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Introducing アトリエ・ド・クロノメトリーの新作クロノグラフムーブメントは、過去への見事な回帰

バルジュー23をベースに、いくつかの新たな改良を加えたこのクロノグラフは、現在ブランドのビスポーク製品のラインナップに加わっている。

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我々が知っていること

インディペンデントブランド界隈の華やかさや話題性に目を向けながら、職人的な時計製作を追っている人でも、バルセロナを拠点とするアトリエ・ド・クロノメトリーを見逃していたとしても無理はない。提供する複数のムーブメント設計をベースに、すべて個別に仕立てる一点物のビスポークで、同社の時計がSNSに登場することはあまりないからだ。しかし、私たちは2016年から同社を取材してきた。そして、製品の完成度は年々高まっており、顧客の好みも変化しているのかもしれない。実に見事な進化だ。今回発表されたAdC16は、同社初の2カウンタークロノグラフだ。デザインが好みに合わなければ、それでも構わない。好きなようにカスタマイズできるのだから。しかしデザインからムーブメント、スペックに至るまで、ヴィンテージ好きの私にとって、この時計は本当に魅力的だ。

https://www.atelierdechronometrie.com/

 アトリエ・ド・クロノメトリーでは、ケースやダイヤルのカスタマイズに加え、ムーブメントの仕上げも選ぶことができる(今回のムーブメントをベースにした別バージョンも、近く公開される予定だという)。今回のモデルでは、ヴァシュロン・コンスタンタンの4072を彷彿とさせる(ダイヤルも含む)コンパクトで美しい36mmのカラトラバスタイルのケースを採用。ケースはイエローゴールド(YG)とスティール(SS)のツートン仕様で、ダイヤルはブラックのガルバニック処理によるギルト調(プレスリリースによれば、オリジナルと同じ製法ではないようで、おそらくパッド印刷と思われる)、アプライドインデックスと針にはYGを使用している。

 この時計の真骨頂は、やはりムーブメントにある。ベースとなっているのは、定評のあるバルジュー23だ。そこから複数のブリッジやレバーの形状を再設計し、歯車列全体に開放感を持たせながら、ヴィンテージらしい雰囲気を保っている(しかしクロノグラフブリッジに配された大ぶりな受け石は、少し現代的すぎる印象もある)。形状の一部は、19世紀末から20世紀初頭にかけて、動物の形を模してデザインした時計師たちから着想を得たというが、個人的にはただ単に見た目が良いと思う。さらに、瞬時に切り替わるジャンピングミニッツカウンターを搭載(これは決して簡単な機構ではない)。また古典的ながら丁寧に作り込まれたクラッチを採用し、マリンクロノメーターへのオマージュとして、テンプと脱進機にも改良を加えている。

https://www.atelierdechronometrie.com/

 先述のとおり、今後は異なる仕上げ技法も試していく予定だという。今回のモデルでは、パラジウムメッキを施したフロスト仕上げのブリッジと地板をはじめ、ブラックポリッシュ、アングラージュ、ペルラージュ、カウンターシンクによるポリッシュ仕上げ、ストレートグレイン、エティラージュ・デ・フランといった技法が用いられている。AdCによれば、クロノグラフのランナーやジャンピングミニッツ機構のブリッジ(ガンギ車と秒針のブリッジも含む)は、すべて手作業で製作されているという。ブランドは、時計の製作過程を撮影した舞台裏の写真も提供してくれた。解像度はかなり低いものの、細部にまで注意を払って作り込まれていることが伝わってくる。

 すべての注文は顧客の要望に基づいて行われるため、価格は変動する。もちろん、この品質のビスポークとなると、価格は安くはない。ブランドが提示した価格は14万〜15万ユーロ(約2400万〜2600万円)。注文枠は2030年まで埋まっているという。しかし私が尊敬するコレクターのあいだでは、同ブランドは以前から注目されている。それも当然のことだろう。


我々の考え

もちろん、私はAdCのファンだ。ベンもそうで、今回の新作を気に入っていた。ムーブメント設計を仕事にしている友人も、バルジュー23を独自に再解釈した点を気に入り、この新作に惚れ込んでいた。とはいえAdCの時計を見るときは、デザインの好みについては多少差し引いて考える必要がある。今回のブラックのギルト調ダイヤルは、ケースやブレスレット(こちらもAdCが自社で製作しており、同社の得意とするところだ)と組み合わせると、少し主張が強いように感じる。しかし、実物では色の鮮やかさがもう少し抑えられているのかもしれない。数年前に発表された、2カウンターのラトラパンテがとても気に入っていた。今回の時計も、パテック フィリップのRef.1579のようなデザインや、ツートンのシルバーセクターダイヤルを備えたコルヌ・ドゥ・ヴァッシュ風のモデルに仕立てたら、きっと素晴らしいだろうと思う。

AdC

 ムーブメントの仕上げにも、私には少し現代的すぎると感じる部分がある。インディペンデントブランドのあいだで流行している、モダンなスタイルを追いかけているようにも見える。もし自分でオーダーするなら、グレイン仕上げを控えめにして、より伝統的な仕上げを選びたいところだ。それでも時計全体としては、欠点を見つけるのが難しいほどよくまとまっている。インディペンデントブランドの現行モデルで比較対象を挙げるなら、レジェップ・レジェピが最近発表した新作くらいだろう。あちらはより技術志向で独創性があり、価格競争力も高い。しかし両者は十分に共存できる時計だと思う。


基本情報

ブランド: アトリエ・ド・クロノメトリー(Atelier de Chronométrie)
モデル名: AdC16

直径: 36mm
厚さ: 記載なし
ケース素材: 個別仕様。本モデルはステンレススティールと18Kイエローゴールドのツートン仕様
文字盤色: 個別仕様。本モデルはガルバニック処理を施したギルト調ダイヤル
インデックス: プリントおよびアプライド
夜光: なし
防水性能: 非公表
ストラップ/ブレスレット: ブラックのレザーストラップ、SS製バックル付き。またはハンドメイドのビーズ・オブ・ライスブレスレット(SSと18KYGを組み合わせたツートン仕様)

ADC

ムーブメント情報

キャリバー: S440(バルジュー23をベースとしている)
機能: 時・分表示、スモールセコンド、30分積算計付きクロノグラフ
パワーリザーブ: 52時間
巻き上げ方式: 手巻き
振動数: 1万8000振動/時
石数: 20
クロノメーター認定: なし
追加情報: パラジウムメッキを施したフロスト仕上げのブリッジと地板、ブラックポリッシュ、アングラージュ、ペルラージュ、カウンターシンクによるポリッシュ仕上げ、ストレートグレイン、エティラージュ・デ・フラン


価格&発売時期

価格: カスタマイズ内容により14万〜15万ユーロ(約2400万から2600万円)
発売: オーダー制。現在、2030年まで注文枠が埋まっている
限定: ビスポークによる製作

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