trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag

Second Opinions 4時半位置のデイト表示が実は最高のデイト表示かもしれない

ニュースを作っているのではない、単なる報告だ。

最近ではあまり見かけなくなったが、日付表示窓は、どこに設けても、自らを本格的な時計愛好家と考える人たちには、軽い嫌悪感から憤りまで、必ずと言っていいほど物議を醸すものである。

ADVERTISEMENT

 ときには、その嫌悪感が、感情的でない嗜好に過ぎないこともある。私は朝のコーヒーに砂糖を入れるのが好きではないが、ボデガ(bodega)の店員がたまたま小さじ1杯入れたとしても、それで終わり、というようなものでもない。私は彼がそうしないことを望むが、それでも私はそれを飲むだろう。そしてそれは多くの人々にとってのデイトウィンドウと同様である。日付表示窓は、販売数が示すように、多くの、もしかしたらほとんどの時計愛好家に好まれているものだが、マニアックな層にはやや迷いがある。しかし、ロレックスのサブマリーナーやオメガのシーマスター、セイコー のダイバーズ SKX007などは、日付窓があるからこそ、長年愛される時計になったのだ。

 デイトウィンドウ以上にマニアが気になるのは、偏った配置の日付窓で、4時半位置のものほど怒りを買うものはないようだ。なぜそうなのか、私にはわからない。デイトウィンドウはどこかに配置せねばならず、3時位置が割と一般的であるものの、ムーブメントや文字盤のデザインによっては、3時位置が必ずしも理想的とは限らない。

 ここで、日付表示の複雑な仕組みについて考えてみよう。最もシンプルなものは、そう、極めてシンプルな仕組みになっている。1から31までの数字がプリントされた、内周に歯車の付いたディスクがある。1日1回、午前0時前後に、時針で回転する歯車に指をかけて、日付ディスクを機能させる、つまり、ひとつ分進めるのだ。瞬時切り替え機構を搭載することでさらに複雑にすることも可能だが、基本的な原理は変わらない。

vacheron constantin 222

ヴァシュロン・コンスタンタン ヒストリーク 222、Watches & Wonders Genevaにて。

 さて、実際にはムーブメントによっては、日付窓の表示をそれほど大きく動かすことはできない。日付窓の大きさはムーブメントの大きさによって決まり、例えばETA 2892A2の日付ディスクは、どのムーブメントに搭載されてもほとんど同じものになる。もちろん、異なる書体が使われていることもあるが、その位置は基本的に同じで、もしディスクが3時の方向に数字が正しく配置されるように印刷されていれば、神が小さな青リンゴを作ったように、3時の位置に日付窓が現れる。なぜなら、文字盤の中心からの距離はムーブメントに組み込まれているからであり、もし日付窓を文字盤の端に寄せたり、遠ざけたりしたければ、基本的には時計全体を大きくするか小さくするしか方法はない。このため、大きなケースに小さなムーブメントを搭載し、日付窓を文字盤の中心に近づけすぎると、見た目のバランスが悪くなり多くの愛好家のあいだで嫌われ者になっている。

ADVERTISEMENT

 デフォルトでは、デイトウィンドウは3時位置が大半を占めている。これのいいところは、一桁の数字にも二桁の数字にも対応できる高さと幅を持った窓ができることだ。欠点は、3時位置にあって欲しいもうひとつのものが、3時位置のアワーマーカーであること。この矛盾に対する解決策はいくつかあるが、どれも完璧とは言えない。ひとつは、日付窓を3時の目印にする方法ですが、時計のサイズによっては実際のアワーマーカーの一部を切り取ることになり、見た目がやや不格好になる可能性がある。また、時計のサイズやムーブメントのレイアウトによっては、アワーマーカーを完全に省略することが可能な場合もあるが、そうでない場合も多い。

Heuer 1153N

ホイヤー 1153N。6時位置の日付窓は本当に身を乗り出すようだ。

  また、あまり見かけないが、6時位置に日付窓を配置するのも一般的な解決方法だ。これは3時位置の日付窓よりも文字盤がシンメトリーに保たれるものの、一般に日付窓の高さが幅よりも高くなり、視認性としては理想的ではない。また、アワーマーカーと日付窓の配置や省略という点では、ここでも同じような問題がある。6時位置のデイトウィンドウは、視認性の観点からは難しい縦横比になるが、3時位置の日付窓よりも調和のとれたアワーマーカーになることは利点と言える。決断には責任が伴うものである。

 さて、ここで私は、4時30分の日付表示窓が真価を発揮すると思うのだ。

Zenith El Primero Revival G381

ゼニス クロノマスター リバイバル エル・プリメロ G381

 最もよく知られているのはゼニスのエル・プリメロで、この配置の長所と短所は明らかだ。3時や6時に配置した場合の利点は、アワーマーカーが途切れることがなく、一桁と二桁の両方の日付が快適に入る縦横比を保つことが可能な点。ただ、4時30分位置になると、22分、23分あたりのマーカーが切れてしまうのが難点だが、22分と23分のあいだに時刻を合わせようとしたときに不便なだけなので、トレードオフとしては妥当なところだ。注目すべきは、エルプリの場合、クロノグラフのサブダイヤルをそこまで大幅にカットすることなくウィンドウを置くことができる他の場所はなく、唯一12時位置で可能なのだが、12時のマーカーとゼニスのロゴをカットしてしまうことになる。

zenith G381 Revival in gold

 このように考えると、4時半の日付窓は、デザイン的に悪いというよりも、必然的に生まれた優れたデザインであり、他のどの選択肢よりも視認性を維持し、さらに、文字盤デザインのバランスとダイナミックさを保っているように思われる。私は、ファンだ。

Shop This Story