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クイック解説
1983年に誕生した初号機ことDW-5000Cのフォルムを受け継ぎ、デイト表示と計時表示のみを備えたフルアナログ仕様で再構築した新作GMC-2500およびGAC-2500シリーズが登場した。アイコニックな角型フォルムのDNAを継承しつつも、ケース全体に柔らかな曲面を持たせることで、光の反射による連続的なグラデーションと豊かな陰影表現を取り入れた新基軸のG-SHOCKである。
GMC-2500。ベゼルパーツのみメタルのGMC-2500と、ブレスまでSSでまとめたGMC-2500Dがラインナップされる。
外装を樹脂のみで仕上げた、GAC-2500。
本作における最大の技術的トピックは、3時位置に設けられたマルチミッションデイトだ。これは単なる日窓ではなく、3マスの表示エリアを用いて日付、ストップウォッチの計測分、各種設定時の情報を機能に応じて切り替える独自の機構である。また、デジタルのテクノロジーを下地とする時計であるため、フルアナログ仕様でありながら年・月・日を認識するフルオートカレンダーを実現。月末に必要となる日付修正の手間を解消している。また、9時位置の秒針には任意の停止・駆動が可能なスリープ機能を備えており、未使用時には秒針を止めることで消費電力を抑え、電池寿命を延ばすという極めて実用的なアプローチも盛り込まれた。
初号機といえばデジタルウォッチの金字塔だが、そのフォルムをあえてフルアナログで再構築するにあたり、文字盤のバランスにも細心の注意が払われている。ダイヤルとインデックスをシンプルかつシャープな造形にまとめることで、丸みを帯びた柔らかな外装意匠とのあいだに美しいコントラストを生み出し、アナログウォッチとしての洗練されたルックスと高い視認性を確保した。
くわえて、3時位置の小窓と9時位置のインダイアルが織りなすアシンメトリーなレイアウトは、オリジナルのデジタルモデルにはない機械的な計器としての新たな趣を本作に与えている。このアシンメトリーなレイアウトは、2019年に同様のコンセプトで登場したGA-2100シリーズに通じる。
ラインナップは大きく分けて2種類。メタルケースを採用し、メタルブラスレットまたはラバーストラップを組み合わせたGMC-2500シリーズ(3万7400円〜4万9500円・税込)と、オール樹脂外装のGAC-2500シリーズ(2万900円・税込)で展開される。いずれも2026年11月7日(土)の発売予定だ。
ファースト・インプレッション
デジタルの多機能性を、あえて針とモーターの物理的な動きで語り直す。カシオが2020年代以降、主にオシアナスやMR-Gを通じて推し進めてきた「インテリジェント・アナログ」の構想は、本作においてひとつの到達点を示しているように感じる。
それを最も表しているのが、3時位置のマルチミッションデイトだろう。サイドのボタンによって機能を切り替えていくと、デイトディスクが回転を始める。そのスピードは、きっとあなたが想像しているよりもはるかにゆるやかだ。測ってみたところ、デイト1日分を回すのに1秒強。たとえば月初にストップウォッチを使おうと思い立ったなら、ゼロ分を示す“ST”表示に辿り着くまでに1分弱はかかる計算である。普段から各種計時機能を手元の時計で行っているという人からすると、やきもきしてしまうかもしれない。しかし現代においてはそのほとんどをスマートフォンが担っている状況があり、とくにアナログウォッチにおいては嗜好品としての側面がより強くなってきている。そうした前提を踏まえると、本作においてはデジタルの緻密な制御を下地にしつつも、アナログ時計特有の動きの妙や情緒、時の豊かさを味わって欲しいという作り手の静かな熱量が伝わってくるようである。
樹脂製モデルのみ、デイト窓の縁に極小の段差が設けられている。カシオの金型技術のなせる技である。
また、シンプルなアナログ表示を選択したことで生まれるダイヤルの余白に対しての、美学的アプローチも見逃せない。かつてMRG-B2100でも向き合ったこの命題に対し(そのときは、樹脂を射出成形した木組格子ダイヤルによって解決していた)、本作は建築物のようにソリッドな立体感を持つインデックス、すり鉢状にゆるやかに沈み込むデイト窓とサブダイヤル、そしてモデルごとに複数のテクスチャーを使い分けるという手法で応えている。結果として、平坦になりがちな空間に豊かな陰影と奥行きがもたらされた。とくに樹脂モデルのデイト窓にはより凹凸感を高めるための極小の段差が設けられているなど、カシオの加工技術の精巧さを再認識させられる。
そして、この内面的な進化と呼応するように研ぎ澄まされた外装の造形にも触れておきたい。本作では、初号機から受け継ぐアイコニックな角型をベースとしながらも、ケースの各所に柔らかな曲面を持たせた。光の角度によって連続的なグラデーションと豊かな表情が生まれることで、かつての無骨なツールウオッチの面影を残しつつも、上に触れた“アナログの面白さ”とも呼応する有機的なアウトラインが生まれている。このフォルムの意図については、後日掲載する本作の特集では、デザイン室の室長に詳しく話を聞いた。単なる印象の変化という話にとどまらない、技術的な必然も内包していることがわかる。ぜひ目を通してほしい。
かつてのG-SHOCKといえば、無骨さや堅牢さ、あるいはデジタルならではの瞬発的な実用性の象徴であった。しかし、ハイエンドラインで培われたインテリジェント・アナログの思想と、精緻な外装表現を手に入れた本作が提示するのは、それとは真逆とも言えるアプローチだ。ゆっくりと回るディスクの間(ま)を愛で、有機的なフォルムがもたらす柔らかな陰影を楽しむ。絶対的なタフネスという大前提は守り抜きながらも、時間を計るための道具から、時を味わうための嗜好品へ。初号機のDNAを継承しつつ時計としての豊かな情緒を獲得したこのコレクションは、G-SHOCKの計時表現が明確に新たなフェーズへと突入したことを宣言している。
基本情報
ブランド: G-SHOCK
モデル名: GMC-2500 / GAC-2500
型番:SSベゼル&ブレスレット GMC-2500D-1A(ブラック)、GMC-2500D-1A2(ブルー)/SSベゼル&ラバーストラップ GMC-2500-1A(ブラック)、GMC-2500G-1A(ゴールドPVDベゼル&ダイヤル)、GMC-2500-1A8(シルバー)/樹脂ベゼル&ストラップ GAC-2500-1A(ブラック)、GAC-2500-3A(グリーン)、GAC-25007A(ホワイト)、GAC-2500-9A(イエロー)
直径: 43.8mm(GMC-2500)/44.5mm(GAC-2500)
厚さ: 12.9mm(GMC-2500)/12.7mm(GAC-2500)
ケース素材: SS(GMC-2500)/樹脂(GAC-2500)
ダイヤル: 真鍮ベースのサンレイ、マット仕上げ(GMC-2500)/樹脂ベースのグレイン仕上げ(GAC-2500)
インデックス: ダイヤルリング
夜光: ELバックライト、針にスーパールミノバを塗布
防水性能: 20気圧
ストラップ/ブレスレット:SS(GMC-2500D)/ラバー(GMC-2500およびGMC-2500G)/樹脂(GMC-2500)
価格 & 発売時期
価格: GMC-2500D-1A、GMC-2500D-1A2 ともに4万9500円/GMC-2500-1A、GMC-2500-1A8 ともに3万7400円/GMC-2500G-1A 3万9600円/GAC-2500-1A、GAC-2500-3A、GAC-25007A、GAC-2500-9A 以上すべて2万900円(以上すべて税込)
発売時期: 11月7日(土)
限定: なし
詳細は、こちらをクリック。
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