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昨日、リシュモングループにおいて大きな変革が発表された。スイスを拠点とするこの高級品投資持株会社は、現在ヴァシュロン・コンスタンタンのCEOを務めるルイ・フェルラ(Louis Ferla)氏が2024年9月1日よりシリル・ヴィニュロン(Cyrille Vigneron)氏の後任としてカルティエのCEOに就任すると発表した。これに伴い、現在ジャガー・ルクルトのCEOであるカトリーヌ・レニエ(Catherine Rénier)氏が同日付でヴァン クリーフ&アーペルの現CEO(現在はリシュモンCEO)、ニコラ・ボス(Nicolas Bos)氏の後任として就任する。
ヴィニュロン氏が退職を計画しているという噂は以前から流れていたため、カルティエの動きは予想外のものではなかった。それが事実であることが明らかになった。メゾンのトップとして8年間務めたのちにヴィニュロン氏は引退し、カルティエのカルチャー・アンド・フィランソロピーの会長に就任することになる。一方、フェルラ氏はモルガン・スタンレーとリュクスコンサルトの最近の報告書で総売上高が推定第8位(リシュモンの第2位)とされていたブランドから、昨年の推定売上高31億スイスフランの総売上高で第2位の時計ブランドに転身することになる。ヴァシュロンでは時計製造の分野に専念していたが、今後はカルティエで宝飾品やデザインの領域を監督する。これはフェルラ氏は2006年から2017年まで勤め、最終的にはカルティエ中国のCEOにまで上り詰めた彼にとってブランドへの復帰となる。
一方、ヴァン クリーフでの発表も予想されたものであり、必要なものであった。ニコラ・ボス氏は2023年6月1日付でリシュモンのCEOに就任し、ヴァン クリーフのトップの椅子が空席となった。カトリーヌ・レニエ氏の移籍はフェルラ氏と同様、時計製造の歴史を持つブランドからデザインと宝飾品を重視する有力ブランドへの異動である。ジャガー・ルクルトはリシュモンの第4位の時計ブランドだが、ヴァン クリーフ&アーペルは最近、アートと時計の融合による華麗な作品で一部のコレクターからは創造的な技巧派時計の寵児として知られるようになっている。レニエ氏もまた、2003年からジャガー・ルクルトのCEOに就任する2018年まで15年間勤めたブランドに戻ることになる。
ジュエリーはリシュモンの総収益において柱となるものである。ブランドの事業年度が2024年3月31日に終了したとき、実質為替レートで3%増、一定為替レートで8%増の売上を報告しており、宝飾品とその他の小売りを合わせた売上額はグループ全体の69%を占めていた。グループの売上高は206億ユーロと報告されている。本日発表された異動により、ブランドの最高財務責任者(CFO)であるフィリップ・ハーマン(Philippe Hermann)氏が新しいCEOが発表されるまで、ジャガー・ルクルトの暫定CEOを務めることになる。一方、リシュモンからヴァシュロンの暫定CEOが誰になるのかについての報告はまだない。