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みなさんにとって、2024年はどんな年だっただろう? “有意義なものにできた!”“残念ながら一歩及ばなかった…”など、改めて思い返してみるとそれぞれに思うところはあると思うが、2025年はスタートを切った。一年の計は元旦にあり。2025年を実りある一年に、さらなる飛躍の年にするべく新たな目標を掲げてみよう。
HODINKEE Japanメンバーも前年の仕事ぶりを振り返りながら今年の抱負を立てた。それぞれに課題とするところは異なるが、共通するのは読者のみなさんによりよいものを届けたいという思い。新年の始まりに、我々の所信表明を発表したい。
変化&進化。あらゆることに挑戦する年に!
2024年は時計カテゴリー以外でのイベントも実施できた。この流れは2025年も継続したいと思っている。
2024年はWatches & Wonders Genevaの取材以降、息つく間もなく走り続けた1年だった。年2回のマガジン製作、TOKI-刻-オークション、そしてHODINKEE Jaoan5周年ローンチイベント。それ以外にも自身初のTalking Watches企画など、細々と挙げればキリがない。正直なところ、欲しい時計について考える余裕もなく、目の前のことを片付けているあいだにあっという間に時間が経ってしまった感じだ。2025年こそは、少し自由な時間を作ってじっくりと時計を探し、頼れる相棒となるような新たな1本を迎えたいと思っている。話が脱線した。2025年の目標だ。
2025年の目標は、とにかく新しいことに挑戦する年にしたいと思っている。まったく新しい企画の創出はもちろん、コアとなるデジタル&プリントの記事製作や、動画企画、イベントなどにおいてもよりおもしろく魅力的に、読者に楽しんでもらえうような挑戦をしたい。現状維持、停滞することは緩やかな死である。少し気負い過ぎと思われるかもしれないが、それくらいの強い気持ちを持って日々を過ごしていこうと思っている。読者の皆さん、2025年のHODINKEE japanにも期待して欲しい。これまで以上に楽しんでもらえるコンテンツを届けよう。
みなさんのことを意識した記事作りを心がける
2024年はとにかくがむしゃらに時計の写真を撮った年だった。写真スキルを磨こうと決意してカメラを新調したこともあり、展示会やイベントに参加してはひたすらにシャッターを切っていた。これを読んでいるみなさんのなかにも、リストショットを撮らせてもらった方が少なからずいるはずだ。そうやって写真で人とつながり、Instagram(夏以降、毎日投稿を続けている。見てくれると嬉しい)に投稿することで国内外の時計愛好家ともつながってきた。海外に出張に赴いた際にはありがたいことにその土地にいる方に声をかけてもらい、時計を通じて交流を深めることで僕の世界はさらに広がっていった。2024年、僕と関わってくれたすべての人に感謝したい。昨年の明けに掲げた抱負、「時計のコミュニティ、そこにいる人たちと深く関わる」という目標は、こんな形でなんとか達成できたのではないかと思っている。
もちろんこの動きは今後も継続するつもりだ(なんだったら、写真に加えて動画にも挑戦したいと思っている)。そのうえで2025年は、みなさんに記事を届けることをより強く意識して活動していきたい。今扱っている情報は誰にとって価値のあるものなのか、これを読む人は果たして興味を持ってくれるのか。その判断を下すときに、みなさんと交わしたコミュニケーションがとても重要になってくる。HODINKEEは幸いにも、読者の方々と深く繋がることができる媒体だ。どうか、今気になっている何か、欲しい時計、時計に限らずのめり込んでいるもの・ことを僕に教えて欲しい。それを理解しておくことが、より魅力的なストーリーを届けることにつながると僕は信じている。
特定のジャンルやテーマに焦点を当て、その魅力を掘り下げて伝える
2024年5月開催のアンティコルムオークションにて、東京プレビューで見かけたパテック フィリップ レディスカフウォッチ 4151/1。1971年製。今年の抱負を決めるカギとなったモデルだ。
2024年の抱負は“いろんな時計に実際に触れる”だった。HODINKEE Japanにジョインした2023年は、まず自分の名前と顔を業界関係者の方々に少しずつ覚えてもらうことが活動の中心だったと思う。そして2024年、その積み重ねが実を結び、展示会に呼ばれる機会も2023年より確実に増えた。またHODINKEE編集部では自分たちで時計の撮影を行うことも多く、その過程で実機に触れるチャンスが自然と訪れるようになった。
この1年、カジュアルなモデルからオークション級のレアピース、さらにはネックレスウォッチといった風変わりなものまで、幅広い時計に触れることができた。写真やスペック表だけではわからない質感やつけ心地のよさを実際に手に取って確かめることができたことは、自分にとって大きな学びとなった。
