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最近オメガは、マイアミで複数の新作を発表した。深海に潜るウルトラディープや、ますますカラフルになっていくアクアテラ、それにスピードマスター。そのなかでひときわ異彩を放つモデルがこの新しいCK 859だ。明るく賑やかなスポーツウォッチが溢れる会場で、このクラシカルで比較的控えめなモデルは、その繊細さゆえに際立っていたのだ。
もちろん、ビッグダイバーズや鮮やかなダイヤルは常に注目の的だが、昔懐かしいデザインを好む僕のような者にとって、CK 859はオメガの過去のデザインの輝きと現代の時計製造の卓越性を融合した魅力的なモデルなのだ。
これはCK 859シリーズのなかでも、多くの点でヴィンテージモデルの復刻版と言えるだろう。手巻き、直径39mmのスティールケース、20mmのラグ幅、30m防水、そして1930年代にインスパイアされた美しいセクターダイヤルは、Ag925シルバーで作られている。青焼き針と反射防止加工を施したサファイアクリスタルを前面に配したCK 859は、厚さ11.7mm、ラグからラグまでの全長が46.2mmとなっている。
ヴィンテージCK 859の通常サイズ37mmからわずかにサイズアップした2022年版のCK 859は、手巻きケースとスモールセコンドを備えた1939年のオメガの時計から直接インスピレーションを得たものだ。よく似た外観を持ちながら、CK 859はシルバーダイヤルの明るいカラーリングとムーブメントのノーデイト表示が特徴となっている。
CK 859はオメガのCal. 8926を搭載している。この手巻きムーブメントは、振動数3.5Hz、二重香箱による72時間のパワーリザーブ、フリースプリング式テンプ、そしてオメガのコーアクシャル・エスケープメントを搭載している。オメガの現在の多くのラインナップに共通することだが、8926はMETAS認定のマスタークロノメーターであり、1万5000ガウスまでの磁場に耐えることが可能だ。
ムーブメントは広く開かれたケースバックから見ることができる。巻き上げローターがないため、ムーブメントの構造やロジウムプレートとアラベスク模様のコート・ド・ジュネーブ装飾など、仕上げをかなりよく見ることができるのだ。
CK 859を腕につけると、期待に違わず控えめで、予想通りの快適さだ。カジュアルでありながらヴィンテージの美学に寄り添い、ギミックや過剰な演出を感じさせない、配慮の行き届いたデザインになっている。僕ならもっとナチュラルな色のストラップかレザーのNATOを選ぶと思うが、ストラップとバックルは通常のオメガの品質といえる。39 x 46.2mmというサイズのCK 859は、僕の7インチ(約17.8cm)の手首にとてもよく馴染む。モダンなオメガの技術が欲しいけれども、最も伝統的な(そして趣味の良い)パッケージを望むなら、CK 859はその条件を満たし、さらにそれ以上のものを与えてくれる。
サテン仕上げのラグとポリッシュ仕上げのベゼルのミックスは、セクターダイヤルを支える複雑さを加味している。日の光の下ではシルバーは温かみのある色合いで、非常に繊細なマット仕上げに見える。ペイントされた文字盤のデザインは、そのままでは平坦に見えたかもしれないが、サブセコンドを表示するサブダイヤルによって奥行きを感じさせている。
針は光を受けると鮮やかなブルーに見えるが、通常はよりダークな色味だ。しかし明るい色調の文字盤とセクターレイアウトのおかげで視認性は抜群で、ヴィンテージ風のダイヤルサインに至るまで、全体的にオールドスクール的な雰囲気を醸し出している。
オメガに限ったことではないが、興味深いのはCK 859がシリアルナンバー入りモデルとして生産されており、各個体には製造順に個別の番号が振られている点だ。この写真に写っているのは? No.0だぜ、ベイビー。これはクールだと思う。
オメガはCK 859を税込82万5000円で販売しており、この価格にはもちろんブランドの5年保証が含まれている。この価格設定は、39mmのジャガー・ルクルトのマスター・コントロール・デイト (現在は生産中止、当初は69万8500円)など、緩やかに類似した他のオプションと並ぶものだ。
同じような外観でもっとお値ごろのものをというなら、ロンジンのヘリテージ クラシック セクターダイヤルなら28万円台からある。スォッチファミリー系列だ。しかし、シルバーの文字盤とオメガの印象的なムーブメントは、僕にとってCK 859の魅力の大きな部分を占めている。もし、何らかの理由でもっとお金をかけたいのであれば、パテック フィリップの5296Gや、ヴァシュロン・コンスタンタンのフィフティーシックス(145万円台から発売されているモデル)をお勧めしたい。
CK 859は、オメガの歴史と現代の時計メーカーとして何を提供してきたかを知る顧客にアピールするために、市場に上手く投入されたと言えるだろう。快適なプロポーションに、格好良さと汎用性のあるデザインがマッチしたCK 859は、手巻きで過去のオメガのヴィンテージな魅力を再現し、現代のオメガに期待されるすべてのものを映し出している。
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