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Hands-On タイメックスのワールドタイムに触れる

80ワードより少し多く、また80日よりずっと少ない、1972年の復刻版について迫る。

つまるところ、私たちが書くすべての時計が超高級である必要はない。クォーツウォッチで179ドル(日本円で約2万6000円)という価格は、タイメックスのワールドタイムがどのような位置づけにあるのかよくご存じだろう。機能よりもデザインに重きを置いた時計であり、そのユニークで回帰的なデザインコードが、HODINKEEで大きな注目を集めた。

タイメックス ワールドタイム 1972 リイシューのリストショット

 39mm×12mmの樽型ケース(ラグからラグまでは41.5mm)は、ヴィンテージのタイメックス モデル 42 エレクトリック(調査によると、これは1969年までさかのぼる)から着想を得た時計にふさわしく、過去を思い起こさせるノスタルジーな雰囲気を漂わせている。今日このようなものはほとんど見られないが、時代錯誤的なデザインが好きな私は最近のタイメックスの取り組みをとても楽しんでいる。

タイメックス ワールドタイム 1972 リイシュー

 実際タイメックスはアーカイブを掘り下げ続けており、ほかの時計では手に入らないものを提供するということに関しては最高のブランドのひとつに挙げられる。だからこそ、ここでは多くの詳細が明らかになっている(実際には数が多すぎるかもしれないが)。

 明確な長所もある。ケースもそのうちのひとつで、トップとラグはサーキュラーグレイン仕上げ、サイドはポリッシュ仕上げと分けられている。レトロな雰囲気を醸す、白黒のはっきりとした文字盤に蛍光塗料を塗布した針(アワーマーカーの蛍光塗料と同じもの)、そして真っ赤に塗られたくさび形のセンターセコンド針は、eBayで400ドルする“デビルダイバー”を探しているかのようだ。台形のデイト窓は、何もかもが少し風変りだった70年のデザインを想起させる。なぜ私のなかで台形はサイケデリックだと思うのか? よくわからないが。

タイメックス ワールドタイム 1972 リイシューのディテール
タイメックス ワールドタイム 1972 リイシューのケースサイド
タイメックス ワールドタイム 1972 リイシュー

 残念なことに、アクリル製のドーム型風防(および日付窓のプリント)のせいで日付が少しいびつで、視認性に影響を与えている。またベゼルはプレス写真ではブルーグレーに見えたが、実物はより少し深いグレー(黒に近い)だった。まあこれは大したことではない。しかしこの新しい復刻版ではベゼルがいちばんの問題となっている。オリジナルに忠実すぎて好ましくない部分があるのだ。

 というのも24時間針がないのだ。ワールドタイム機能を読み取るには回転ベゼルを回して時針とローカルタイムゾーンを合わせる。その後、調べたい都市やタイムゾーンを探す。24時間表示がないために、そのローカル都市のプラスまたはマイナス記号を参照して、その参照元より前なのか後なのかを確認する必要がある場合がある。ほかのタイムゾーンを調べるたびにベゼルを動かさなければならないのは煩わしいが、ただ計算尺でも使用していたことだし、当時の人々は皆うまくやっていたものだ。

タイメックス ワールドタイム 1972 リイシュー
タイメックス ワールドタイム 1972 リイシューのデイト表示

なんて素敵な日付窓だろう!

 本当の品質とは、世界が変わると同時にタイムゾーンも変わりつつあるということだ。トニーはIntroducingで、1972年以降、多くのタイムゾーンが変わったことを指摘した(“時間はどこへ行ったんだ”と言いながらダラダラしているヒッピーたちの姿を思い浮かべる)。オリジナルのベゼル、しかもフランス語(オリジナルがそうだったから、なぜそうでないのか以外は説明ができない)で忠実に再現しているため、もうタイムゾーンは正しくない。

 それが最終的にどれだけもどかしいことになるのか(本来の用途に使用される頻度の問題という視点でも)よくわからないが、それよりも復刻版はあらゆる点でインスピレーションと同一であるべきなのか、特に内部のムーブメントが異なる場合でもそうあるべきなのかが問題だ。細部へのこだわりが素晴らしいときもあれば、そうでないときもある。

タイメックス ワールドタイム 1972 リイシューのベゼル(ロンドン表記にクローズアップ)

“Londres”とは、英語を話す人たちにとってはロンドンのことを指す。

タイメックス ワールドタイム 1972 リイシューのユニークなケースシェイプ

このようなシェイプのケースはあまり作られないだろう。

ハッチバックを備えたタイメックス ワールドタイム 1972 リイシューの裏蓋

 そしてインドの都市、“Dehli(デリー)”の表記だ。少し調べてみたところ、フランス語でも英語でもスペルが間違っているというコメントがあったにもかかわらず、“正しい”デリーの綴りは、実際にはこの都市のウルドゥー語の名前(دہلی)、または“Dehli”が訛ったものであるというのだ。私は語源学の専門家ではないのでよく知らない。実際、それが正しいか間違っているか、どちらか一方を選ばなければならないのは妙にストレスだし、おそらく私が首を突っ込むよりも深い歴史的な議論になるだろう。

 たとえ問題があっても、時に必要なのは、そのかゆいところに手が届くような楽しくて変な時計だけだ。風変わりなケースの形で(下の無骨なラグを見てもわかるように)、かなりしっかりとした装着感もあり、またあなたのコレクションに(このジャンルが)すでにある可能性は低い。

 179ドル(日本円で約2万6000円)であれば購入のリスクはさほどなく、自身のコレクションに1970年代のヴィンテージ感を少しプラスすることができる(オリジナルを買い漁るよりは確実に安上がりだろう)。ただ日常的にタイムゾーンのチェックを頻繁に行うようであれば、期待しないほうがいいかもしれない。

タイメックス ワールドタイム 1972 リイシューのケースサイド
タイメックス ワールドタイム 1972 リイシューの文字盤とベゼル

タイメックス ワールドタイム 1972 リイシュー。直径39mm×厚さ12mm、ラグからラグまでは41.5mm、50m防水。ステンレススティールケース、アクリル製ドーム型風防。ブラック&ホワイトダイヤル。クォーツムーブメント、時・分・センターセコンド、3時位置に日付表示、回転式ワールドタイムベゼル。ラグ幅20mm、レザーストラップ付き。価格は179ドル(日本円で約2万6000円)。

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詳細については、公式ウェブサイトをご覧ください。HODINKEE Shopはタイメックスの正規販売店です。