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今朝、HODINKEEのバックヤードからエキサイティングなニュースが飛び込んできた。フィリップスが、バックス&ルッソ(Bacs & Russo)と共同で今年初めてニューヨークで春にオークションを開催すると発表したのだ。このイベントは2022年6月11日から12日にかけて、パークアベニュー432にある同社のアメリカ本社で開催される予定だ。
2017年以降、フィリップスは香港とジュネーブでの2回ずつに加え、毎年年末、12月にニューヨークで時計オークションを開催している。毎年恒例のオークションにニューヨークの2回目が加わったことは、時計オークション界における現在の勝者が、ニューヨークシーンをいかに真剣に受け止めているかの表れであり、歓迎すべきアップデートと言えるだろう。ニューヨークはジュネーブや香港の伝統的な大物オークションに比べるとやや成熟度の低い市場と考えられているが、年に2回ニューヨークにしっかりと足を踏み入れることで、フィリップスは状況が変わり始めていることを示唆しているのだ。
このシフトは、2017年にロレックスのポール・ニューマンの"ポール・ニューマン" デイトナがニューヨークで当時、記録的な1775万ドル(約20億円)もの価格で落札され、フィリップス初のニューヨークでライブオークションの洗礼を受けたを皮切りに、同社が毎年12月のニューヨークオークションで宣伝効果の高いロットを継続的に投入していることが一因と言えるだろう。その後、ジャック・ニクラウスのロレックス デイデイト、マーロン・ブランドのロレックス GMTマスター(映画『地獄の黙示録』でつけたもの)、スティーブ・マックイーンのホイヤー モナコ、そしてもちろん、ティファニー・ブルーのパテック フィリップ ノーチラス5711などの大物が落札された。いずれも時計以外の文化にさまざまな形で関わりを持ち、かつては地味だった時計オークションの世界が大きな注目を集めることになった。
そして、2022年6月上旬のオークションも期待を裏切らないものになりそうだ。160本のタイムピースのフルカタログが数週間後に公開されるまで待つ必要があるが、フィリップスはいくつかのハイライトピースを予告している。ジョージ・ダニエルズのアニバーサリーウォッチ、F.P.ジュルヌがジョージ・ダニエルズに贈ったクロノメーター・スヴラン、そして有名なホイヤー カレラ3647Nを含むアメリカの俳優ジェームズ・ガーナー(James Garner)のコレクションピースなど。なお、ダニエルズのアニバーサリーウォッチの売上の一部は、ジョージ・ダニエルズ教育信託、英国時計製造者連合、ニューヨーク時計協会に寄付される。
ジュルヌがダニエルズに贈ったクロノメーター・スヴランが、突然市場に戻ってきたのは興味深いことだ。これは2021年5月にクリスティーズ香港で325万香港ドル(約41万4602ドル、約5100万円)で落札されたものだ。ジュルヌが2010年にダニエルズに贈ったこの時計は、ムーブメントに“FP to George Daniels my Mentor 2010”と刻まれている。ダニエルズは残念ながら翌年に亡くなり、このユニークなクロノメーター・スヴランは、2012年にロンドンのサザビーズで行われたダニエルズの遺品のオークションで初めて競りにかけられ、4万4450英ポンド(約7万1101ドル、約870万円)で落札された。
ニューヨークオークションは、2022年5月6日から8日までスイスの文化都市で開催されるテーマ別のオーデマ ピゲ ロイヤル オーク50周年記念オークションとフィリップス ジュネーブ ウォッチオークション XVのあとに行われる予定だ。
また我々は2022年6月11日~12日にニューヨークで開催されるすべてのイベントをライブでお届けする予定だ。
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詳しくはフィリップスの公式サイトで。
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