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我々が知っていること
「レ マスト ドゥ カルティエ」のモノクロームな外観や「タンク」ソーラービート™の実直なスタイルとは異なり、これらの新作ではカルティエが初採用した電解エングレービング技術により、ダイヤルに極めて微細な装飾が施されている。
ダイヤルにさまざまな角度からエングレービングを施した結果、光の加減でダイヤルの一部の質感が現れては消える、複雑な視覚的効果が生まれた。この落ち着いたデザインは、1980年代の「レ マスト ドゥ カルティエ」に見られたグラフィカルなパターンを彷彿とさせるものだ。一見すると、それぞれのダイヤルに複数の色調があるように見えるが、これはエングレービングの特性によるものだ。
レッドダイヤルはラッカー仕上げ、アンスラサイトグレーダイヤルはガルバニック加工(亜鉛メッキ)に仕上げられた。両モデルとも、ダイヤルカラーとマッチしたレザーストラップが付属。クラシックとミニマルの中間に位置するこのモデルは、12個のローマ数字インデックスを廃し、4つのインデックスに変更してミニッツトラックも廃した。これら2種類の新しい「タンク」は、今年の9月に発売される予定だ。
このふたつのモデルに加え、カルティエはお馴染みの「レ マスト ドゥ カルティエ」のデザインに沿った、イエローゴールドに漆黒のミニマルダイヤルを持つ「タンク LC」も発表している。そちらについては、「タンク ルイ カルティエ」コレクションの新作モデルについての記事で別に紹介する。
我々が思うこと
カルティエのような老舗メゾンにとって、このようなハイテクを前面に押し出したダイヤルデザインは、アバンギャルドと呼ぶにふさわしいものだ。そして、私はそれを歓迎したい。プレス写真で見ただけなので、実際にどのように見えるのか今から興味津々だ。
腕時計のダイヤルには様々な工夫ができるものだが、「タンク」の場合、カルティエの基礎となるモデルとしてのDNAを失わないようにすることが非常に重要だ。カルティエは、「タンク LC」の伝統を1ミリも犠牲にすることなく、2020年代を真正面から捉えたと言える。
カルティエから“電解”という言葉が飛び出すと思わなかったが、それ以前は非動物性素材を使用したストラップにソーラーパワーで動く「タンク」を見ることになるとも思わなかった。
私の考えでは、カルティエはより若い時計購入者にターゲットを絞っているが、それはTikTok時代にはスマートなやり方だ。興味深いモダンなダイヤルデザインと持続可能な時計製造によって顧客をエコシステムに取り込み、ブランドの歴史を学んでもらい、生涯顧客として定着してもらう方がいいからだ。
これらの時計で私が気に入っているのは、レッドダイヤルはイエローゴールド、アンスラサイトグレーはローズゴールドと、両モデルともプレシャスメタルケースに統一したことだ。私にとって「タンク」は金無垢の時計であるべきなので、カルティエの英断に感謝したい。
しかし、ローマ数字を4つに減らしたことで、私の目には少しファッションウォッチ的に映っている。カルティエのローマ数字は非常にアイコニックな意匠なので、私はダイヤルが広告どおりにクールなら喜んで看過するが、ひょっとすると物議を醸すかもしれない点だ。実際には単色を用いながら多彩な階調を持つように見えるエングレービングダイヤルを創り出す技術力...まあ、それだけでも興奮するに値するだろう。
基本情報
ブランド:カルティエ(Cartier)
モデル:タンク ルイ カルティエ(Tank Louis Cartier)
直径:LMサイズ(33.7mm×25.5mm)
厚さ: 6.6mm
ケース素材:イエローゴールド(レッドダイヤル)、ローズゴールド(アンスラサイトグレーダイヤル)
ダイヤルカラー:レッドまたはアンスラサイトグレー
インデックス:ローマ数字
夜光塗料:なし
ストラップ/ブレスレット:レッド、またはグレーのアリゲーターレザー
ムーブメント情報
キャリバー: 1917 MC
機能:時、分、秒
直径:16mm
厚さ:2.9mm
パワーリザーブ:約38時間
巻上げ方式:手巻き
振動数:2万1600振動/時
石数:19
クロノメーター公式認定:なし
価格&発売時期
価格:158万4000円(税込予価)
発売時期:2022年9月
限定モデル:通常生産品