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Introducing ニバダ グレンヒェン 交換可能なベゼルを備えた新作クロノキングとクロノマスター(編集部撮り下ろし)

回転ベゼルの新たなひねり(または着脱)。

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Photos by Mark Kauzlarich


我々が知っていること

ニバダ グレンヒェンは、ヴィンテージコンセプトを復活させることにかけて定評がある。実際、それがブランドの特徴とも言える。ギヨーム・ライデ(Guillaume Laidet)氏が指揮を執ったこの現代的なリバイバルでは、クロノマスターやクロノキングといった過去のモデルが復刻され、ダイヤル、ムーブメント、カラーバリエーションのバリエーションは無限に広がっている。本作は1960年代初頭に登場したCOLORAMA(コロラマ)VIウォッチから着想を得た交換可能なベゼルを搭載し、それをブランドの象徴的なクロノグラフに応用している。今回新たに3モデルが追加され、それぞれに5種類の交換可能なベゼルが付属している。

nivada chronoking with many bezels
coloroma spread

コロラマ VI

coloroma bezel up close

 ニバダは今回、クロノマスター “ブロードアロー”、クロノマスター “シンガー・ポール・ニューマン”、クロノキング・メカクォーツの3モデルに対して、工具を使わずに取り付け可能な双方向回転式スナップオンベゼルキットを新たに導入した。文字盤に関しては、クロノマスター “ブロードアロー”はほぼ変わっておらず、これはニバダの現代的復活を象徴するモデルのひとつと言えるため、ベゼルキットにおいても変更なしとするのは理にかなっている。同モデルには5種類のアルミニウム製ベゼルが付属しており、ブラック、ブルー、グリーン、レッドのベゼルには分・時の目盛りが刻まれている。さらにブラックとレッドのツートンベゼルには、黒い部分に分目盛り、赤部分には都市名が配されている。

chronomaster broad arrow

クロノマスター ブロードアロー

 もうひとつのクロノマスターはシンガー社風の文字盤を採用し、ブランドのエントリーモデルとして初めて“ポール・ニューマン”スタイルのインダイヤルを採用した。このモデルは決して安価ではなく、価格は1975ドル(日本円で約29万円)からだが、2021年に発売されたバルジュー23をベースとした限定モデル(4900ドル、日本円で約70万円)に比べればかなり手ごろだ。文字盤は、強いコントラストを持つブラックとホワイトのデザインで、インダイヤル、タキメーターリング、針、そしてインデックスはすべて黒、文字盤のベースとインダイヤルのプリントは鮮やかな白という配色になっている。とてもクリーンな印象で、わずかに赤のアクセントがある。このクロノマスターモデルには異なる文字盤を採用しているが、ブロード アローと同じ5種類のベゼルが付属している。

chronomaster singer wrist shot

この新しい“レッド&ブラック”ベゼルは、クロノマスターのシンガー風文字盤にとてもよくマッチしている。

 ニバダの現代版クロノマスターはこれまで、機械式モデルに手巻きのセリタ製SW510クロノグラフムーブメントを使用していたが、新たにリリースされたふたつのクロノマスターは、過去にニバダが採用していたムーブメントサプライヤーへのオマージュとして、手巻きのランデロン70ムーブメントを搭載している。これらのモデルにはサファイアケースバックを選べるオプションがあり、選択するとムーブメントを隅々まで見ることができる。仕上げに関しては適切な表現が見当たらない。まあまあといったところだが、現代版において選択肢があるのはいいことだ。特に、サイト上にはソリッドケースバックのオプションも多く用意されている。クロノマスター “ブロードアロー”と“シンガー ポール・ニューマン”はどちらも直径38mm、厚さ13.75mmで、価格は1975ドル(日本円で約29万円)からとなっている。

chronoking dial
chronoking back
chronoking bezel insert up close

 新ラインナップの最後を飾るのは、クロノキング・メカクォーツの新たなアプローチだ。このモデルは昨年大きな成功を収めたが、今回はマットな質感の文字盤、ラリースタイルのミニッツトラック、そして鮮やかなオレンジをふんだんに使うなど、ヴィンテージから着想を得たデザインとなっている。特に注目されるのはベゼルで、クロノキングには合計10種類ものベゼルオプションが用意されている。この時計を注文する際には、GMTかタキメーターベゼルの2種類から選択が可能だ。別途説明はいらないかもしれないが、色使いがとてもおもしろい。GMTベゼルはプレキシガラスのインサートを備え、外側の黒いリングには都市名がホワイトのスーパールミノバでエングレービングされている。インナーリングにはタキメータースケールがあり、オレンジ、グレー、ピンク、ブルー、グリーンといったさまざまな配色がされている。タキメーターベゼルはソリッドカラーで、ブルー、オレンジ、レッド、グレー、ブラックの各色にタキメータースケールが付いている。

