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Introducing ブレゲが静かに発表した驚異的なミニッツリピーター搭載するRef.7365と、懐中時計のクラシック グランソヌリ メティエダール 1905

ブレゲの250周年記念を締めくくる主要なリリースの影に隠れているにもかかわらず、このふたつの印象的な新作は注目に値する。

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我々が知っていること

2025年12月を迎えるにあたり、ブレゲが250周年記念の祝典を終えていないことはかなり広く知られていた。以前にも言ったが、もう1度言おう。ブレゲは今年、快進撃を続けており、彼らの最終発表を見るためにパリにいたとき、彼らは大発表の前夜にふたつの新作で私たちを驚かせた。ある種、前菜のようなものではあるが、信じられないほど印象的なものであり、ブレゲは本当に魅力的な2本のチャイミングウォッチを発表した。まず、新しいクラシック ミニッツリピーター Ref.7365だ。これは直径39.1mm×厚さ10.8mmの18K“ブレゲゴールド”ケースに、ブルーのグラン・フー エナメルダイヤルのシークレットサイン、そしてマッチするゴールドアプライドの“ブレゲ数字”を備えている。

Breguet 7365

 コンパクトなケースのフレームは長く下向きで、より先細りになったラグを持つ新しいクラシックなケーススタイルを特徴としており、ケースには250周年記念モデルで使用された“ケ・ド・ロルロージュ”が施され、30mの防水性を備えている。内部には新しい手巻きCal.1896を搭載しており、これは生産終了となるCal.567.2に取って代わるものだ。単に同じキャリバーをゴールドで作り直しただけでない。チームは新しいシリコン製脱進機を含むキャリバーの35%以上が新しいものだと私に語った。ゴングはホワイトゴールド製で、ブレゲゴールドで金メッキが施され、ケースに直接取り付けられている。

Breguet 7365

 ムーブメントは3本のブリッジデザインを持ち、ブリッジにはパリにインスピレーションを得たモチーフが手彫りされている。さらに重要なことに、この時計は75時間のパワーリザーブと、新しくアップグレードされた2万1600振動/時の振動数を備えている。また、この時計は新しいブレゲ・シールにより、日差±2秒の精度を保証されている。実際には分のチャイムが早く鳴っているように感じられたが、これは単にモデルの調整特性であり、仕様内であった(振動数の20%増加とは関連していない)。

Breguet 7365

 さらに予期せぬことだったが、信じられないほど印象的で魅惑的だったのは新しい懐中時計、クラシック グランソヌリ メティエダール Ref.1905の発表だった。これはミニッツリピーターを備えたグランド&プチソヌリで、ワンミニッツトゥールビヨンによって調速されており、PVDブルーが施されたブリッジとハンマーが見えるようになっている。ケースはホワイトグラン・フー エナメルダイヤル、時とブランド名を表示するためのブラックプチ・フー エナメル数字とシークレットサインを備える、ケ・ド・ロルロージュ模様のギヨシェがあしらわれたレギュレーター仕様のダイヤルと対比されている。時計全体は、ほかのすべての記念リリースと同様に18Kブレゲゴールドでケーシングされており、サイズは直径56.5×厚さ23.5mmで重さは約400gだ。

Breguet 7365

 キャリバーは素晴らしく、新しいCal.508GSである。これはロジウムメッキが施された真鍮製のプレートとブリッジを基調とし、ロジウムメッキが施された18Kブレゲゴールド製のチャイム用香箱ブリッジには“プチ・トリアノン”モチーフが手彫りでギヨシェ加工され、18Kブレゲゴールドの識別プレートが付いている。時計は2方向巻き上げ式で、ひとつは計時のため、もうひとつはグランド&プチソヌリのためであり、ボタンで時刻設定を行う。時計にはグランド(時と四半時をチャイミング)、プチ(時のみをチャイミング)、そしてサイレントの3つのモードがある。調速機は1万8000振動/時で動作するワンミニッツトゥールビヨンで、可変慣性テンプと、ブルースティール製で、(外側の端が内側にカーブした)ブレゲひげぜんまい、そして15枚の歯を持つスイス式レバー脱進機を備えている。

 最大の特徴は、チャイミング用の計時調速機だ。ブレゲはここでソヌリ機能のテンポのために磁気調速機を使用しており、タイミングの一貫性を確保している。回転するアームが、調速機の両側の磁石のネットワークのあいだに位置している。アームが回転すると、1851年に発見されたフーコー電流のような電流ループが生成される。この電流は磁石のネットワークの磁場に反発し、設定された速度でシステムを平衡させる電磁ブレーキを生成する。

Breguet 1905
Breguet 1905
Breguet 1905

 私が見せられたサンプルは、エナメルで覆われたギヨシェをあしらったケースフロント、上に示すように中央にブレゲの“B”、さらに裏側に美しく描かれたエナメル細工を備え、250周年記念スタイルにより近い装飾が施されたムーブメントとケースを特徴としていた。ムーブメントはよりカラフルで、3次元的な手仕上げの技法を組み合わされている。

 しかし下に見るように、ベースムーブメントは伝統的なコート・ド・ジュネーブ装飾も施されている。これは本作がブランドのメティエダール作品であり、受注生産かつ数量限定、さらにブランドとの相談によって全面的な仕上げの指定が可能になっている。

