーパールミノバ、グリーンに発光(レッドアロー LE 88)/グリーンのスーパールミノバ(アンヴェイルド シークレット LE 18)/ブルーのスーパールミノバ(アンヴェイルド シークレット LE 58)
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ベージュステッチのブラックアリゲーターストラップ、ポリッシュ仕上げのSS製ダブルデプロワイヤントバックル(レッドアロー LE 88)/エクリュステッチのグリーンアリゲーターストラップ、ライムゴールド製ピンバックル(アンヴェイルド シークレット LE 18)/ブルーステッチのブルーアリゲーターストラップ、SS製ピンバックル(アンヴェイルド シークレット LE 58)
ムーブメント情報
キャリバー: マニュファクチュール MB M13.21(レッドアロー LE 88)/マニュファクチュール MB M16.26(アンヴェイルド シークレット LE 18&58)
機能: 時、分、秒、モノプシャー クログラフ(レッドアロー LE 88のみ、タキメーターとテレメーター)
直径: 29.5mm(レッドアロー LE 88)/37.5mm(アンヴェイルド シークレット LE 18&58)
厚さ:6.4mm(レッドアロー LE 88)/7.05mm(アンヴェイルド シークレット LE 18&58)
パワーリザーブ: 60時間(レッドアロー LE 88)/50時間(アンヴェイルド シークレット LE 18&58)
巻上げ方式: 手巻き
振動数:1万8000振動/時(2.5Hz)
石数: 22(レッドアロー LE 88)/26(アンヴェイルド シークレット LE 18&58)
クロノメーター認定: モンブラン ラボラトリーテスト500時間
その他仕様の詳細: コラムホイール、水平クラッチ、239点の部品、ねじ込み式テンプ(11.4mm)、フィリップス外端曲線ヒゲゼンマイ(レッドアロー LE 88)/調速機構、輪列、プレートがダイヤル側から見える反転式ムーブメント構造、コラムホイール、水平クラッチ、273点の部品、ねじ込み式テンプ(14.50mm)、フィリップス外端曲線ヒゲゼンマイ(アンヴェイルド シークレット LE 18&58)
価格&発売時期
価格: 386万4850円(レッドアロー LE 88)/603万9000円(アンヴェイルド シークレット LE 18)/422万7300円(アンヴェイルド シークレット LE 58)。すべて税込時価
限定数: あり。88本(レッドアロー LE 88)/18本(アンヴェイルド シークレット LE 18)/58本(アンヴェイルド シークレット LE 58)
詳細は、モンブラン公式サイトをクリック。
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