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我々が知っていること
ジラール・ペルゴは、創業230周年を記念して、定評のある“スリー・ブリッジ”ムーブメントの構造における新たな試みを表明。そしてGeneva Watch Days期間中の今週、同ブランドは、ヴィクトリア朝時代の発明を未来的にアレンジした新しい18Kローズゴールド製、44mmサイズのスリー・フライング ブリッジ トゥールビヨンを発表した。
このスリー・ブリッジは、19世紀半ばから後半にかけてブランドの主力となり、ジラール・ペルゴは事実上、ブリッジを無名の存在(一般的にはムーブメント全体のなかで隠れた存在)から救い出し、デザイン上の特徴とした最初のブランドだった。1800年代後半のスリー・ブリッジにはプラチナが使用されていた。同ブランドでは、これまでもさまざまな貴金属を使用してきたが、今回初めて、表側の3つのブリッジすべてにピンクゴールドが使用され、上面と下面にはブラックPVD加工が施された(裏側の3つのブリッジには、PVD加工が施されたチタンが使用されている)。
ブリッジは、輪列、香箱、トゥールビヨンを支えるという文字通りの機能に加えて、フューチャリズムを感じさせる地板としての役割も果たしている。それぞれのブリッジは自由に浮遊しているように見えるため、目の錯覚を引き起こし、フランジ(ダイヤル外周)に取り付けられたマーカーはケースに固定され、宇宙時代の美学を表現する。
また、トゥールビヨンはダイヤル下側に配置され、竪琴のような形をしたケージの中でブルーの針が360°回転して動き、スモールセコンドの役割を果たしている。
我々が思うこと
この時計は、高級感と目的に適ったデザインのバランスをとる一流の存在であり、その高級感のほとんどが控えめに表現されている。例えば、スリー・ブリッジだ。ジラール・ペルゴはそれら全体をPG製として、金属の光沢のある外観を誇示しやすいようにしている。しかし一方で、表面の大部分にPVDコーティングを施し、エッジ部分のみに輝きを残した。なぜか? それは時計と着用者の間にちょっとした秘密を作るためだ。ブランドはこの選択を“Super discreet luxury(極めて控えめなラグジュアリー)”と呼んでおり、知る人ぞ知るものとなっている。
この時計の全体的な構造は印象的だが、当然ながら万人受けするものではない。私自身はこの時計を購入しようとは思わないが、この時計は評価されるべき時計づくりの象徴であり、私もそれを高く評価している。多くのブランドが古いデザインを再利用するために過去の遺産を利用しているのに対し、ジラール・ペルゴは自らのデザイン言語を再考し、未来に対応する方法を考案したのだ。ケースと一体化したダイヤルマーカーやトゥールビヨンケージのブルーのスモールセコンドなど、この作品の全体的な外観は悠久の時を感じさせるもので、フェイクパティーナが氾濫するなかで、このようなことをするブランドは新鮮だ。
風防にも工夫が凝らされている。風防の側面は、ケースの外側から中央に向かって下降するようにカーブしているため、従来のベゼルに相当するものがない。この効果を得るためには、通常の4〜5倍の材料が必要となる。一方、トゥールビヨンは79個の部品で構成されており、その重量は0.25gと驚くほど軽量だ。これによりムーブメント、Cal.GP09400-1273は60時間パワーリザーブを実現している。
1800年代後半の古いジラール・ペルゴのポケットウォッチを見ると、ムーブメントに同様のスリー・ブリッジデザインが採用されている。そのクラシカルなスタイルと、ここで見られるようなウルトラモダンなデザインには明確な系譜がある。このブリッジは、いつか本当に飛ぶかもしれない。もしかしたら、300周年を記念して。
基本情報
ブランド: ジラール・ペルゴ(Girard Perregaux)
モデル名: スリー・フライング ブリッジ トゥールビヨン
型番: 99296-52-001-BA64
直径: 44mm
厚さ: 15.52mm
ケース素材: 18KPG
文字盤: スリー・ブリッジを見せるオープンディスプレイ
インデックス: フランジに固定されたマーカー
防水性能: 30m
ストラップ/ブレスレット: ラバーテイストのブラックアリゲーターストラップ
ムーブメント情報
キャリバー: GP09400-1273
機能: トゥールビヨン、時・分表示、トゥールビヨンケージ上にスモールセコンド
直径: 42mm
厚さ: 9.45mm
パワーリザーブ: 60時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万1600振動/時
石数: 27
クロノメーター: なし
価格 & 発売時期
価格: 1862万3000円(税込予価)
発売時期: すぐに
限定: なし
詳細は、ジラール・ペルゴ公式サイトをクリック。
Lead image: Converge Productions / Stéphane Gros