Breguet 1905
Breguet 1905

 最後に言及する価値のある点は、この懐中時計のボックスはマリー・アントワネットが愛したカシの木の一部で作られているということだ。この木は1681年にベルサイユ宮殿に植えられ、1999年の嵐で枯れたあと2005年に伐採されたものであり、さらにベルサイユ宮殿のマルケットリー フランス館(Marquetry French Pavilio)と寄木細工の床材も使用されている。

 この複雑機構を備えた懐中時計は、年間わずか数点のみの生産にとどまる見込みで、価格はリクエストによる(基本価格は共有されていない)。クラシック ミニッツリピーター Ref.7365は250周年記念として25本の限定で、価格は4711万3000円(税込)だ。


我々の考え

もしこれらがブレゲが2025年を締めくくるための唯一のリリースであったとしても、彼らはすでに、コレクターのあいだでブランドが再び大きな注目を集めるのに役立った、羨ましいほどのリリースを数多く残したことは間違いないだろう。クロノグラフ、トゥールビヨン、特殊な脱進機など、その作品は多岐にわたっている。そう、そして彼らは片手を後ろで縛った状態(あるいは少なくともダイヤル上ではない状態)で、GPHGで金の針賞を獲得したのだ。したがって、ふたつの新しいチャイミングウォッチはコレクションを締めくくる完璧な方法のように思われる。

 有名なヴァンドーム広場のブティック(ブランド発祥の地からほど近い)の賑やかな雰囲気のなかでも、Ref.7365はとても素敵に響いた。これを書いている時点で、私はより静かな状況で再度時計を見て写真を撮るまで、最終的な判断は保留する。ケースの着け心地はきわめて良好で、直径39×厚さ10.8mmのサイズは、カテドラルゴングを備えたマイクロロータームーブメントを持つパテックのRef.5178Gよりもわずかに小さく、わずかに厚い(ただしRef.5178Gは約30万ドル、日本円で約4600万円も高い)。全体として多くの価値があると感じ(約4700万円の時計としては)、ゴージャスに見える。

Pocket watch

 しかしなんてことだ、あの懐中時計は。ブレゲがそのさまざまな変遷と、所有者を通じて真に名声を確立したのはこの分野だ。20世紀初頭から中期にかけての最も興味深い懐中時計のいくつかは、特別なコレクターのためにブレゲによって作られた並外れたピースだった。現代の市場において、その歴史の一端が顧みられないまま時が流れることは驚きではなかっただろうが、少々残念なことだろう。実物を目の当たりにして私は圧倒された。繰り返すが、特にその技術的完成度から、さらに語り尽くす価値のある時計だ。だから間違いなく、今後の記事で、この件についてさらに掘り下げていくつもりだ。


基本情報

ブランド: ブレゲ(Breguet)
モデル名: クラシック ミニッツリピーター Ref.7365/クラシック グランソヌリ メティエダール Ref.1905(Reference 7365 Minute Repeater and Reference 1905 Classique Grande Sonnerie Métiers d'Art)
型番: 7365BH/2Y/986/1905BH/2H

直径: 39mm(腕時計)/56.5mm(懐中時計)
厚さ: 10.8mm(腕時計)/23.5mm(懐中時計)
ケース素材: 18kブレゲゴールド
文字盤色: シークレットサイン入りのブルーグラン・フー エナメル/ブレゲゴールドにエナメルとギヨシェ (オプションの例として)
インデックス: ブレゲゴールド製アプライドの“ブレゲ数字”(腕時計)/エナメル製“ブレゲ数字”
夜光: なし
防水性能: 30m(腕時計)/なし(懐中時計)
ストラップ/ブレスレット: ブレゲゴールド製3つ折りDバックル付きのアリゲーター(腕時計)/ブレゲゴールド製時計チェーン(懐中時計)

Breguet 7365

ムーブメント情報

キャリバー: 1896 (腕時計)
機能: 時・分表示、ミニッツリピーター(腕時計)/時表示、センターミニッツ、トゥールビヨン、ミニッツリピーター、グランド&プチソヌリ(懐中時計)
パワーリザーブ: 75時間(腕時計)/56時間、またはグランソヌリモードで36時間(懐中時計)
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 2万1600振動/時(腕時計)/1万8000振動/時(懐中時計/チャイムの磁気調速機付き)
石数: 30(腕時計)/43(懐中時計)
クロノメーター認定: なし、ただし腕時計はブレゲ・シール精度 (±2秒)
追加情報: 腕時計は専用の共振ボックスに入れて配送される。懐中時計のボックスは、1681年にベルサイユ宮殿に植えられ、1999年の嵐で枯れたあと2005年に伐採されたマリー・アントワネットが愛したカシの木の一部、さらにベルサイユ宮殿のマルケットリー フランス館(Marquetry French Pavilion)と寄木細工の床材から作られている


価格&発売時期

価格: 4711万3000円 (税込/腕時計)/価格は要問い合わせ(懐中時計)
発売: 現在、一部のブティックで。
限定: 腕時計は25本の限定版/懐中時計はメティエダール特注品で年間約2〜3個の生産予定

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