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Business News 英国の名門ケースメーカー、デニソンがついに日本上陸

かつてロレックスやオメガのケース製造を担ったメーカーが、エマニュエル・ギュエ氏のデザインとともに復活。2026年2月、日本での正規展開がスタートした。

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ヴィンテージウォッチ愛好家、そしてHODINKEEの読者であればデニソンの名を知らぬ者はいないだろう。かつて英国・バーミンガムを拠点に時計ケースを供給し続けたメーカーである。そのデニソンが2024年に現代のウォッチブランドとして再始動し、2026年2月に日本市場への正規参入を果たした。

デニソン A.L.D. コレクション。

 デニソンについて軽くおさらいをしておこう。1874年に創業した同社は、アメリカ・ボストンにルーツを持ちつつも、最終的に英国バーミンガムでその地位を確立した。20世紀前半から中盤にかけてはヨーロッパ最大級の時計ケースメーカーとして君臨し、ロレックス、オメガ、ジャガー・ルクルトといった名だたるブランドへケースを供給してきた。

デニソン製のアクアタイトケースを持つスミス ウォッチ。

 特に知られているのは、高い防水性を誇ったアクアタイト(Aquatite)ケースだろう。1953年のエベレスト初登頂時、サー・エドモンド・ヒラリーが着用していたスミスの時計も、実はデニソン製のケースに収められていたことは愛好家の間では知られた事実である。今回日本に上陸するのは、そのDNAを受け継ぎ現代に蘇った新生デニソンである。

 ブランドのデザインを率いるのは、オーデマ ピゲのロイヤル オーク オフショアを手掛けたことで知られる巨匠、エマニュエル・ギュエ(Emmanuel Gueit)氏。その彼が、デニソン復活にあたって提示したのは、37mm×33.5mmという極めてクラシックで小振りなクッションケースだった。

 現在展開されているA.L.D. コレクションは、1940年代のアーカイブに着想を得ている。単なる懐古趣味ではなく、ギュエ氏の手腕によって現代的なプロポーションへと昇華されたそのケースは、小振りながらも性別を問わず手首に収まる装着感を実現している。

 サンレイダイヤルやデュアルタイムなどすでに様々なモデルを展開しているが、とりわけ目を引くのがストーンダイヤルだ。特に、文字盤にタイガーアイを採用したA.L.D. タイガーアイ イン ゴールドは、2025年度のGPHG チャレンジ部門においてウォッチ・プライズ賞を受賞している。

Hands-On デニソンがエマニュエル・ギュエによるストーンダイヤルデザインで再始動

 現時点で展開されるのはA.L.D. コレクションのみで、ラインナップとしては決して多くない。しかし、その限られた範囲からでも、デニソンがいま何を軸にブランドを組み立てているのかは十分に伝わってくる。過剰な演出に走らず、まずはひとつの型(ケース)に集中する。そうした現在の姿を、日本でもより身近な存在として確認できるようになったことは歓迎すべきニュースだ。

 そしてそのプライシングは、昨今の時計市場において極めて戦略的だ。エントリーモデルとなるサンレイダイヤルが10万4500円。天然石を用いたストーンダイヤルが14万3000〜16万5000円、そしてデュアルタイムですら18万7000円(すべて税込)という設定になっている。

 機械式時計の高騰が続くなか、クォーツを選択することで手に届くラグジュアリーを実現したデニソン。“ラグジュアリーはもっと身近であるべき”というブランドの哲学どおり、歴史的背景と著名デザイナーによる設計を持ち合わせながらも、クォーツムーブメントを採用することで手に取りやすい価格帯を実現している点も、現代の市場において戦略的なポジショニングと言えるだろう。日本市場において、この英国の老舗が新たな選択肢として定着する可能性は十分にある。