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我々が知っていること
テニスファンにとって、一年で最も楽しい季節がやってきた。選手たちは文字通りテニスシューズを履き、ローラン・ギャロスのクレーコートはテレビを席巻し、ウィンブルドンは目前に迫っている。
全仏オープンの優勝者が誰になるか見守りながら、テニスにインスパイアされた魅力的な時計がラケット(Racquet)の友人によって開発されたという知らせを受けた。
ラケットは、テニスに特化した若いメディア企業で、季刊の雑誌を主力としており、テニス編集の世界を完全に覆した。2016年に出版社勤務のケイトリン・トンプソン(Caitlin Thompson)氏と編集者のデビッド・シャフテル(David Shaftel)氏によって設立された同社は、ディテールに焦点を当てたデザイン主導のストーリーテリングというアプローチで、すぐに我々のチームの注目を集め、以来ずっとファンであり続けている。
そして、私は彼らのファンではあったが、彼らからコラボレーション限定時計のニュースが来るとは思ってもみなかった。しかし、テニスファンと時計愛好家のクロスオーバーを考えれば、この新しいラリーマスター(Rallymaster)は非常に理にかなっている(昨年8月、ノバク・ジョコビッチ選手のウォッチスポンサーも話題になった!)。
ラケットがラリーマスターのために選んだ時計メーカーもまた非常に理にかなっており、出版社のリサーチが行き届いていることを示している。チューリッヒに拠点を置く独立経営のモーリス・ド・モーリアックが製作した時計にはあまり見かけることはないが、同社が2019年にリリースした、引退したテニス(とテニスシューズ)のレジェンド、スタン・スミスとのコラボレーションデザインによって製作したスタン・スミス シグネチャー ウォッチは取り上げずにはいられなかった。
ラリーマスターは、テニスにインスパイアされた魅力的でスマートなデザインのタイム&デイトの自動巻き時計で、テニスから得たインスピレーションを、やりすぎず、ダブルフォルトすることなくデザインに実現している。グラフィックが人目を引くが、考え抜かれた小さなディテールに溢れており、思わず見入ってしまうほどだ。
ダイヤルには、ローラン・ギャロスの有名なレッドクレーコートをイメージした、ダスティピンクのグレイン状の加工が施されている。ラウンドアプライドのマーカーには、スーパールミノバの美しいライトグリーンが施され、これは世界中のテニスボールに使われている明るい色に似ている。ダイヤルの「ラリーリホート」部分には、経過時間を4分割する目盛りが付いている。
3時位置には拡大鏡付きの日付窓、9時位置にはブルズアイ仕上げのスモールセコンドがあり、テニスプレイヤーが1回のサーブにかけられる時間を20秒単位で3分割して表示する、アシンメトリーな文字盤の配置が特に気に入っている。このスモールセコンドは、昔のヨットタイマーやヴィンテージクロノグラフに見られる「公衆電話タイマー」のようでもあり、さまざまなスポーツシーンに対応するものだと思う。デイトホイールのフォントも、ヴィンテージウォッチに見られるさまざまなフォントから直接インスピレーションを得た、ジョナサン・フーフラーのDecimalタイプフェイスを採用している。
ヴィンテージウォッチのデザイン要素がラリーマスターに多く取り入れられていることに驚いただろうか。私もそうだ。ラケットは、時計とテニスをこよなく愛し、ニューヨークの多目的スタジオReunion Goods & Servicesを主宰するカールトン・ドウディ(Carlton DeWoody)氏に、ラリーマスターのコンセプト開発とデザインを依頼した。ドウディ氏は、時計コレクターが好む難解で微細な感覚を取り入れると同時に、ハイソで派手と思われがちなテニス文化にもアピールするようにバランスをとった。
本機は39mm×12mmのステンレススティール製で、40本の限定生産、価格は1950ドル(約25万円)。ラケットのeコマース・プラットフォームのみで予約販売される。ETA 2824-2と同様の構造を持つ、シンプルで扱いやすいスイス製自動巻きムーブメント、Landeron 24を搭載している(このムーブメントを製造するLanderon社は、スイスの歴史的なクロノグラフムーブメントメーカーとは何の関係もない)。
この時計は今年7月に納品予定で、ラケットブランドのピンクのテニスボールとヴィンテージ風のスティール製メッシュブレスレット、そしてクイックリリーススプリングバーを備えた2ピースのファブリックストラップが付属するスペシャルボックスに収められている。
我々が思うこと
大のテニスファンであり、熱心なラケットの読者である私がラリーマスターのファンになり、自分用に1本購入しようと思っても不思議はないだろう。ラケットが自社のブランドを使ったイージーなホワイトレーベルデザインを発表し、それで終わりにするのは簡単だったはずだ。だから私は彼らが本当に面白く、思慮深い時計デザインを採用したことを誇りに思う。
また、私は純粋にラリーマスターのかなり手頃な2000ドル以下というプライスを高く評価したい。モーリス・ド・モーリアックの、以前のスタンスミスのリリースより明らかに安い。テニスに関連する最も有名な時計とブランドは、明らかにハイエンドで豪華な側の領域なのだ - すなわち、ラファエル・ナダルの非常に限定された非常に高価なリシャール・ミルとのコラボレーション。ロジャー・フェデラーが着用するロレックスも、正確には安くない。 - だから、より手に入れやすいスイス製の選択肢を持つことは素晴らしいことなのだ。
実際、ラリーマスターや、イギリスのマイクロブランドであるアイソトープ(Isotope)が、長年テニスや時計のジャーナリストとして活躍してきたミゲル・セブラ(Miguel Seabra)氏とコラボレーションしたGMT 0º テラ・マリス限定モデルを最近発売するなど、テニスと時計の世界のクロスオーバーの大衆化が始まっているのかもしれない。
基本情報
ブランド : モーリス・ド・モーリアック x ラケット(Maurice de Mauriac x Racquet)
モデル名 : ラリーマスター(Rallymaster )
直径 : 39mm
厚さ : 12mm
ケース素材 : ステンレススティール
文字盤色 : ダスティピンク
インデックス : アプライド、ラウンド
夜光 : スーパールミノバ
ストラップ/ブレスレット: SS製メッシュブレスレット
ムーブメント情報
キャリバー : Landeron 24
機構 : 時、分、秒表示
直径 : 25.6mm
パワーリザーブ : 40時間
巻き上げ方式 : 自動巻き
振動数 : 4Hz (2万8800振動/時 )
石数 : 25
価格 & 発売時期
価格 : 1950ドル(約25万円)
販売 : ラケットを通じて予約受付中、2022年7月上旬に出荷予定。
限定 : 40本
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ラケットとモーリス・ド・モーリアックについては、オンラインで詳しく知ることができます。
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