Introducing H.モーザー　スイス・アルプ・ウォッチ ファイナル アップグレード 2021年新作

　H.モーザーが、世界で最も売れているスマートウォッチであるApple Watchにちなんで作り上げたスイス・アルプ・ウォッチ。2016年の発売以来、同モデルはカラフルなフュメダイヤルやApple Watchのスタンバイモードを連想させるスイス・アルプ・ウォッチ Zzzzから、ミニッツリピーターとフライングトゥールビヨン搭載したコンプリケーションモデルに至るまで様々なバリエーションをリリースしてきました。

　そしてH.モーザーは今年、同コレクションの最終版となる「スイス・アルプ・ウォッチ ファイナル アップグレード」を2021年新作として発表。クスッと笑わせるH.モーザーお得意の茶目っ気ももちろん盛り込まれています！

　本機は、おなじみの丸みの帯びた長方形で、ブラックDLCコーティングが施されたステンレススティール製。文字盤には「人工的に作り出されたものとしては最も黒い」といわれるベンタブラック®️を採用し、ブランド名もインデックスもありません。また、時分針もブラックの針が採用されており、スマートウォッチのスリープ状態を連想させます。

　そしてこれをさらに強調するかのように、文字盤上6時位置には、特徴的なスモールセコンドが。文字盤上の開口部と本モデルのために新たにデザインされた、ディスクによって構成されています。このディスクは、ホワイトから徐々に濃いグレーへとグラデーションがかかっており、まるでiOSデバイスがロード中に表示するインジケーターのデザインのよう。5秒に1目盛りずつ進んでいく様子を眺めることができるのです。

　本デザインについて、同社のエドゥアルド・メイランCEOはこう述べています。

　内部にはこれまで同様に自社製手巻きムーブメントCal.HMC324を搭載。H.モーザーお馴染みの交換可能な脱進機を有し、1万8000振動/時で駆動、パワーリザーブは4日間（ちなみにApple Watchの駆動時間は、わずか18時間）です。価格は、340万円（税抜）で世界限定50本です。

　IT業界出身の僕としては、スイス・アルプ・ウォッチはとても注目していた機械式時計。その中でも2017年に発表された、ホワイトゴールドケースに光沢感のあるブラックダイヤルを有したスイス・アルプ・ウォッチ  Zzzzが個人的にはお気に入りでしたが、今回登場したスイス・アルプ・ウォッチ ファイナル アップグレードの登場で、それが文字通り更新されました。

　スイス・アルプ・ウォッチ ファイナル アップグレードをひと目見てまず気づくのは、その黒さです。ケース、針、リューズから文字盤に至るまでフルブラックでステルス感のある外観は、ベンタブラック®️によって究極に高められています。

　フルブラックであるため、視認性は高くないのではないかと思いましたが、実際に見てみるとベンタブラック®️があまりにも黒いため、ブラックの針との間にコントラストが生じ、思いの外高く感じられました（とはいえ、本機にはインデックスなどはなく、そもそも詳細な時間を知るための時計ではないのですが）。本機は、まさしくH.モーザー流の先端素材と伝統的で高度な時計製造技術の融合を体現しているといえます。

　本ムーブメントのストックがなくなるため、スイス・アルプ・ウォッチ コレクションは本機をもって、幕を下ろすことになります。モデル名の通り最後のアップグレードということです。少し寂しさもありますが、ファイナル アップグレードのローディングアニメーションを眺めていると、H.モーザーの遊び心の溢れたハイウォッチメイキングの未来を予感させてくれます。

ブランド： H.モーザー（H.Moser & Cie.）
モデル名： スイス・アルプ・ウォッチ ファイナル アップグレード（Swiss Alp Watch Final Upgrade）
型番： Ref.5324-1205

直径： 38.2mm × 44.0mm
厚さ： 10.5mm
ケース素材： ブラックDLCコーティングが施されたステンレススティール
文字盤色： ベンタブラック®️
インデックス： なし
夜光： なし
防水性能： なし
ストラップ/ブレスレット： ブラック アリゲーター レザーストラップ

キャリバー： Cal.HMC 324
機構： 時、分、スモールセコンド
直径： 32mm × 36mm
厚さ： 4.8mm
パワーリザーブ： 96時間（4日間）
巻き上げ方式： 手巻き
振動数： 1万8000振動/時
石数： 27
クロノメーター認定： なし

価格： 340万円（税抜）
発売時期： 2021年2月
限定：世界限定50本

詳細は、H.モーザー公式サイトへ。