Introducing Apple Watch Series 10が、より薄く、大型スクリーンや新技術、新しい仕上げとともに登場（編集部撮り下ろし）

　Apple Watch Series 10は、2014年のまさにこの日に発表された初代モデルから10周年を迎える。あの当時、HODINKEEは唯一の高級時計メディアとして現地に参加しており、ベン・クライマーはこの画期的な新デバイスがデジタルであれアナログであれ、当時の350ドル（当時の日本での販売価格は税別4万2800円）という価格帯ですべてを凌駕していると述べていた。

　Appleはこの10年間で、Apple Watchを市場で最も成功したスマートウォッチとして確固たるものとしてきた。ほかのブランドもスマートウォッチを多数生産・販売しているもののApple Watchのシルエットはほかを凌駕しており、どこに行っても見逃すことはできない存在となっている。初代Apple Watchが登場したときは、“スイス時計業界の終焉を告げる”といった反応から、“誰も腕にコンピューターをつけたがらない”という否定的な声まで賛否両論があった。しかし10年が経過した今、Appleはこの時計が定着し、揺るぎない存在となったことを証明した。

　本日、Appleはデザインを一新したまったく新しいApple Watch Series 10と、Apple Watch Ultra 2の審美的アップデートを発表した。

　Apple Watch Series 10はケースデザインが大幅に変更され、Apple Watch史上最大のディスプレイを搭載している（Ultra 2よりも大きい）。さらに厚さが大きく削減された。新しいSeries 10は42mmと46mmの2サイズ展開で厚さは9.7mmと、Series 9から10%薄くなっている。それにもかかわらず画面はこれまでで最大であり、充電速度も最速だ（0%から80%まで約30分で充電可能）。画面面積は30%拡大してアスペクト比も広がったため、Apple Watch全体のシルエットが変化した。Appleによると、角はさらに丸みを帯び、ケース全体がより柔らかい印象になっているという。デジタルクラウン（リューズ）やスピーカーなども、この薄型プロファイルに合わせて再設計されている。

　新しい画面は風防の下にApple初の“広角”OLEDディスプレイを搭載しており、これにより斜めから見たときの明るさが40%向上している。Apple Watchはもともと視野角が優れたディスプレイを持っていたが、この新しいディスプレイはアクティブな場面や屋外でさらに使いやすく感じられるだろう。新しいS10 SiP（システム・イン・パッケージ）はより高い計算能力を提供し、ダブルタップ機能やデバイス内で動作するSiriやHealthアプリ、iPhoneの精密な位置探索などの革新をサポートしながらスリムなケースに収まるよう設計されている。これらの機能に加えて、睡眠時無呼吸の通知や改良された睡眠トラッキングなどの新しい技術も搭載された。

　さらにApple Watchの常時オン（Always-On）モードも、新しいディスプレイの効率化により大幅にアップグレードされた。従来は1分に1回しかリフレッシュされなかったが、Series 10では1秒ごとにリフレッシュできるようになった。この新機能により、Apple Watchがまるでクォーツウォッチのように秒針を刻むことができるようになった。

　背面には、iPhoneの側面アンテナバンドと同様に内蔵アンテナを備えた新しいメタルケースバックが採用され、これがスリムなプロファイルに寄与している。またベースモデルのアルミニウム製Apple Watchでは、初めてフルポリッシュ仕上げのスペースブラックモデルが登場し、さらにアルミニウム製のローズゴールドやクラシックなシルバーモデルもラインナップされている。

　軽量化がSeries 10の重要な特徴となっている。アルミニウムモデルは前世代と比べて10%軽量化された。さらに注目すべきは、AppleがSeries 10のプレミアムラインにおいてステンレススティールを廃止し、グレード5のチタンを採用した点である。この新しいプレミアムラインはナチュラル、ゴールド、スレートグレーのカラーでフルポリッシュ仕上げが施され、PVDコーティングがされている。さらに同チタンは95%がリサイクル素材でつくられており、これによりAppleはApple Watch全体のラインナップでカーボンニュートラルを達成できるようになった。

　これに加えて、Appleは2種類のメタルストラップ、ミラネーゼループとリンクブレスレットをアップデート。これらのストラップは長いあいだアップデートされていなかったが、どちらも業界トップクラスだと思う（正直なところ、時計業界の多くの製品よりも優れた設計で、装着感も良好だ）。新たな生命を吹き込まれたことをうれしく思う。

　Apple Watch Ultra 2は今年新世代モデルが登場せず（サイズは引き続き49mmのまま）、新たにマットブラックDLCコーティングのカラーが追加された。またスキューバダイビング用に設計されたパラシュート式バックルを備えた、まったく新しいチタニウム製ミラネーゼブレスレットも登場している。さらに今年は初めてApple Watch Ultraとエルメスのコラボレーションが実現し、エルメスによる新しいストラップと新しい文字盤がデザインされた。

　Apple Watch Series 10は5万9800円からで、本日から予約を開始。9月20日に出荷が始まる。同様に、リフレッシュされたApple Watch Ultra 2は12万8800円（ともに税込）からで、予約と出荷の日程はSeries 10と同じである。

　今日は最新世代のApple Watchを実際に見る時間がわずかであった。今後、より詳しいハンズオンレビューと、Apple Watchの10年間に対するさらなる考察をお届けする予定であるので、ぜひ注目してほしい。

ブランド: Apple
モデル名: Apple Watch – Series 10

縦幅: 42mmまたは46mm
横幅: 36mmまたは39mm（それぞれ）
厚さ: 9.7mm
ケース素材: アルミニウムまたはチタン
重量: 42mm／30g（アルミニウム）、34.4g（チタン）、46mm／35.3g（アルミニウム、GPS+セル）、36.4g（アルミニウム、GPS）、41.7g（チタン）
バッテリー駆動時間: 約18時間（低電力モードで約36時間）
防水性能: 50m（水深・水温センサー付き）
ストラップ/ブレスレット: 複数の素材、同系色の金属、ナイキやエルメスのデザインを含むさまざまな素材

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価格: Series 10 アルミニウムモデルは5万9800円、Series 10 チタンモデル（GPSとセルラーモデル）は10万9800円から、Ultra 2は12万8800円から、新しいミラネーゼループブレスレットを選ぶとプラス1万6000円（すべて税込）
発売時期: 本日より予約開始、9月20日発送

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