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クイック解説
2001 年にオフィシャルタイムキーパーに就任したことに始まるティソとMotoGP™のパートナーシップも、今年で25年を迎えた。2026年は10月にモビリティリゾートもてぎ(栃木県)にて「MotoGP™ 日本グランプリ」の開催が予定されており、ティソも同イベントに照準を合わせ、さまざまなキャンペーンを用意しているようだ。
そのなかの取り組みのひとつが、今年も発表となったティソ T-レース MotoGP™ リミテッドエディションである。2026年は、自動巻きクロノグラフ1型にクォーツクロノグラフ1型の計2型を発表。ともに、機械としてのオートバイそのものに着想を得た2025年のリミテッドエディション同様、メカニカルなギア感が強調されたデザインが採用された。
ティソ T-レース MotoGP オートマティック 2026 リミテッドエディション
ティソ T-レースMotoGP クォーツクロノグラフ 2026 リミテッドエディション
自動巻きモデルは前年に引き続き、バルジュー A05.951(2025年に初出となった、バルジュー A05.231をベースに審美性を高めたムーブメント)を搭載。2025年のリミテッドエディションとダイヤルの切り欠き部のデザインなどは同じようだが、ブレーキディスクを模していたベゼルにはフォージドカーボンのインサートが設けられた。フランジとインデックスリング。サブダイヤルはブルーからブラックに置き換えられ、赤の秒針とともにより力強く引き締まった印象を与える。
ラバーストラップについて公式のリリースではレッドと記されているが、実物を見た印象は鮮やかなオレンジに近い。MotoGP™でレッドといえばドゥカティの真紅に輝くボディを思い浮かべるが、このストラップはマットな質感も手伝って主張はやや控えめである。ただ、ケース径45mm、厚さ14.79mmというマッシブなボディを十分に支えられるようケース接続部の幅は25mmとたっぷりとられており、ホールド感は強い。表面にベタつきはなく硬質で、質感はドライだ。ケース接続部の可動域は広く、ラグトゥラグは55mmとやや大振りながら着用感は見た目以上に優れる。ケースサイズを活かして、一部のドライバーに見られるようにグローブの上から着用する、なんてアレンジも面白そうだ。
一方で本作には、ヘルメット形状のスペシャルボックスも付属。ボックスの内側にはMotoGP™のロゴがプリントされており、モータースポーツファンにもしっかりと響くものになっている。価格は32万5600円(税込)で、世界限定2026本のスペシャルピースである。
続いてクォーツクロノグラフモデルだが、こちらはレッドをより鮮烈に取り入れたデザインとなっている。サンレイのレッドダイヤルを直線的な仕切りで区分けし、サブダイヤルのブラックとのコントラストを強調している。サブダイヤルはおそらくバイクのタコメーターを模していると思われるが、僕の探した限りではデザインソースとなったであろうマシンは見つけることができなかった。もしご存じであれば、教えて欲しい。ただ、この意匠もまたモータースポーツとのパートナーシップを主張するものであり、本作の計器然とした雰囲気を際立たせている。また本作では、ブラックPVDのベゼルに引き続きブレーキディスクのパターンを採用。フランジのタキメーターに記された、2023年のMotoGP™で記録された最高速度“366.1km/h”にちなんだ表記も健在だ。ストラップには、上記の自動巻きモデルのラバーストラップよりもしなやかなシリコンストラップを使用している。
ムーブメントには電池切れ警告機能を搭載したスイス製のクォーツムーブメントを採用しており、防水性能は10気圧。価格は10万5600円(税込)で、こちらは世界限定8000本となる。なお、発売は自動巻きモデル、クォーツクロノグラフともに3月4日(水)だ。
ファースト・インプレッション
僕はモータースポーツに明るくないが、2025年のティソ T-レース MotoGP™ リミテッドエディション、特に自動巻きモデルを気に入っている。それは従来のMotoGP リミテッドエディションと比較して、T-レースらしい伝統的なデザイン要素をしっかりと踏襲しながらも、同コレクションに関心を持たなかった時計愛好家層にも評価されるモデルであると感じたからである。スケルトンデザインでメカニカルさを演出したダイヤルは、飾り気がないながらいかにも工業製品的で、そのタフなサイズ感も相まって男心を激しく揺さぶられた。