次のステップとして、2025年の目標は、“特定のジャンルやテーマに焦点を当て、その魅力を掘り下げて伝える”ことだ。多くの時計を見たことで、そのなかでも特に自分の気になるジャンルやテーマが自然と浮かび上がってきたように感じる。いまいちばん関心を引いているのは、アンティークのメッシュブレスレットウォッチだ。これまではトニー・トライナやマライカ・クロフォードの記事を読んで、こんなものがあるのかと感心していただけだったが、オークションプレビューでそれを実際に目にしたのがきっかけで、その繊細なディテールに引き込まれてしまった。これをきっかけに、自分の気になったジャンルの時計をさまざまな視点で見てみて、より深く、独自性のある時計のストーリーを届けることを目指そうと思った。
2025年は、まずこのテーマを入り口にして、自分なりの視点でその魅力や背景、現代における価値を深く掘り下げていきたい。それから新しいテーマや時計との出会いにも心を開き、メッシュブレスレットと出合ったときのように、また別の魅力や物語に引き込まれる瞬間を楽しみたい。そのひとつひとつを自分の言葉で伝えることで、より多くの人に時計の魅力を共有していければと思う。
日本と世界を結ぶ架け橋となり、独自性あるプロジェクトやストーリーを発信する
2024年、僕が掲げた抱負は「腕時計とそれを取り巻くモノ・コトにフォーカスする」ことでした。振り返ると、多くの素晴らしい出会いのおかげで、この目標を達成できたと感じています。そのなかでも特に印象深かったプロジェクトが、日本テーマのTOKI(刻)オークションです。日本から出品された希少かつ素晴らしいコンディションの時計を通じて、日本人コレクターの繊細な美意識や収集への情熱により深く触れる貴重な機会を得ました。また、独立時計師やブランドへのインタビューを行い、記事執筆に加えて、フィリップスの公式動画コンテンツ制作にも携わることで、時計の背後にいる人物たちにフォーカスしました。ほかにもオンライン・オフラインを問わず多くの出会いを大切にし、それが僕の視野を広げ、新しい可能性をもたらしてくれた一年となりました。
香港で開催されたフィリップス TOKI (刻)オークションではトークショーにも出演した。
2025年の目標は、「日本と世界を結ぶ架け橋となり、独自性あるプロジェクトやストーリーを発信する」ことです。日本の時計文化や職人技、独立時計師の魅力を国際的に紹介するだけでなく、日本特有の美意識や創造性が世界でどのように評価され、共感を呼ぶかを示すことを目指します。日本発信の時計の波のようなものを作れたらとも考えています。また、時計にまつわる物語を深く掘り下げ、新しい視点や形式で発信することで、これまでにない価値を届けたいと考えています。こうした活動を通じて、日本の時計文化をさらに世界に広めるとともに、国際的な時計コミュニティの発展に寄与する一年を目指します。
時計をもっと楽しく! 時計の輪を作るという原点に
皆様、あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い致します。
2024年末は、HODINKEE Japan創刊5周年にまつわる企画で多くの方にお会いすることができ、改めて5年前に夢見た光景が目の前に広がっていることを実感した日々だった。いただいた祝福のお言葉ととともに大きな達成感を抱いたが、このところ少し目を背けてきた事実にようやく向き合わないといけないなと、周年パーティの日から頭のなかを整理してきた。
HODINKEEの傘の下に集まっていただける方への企画や時計についてのコンテンツを作り続けるなかで、自分自身が時計を楽しめているのか? 寝食を忘れてそのことばかり考えてしまうような時計との出会いはもうできないのか? 自分の時計に対する情熱に疑問が生まれてきてしまった気がしていた。メディアの世界、特にこうした趣味の領域では、作る側が楽しんでこそ、である。あまりこうしてクソ真面目に考えるのもどうかと思うし、元々そういう性分でもないのだが敢えて仕切り直し、2025年は心から時計を楽しむ一年にしようと考えている。まだまだ知らないことだらけで、見たこともない時計がたくさんある。まだ見ぬ新作ならばそれは当然だし、ヴィンテージでもインディペンデントブランドもと、これ以上ないほどに価値ある時計にあふれるこの大航海時代のような瞬間、やはり楽しまないと損なのだ!
2025年、HODINKEEがそのようなメディアであることはもちろん、その先頭で踊っている人間がいたらそれは関口だろうと。楽しげな空気が伝播してみんなが集まってくれるような、僕らの原点とも言えるムードを作ることが今年の抱負である。
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