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ラドーのオリジナルヴィンテージダイバーズウォッチであるキャプテン クックが復活して5年。37mmケースで限定発売されたこの時計は、その後、ケースサイズ、素材、ダイヤルカラーを多様化し、幅広いラインナップを展開するようになった。今月初め、ラドーはキャプテン クックファミリーで最も印象的なバリエーションとなるオーバーポール(Over-Pole)ワールドタイムを発表した。
もともとオーバーポールは1960年代のキャプテン クックから派生したモデルで、ケース形状や防水性能は同じだ。2022年の新しいキャプテン クック オーバーポールもその点は同様。クラシックなルックスに加え、新作では、ワールドタイムというジャンルに興味深くかつ手頃な価格で挑戦しており、着実に増え続けるラドーのヴィンテージ風デザイン群にうまく収まっている。ラドーの時計メーカーとしての魅力は、その先進的な素材やデザインによるところが多いが、オーバーポールのような時計は、それとはまったく異なる魅力を持っている。
私はキャプテン クックが2017年にデビューしたときからのファンだった。実は私が初めて所有した4桁ドルの時計で、学部卒業後に自分へのご褒美として購入したのだ。当時、すでに時計のメディアで仕事をしていたので、自分へのプレゼントとして時計は適切なものだと思った。スキンダイバーに近い外観は、同価格帯の時計よりも(よりよいムーブメントやより高級な素材はもちろんのこと)これまでになく魅力的だと感じたのだ。
それから5年、私の小さな37mmのキャプテン クックは、毎月数回はこの腕につけられた。コンケーブベゼルとクルクルと回る錨のロゴの魅力は、今も衰えていない。しかし、オリジナルの限定商品の純粋さが薄れるようなリリースが何年も続き、私のなかでこのコレクションへの興味がやや薄れてしまったことは認めざるを得ない。
オーバーポールは、その点ではちょっとした軌道修正と言えるだろう。あまり知られていないヴィンテージウォッチを、クールな雰囲気と実に興味深い機能性を持たせて蘇らせたのだ。ジェイソン・ヒートンを魅了した37mmのサイズはそのままに、80時間のパワーリザーブとサファイアクリスタルのシースルーケースバックを備えている。
私が知る限りオリジナルの時計は自動巻きだったので、手巻きにするという決断は予想外だったが、歓迎すべきことだった。キャプテン クックのソリッドケースバックに刻まれた "kissing seahorse "のエングレービングに常に愛着があるとしても、初心者コレクターや熱心な愛好家は手巻きのディスプレイケースバックを評価することができると思うのだ。自動巻き上げを可能にするローターを取り除いたのは、厚みを減らすためかもしれない。厚さわずか10.3mmのオーバーポールは、驚くほどすっきりしている。また、ラグからラグまでも43mmと手頃なサイズだ。
このムーブメントは12時間積算計を搭載しており、セラミック製ベゼルにレーザーで刻まれたシティスケールと、ユニークなファセットが施された12のアプライドマーカーと外側の24時間マーカーを組み合わせることで、ワールドタイム表示を実現している。両方向回転ベゼルに表示された現在のタイムゾーンと時針を合わせるだけで、24のタイムゾーンの時刻を1時間単位で素早く表示することが可能だ。オーバーポールのベゼルエッジは、標準仕様のキャプテン クックと同様、握りやすいセレーション加工が施されているのもうれしい。
ラドーはこの初回リリースのあと、2017年の初代キャプテン クックのときのようにさまざまなカラーを生産する可能性は常にあるが、今回の限定モデルの文字盤はなかなかだ。文字盤中央のグレーから周辺部のブラックへと変化する、興味深いグラデーションの美しさがある
2400ドル(約31万円)という価格は、スタンダードな37mmのキャプテンクックに比べ500ドル高いだけで、依然としてリーズナブルだ。もしあなたがキャプテン クック・コレクションに魅了されているのなら、このオーバーポールは、本当の歴史を持つ興味深いモデルを所有するチャンスだと思う。このモデルは1965本の限定生産でシリアルナンバーが入り、今現在ではHODINKEEショップでのみ購入することができる。