その際に、「過去のコレクションで象徴的だったMotoGP™のテーマカラー“赤”をあえて使用しなかった点」を英断だと記したが、その2025年のモデルがあったからこそ今年のレッドモデルをすっと受け入れられたように思う。加えて、赤の使い方も時計本体においては秒針に限られる。僕個人としては、赤いストラップも軽装になる春夏においてはアクティブなアクセントとなってくれそうで好印象だが、サイズ的にT-レースコレクションの他モデルとも互換性がある。付け替えてしまえばグッとシックな雰囲気も作れるはずだ(交換には六角レンチが必要だが)。さらに、ベゼルインサートに採用されたフォージドカーボンが、一段上の高級感を演出している。モータースポーツを象徴する素材でありながら、今やジャンルを問わず愛されるこのマテリアルが、時計の質感を巧みに底上げした。ブラックで統一されたビスのディテールも、見事なこだわりである。
モータースポーツのテイストが盛り込まれたクォーツクロノグラフモデルは、シリアスなMotoGP™ファン向けの時計である。まさにコレクターズアイテムといった趣が強い。しかし自動巻きモデルは今年も、モータースポーツシーンと機械式時計好きの架け橋となる調和のとれた良作に仕上がった。また、ラバーストラップのホールド感のおかげで装着感も素晴らしい。この記事も同モデルを腕に乗せたまま一気に書き上げたほどだ。ミドルケースにセラミックをインサートしているためか、見た目ほどの重さも感じさせない。
昨今のティソはパワーマティック80を搭載しつつ7万円台を実現したクラシック ドリームのような入門機を充実させる一方、本作のような時計愛好家受けするモデルもバランス良く発表することで、ブランドのアイデンティティを巧みに訴求している印象だ。正直僕自身も本作を受け、T-レースコレクションを改めて見返しているところである。本作がリミテッドエディションとして、ティソとモータースポーツの親和性をこれほど強く象徴し得るのは、時計そのものに機械式クロノグラフとしての確かな魅力が宿っているからではないだろうかと思うのだ。
基本情報
ブランド: ティソ(Tissot)
モデル名: ティソ T-レース MotoGP™ オートマティック 2026 リミテッドエディション/ティソ T-レースMotoGP™ クォーツクロノグラフ 2026 リミテッドエディション
型番:T141.462.27.051.00(オートマティック)/T141.417.37.422.00(クォーツクロノグラフ)
直径: 45mm
厚さ: 14.79mm(オートマティック)/11.76mm(クォーツクロノグラフ)
ケース素材: 316L ステンレススティール
文字盤色: スケルトン(オートマティック)/仕上げを施したレッドダイヤル(クォーツクロノグラフ)
インデックス: アプライド(オートマティック)/プリント(クォーツクロノグラフ)
夜光: スーパールミノバ®︎
防水性能: 10気圧防水
ストラップ/ブレスレット:ラバーストラップ(オートマティック)/シリコンストラップ(クォーツクロノグラフ)
ティソ T-レースMotoGP™ クォーツクロノグラフ 2026 リミテッドエディションの裏蓋。
ムーブメント情報
ティソ T-レース MotoGP オートマティック 2026 リミテッドエディション
キャリバー: バルジュー A05.951
機能: 時・分表示、センターセコンド表示
パワーリザーブ: 68時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 28
追加情報:ニヴァクロン™ヒゲゼンマイ、NIVACHOC A耐震システム搭載
ティソ T-レースMotoGP クォーツクロノグラフ 2026 リミテッドエディション
キャリバー: スイス製クォーツムーブメント
機能: 時・分表示、センターセコンド表示、クロノグラフ表示
追加情報:電池切れ警告機能(EOL)
価格 & 発売時期
価格: オートマティック 32万5600円/クォーツクロノグラフ 10万5600円(ともに税込)
発売時期: 2026年3月4日(水)
限定:オートマティック 世界限定2026本/クォーツクロノグラフ 世界限定8000本
詳細は、こちらをクリック。
Photographs by Yusuke Mutagami
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