 クロノキング・メカクォーツは、ほかのメカクォーツバージョンと同様に直径38mm、厚さ13.4mmだ。内部には、クォーツによる計時ながらクロノグラフ機能のための機械式モジュールを組み合わせた、VK63メカクォーツムーブメントを載せている。このムーブメントの特徴として、3時位置のインダイヤルに固定された24時間表示が備わっている。クロノキング・メカクォーツの価格は579ドル(日本円で約8万円)からで、標準モデルより約100ドル(日本円で約1万5000円)高いが、これは5つの交換可能なベゼルが付属しているためだろう。


我々の考え

ニバダ グレンヒェンがカスタマイズを通じて顧客の要望に応えるアイデアを取り入れるのは、今回が初めてではない。過去には、デプスマスターやクロノマスターに対して“ミックス&マッチ”スタイルでカスタマイズオプションを提供していた。限定的な期間ではあったが、顧客はベゼル、ダイヤル、針、ストラップなどを自由に組み合わせ、自分だけのモデルをつくることができた。ギヨーム氏は、“顧客は常に正しい”という考えのもとこれらのプログラムを進めたようだが、なかにはあまり見栄えのしない組み合わせもあったに違いない。交換可能なベゼルでは、ギヨーム氏はあらかじめ設定されたフレームワークのなかで、購入後も顧客が自分の好みに合わせて時計をカスタマイズできるようにしている。これは通常、あとから変更できるものがストラップくらいだということを考えると、なかなかおもしろいアイデアだ。

bezel itself

 クロノマスターのバリエーションに関しては、ランデロン70ムーブメントがセリタ製SW510と比べてどのようなパフォーマンスを見せるか、非常に気になるところだ。SW510は、この価格帯で事実上標準的な手巻きクロノグラフムーブメントと言えるが、今までランデロンという名前のムーブメントが存在しているとはまったく知らなかった。少し調べてみると、ランデロン スイス ムーブメント(Landeron Swiss Movements)という会社が存在し、いくつかのパートナーが記載されていることが分かった。つまり別のニュースとして、ランデロンが新たな形で復活していることを知ったわけだ。このパートナーシップは歴史的なつながりを考えれば納得できるが、これはかつてのランデロンではないだろうと思う。今後、同クロノグラフムーブメントがどのような性能を発揮するのかは時間が教えてくれるだろう。この価格帯なら、個人的にはセリタムーブメントのほうが安心できたかもしれない。

 この3つのなかで、個人的に最も興味深いのはクロノキング・メカクォーツだ。とくに質感のある文字盤がとても気に入っている。このモデルのすべてのバリエーションに共通している特徴はくぼんだインダイヤルで、これが文字盤にさらに深みを与えている。文字盤をじっくり見ると、いくつものレイヤーが存在しているようだ。こうした立体感のおかげで、579ドル(日本円で約8万円)の時計がその価格以上の価値を感じさせる仕上がりになっている。さらに、プレキシガラス製のGMTベゼルも興味深く、視覚的に時計をより魅力的にしているようだ。忙しないデザインが、ここではうまく機能している。

wrist shot

 交換可能なベゼルもかなり楽しめそうだ。また、ニバダ グレンヒェンは現在、追加のモデルも開発中だと述べている。このことから、いずれギヨーム氏とチームがベゼル単体でのリリースにも取り組むだろうと予想される。これによりコレクターがすでに所有している時計に新たな命を吹き込める、素晴らしい方法となるだろう。アクセサリーを通じたカスタマイズの新たな選択肢を提供するだけでなく、販売後もブランドと顧客とのつながりを維持する、賢い戦略だと言える。


基本情報

ブランド: ニバダ グレンヒェン(Nivada Grenchen)
モデル名: クロノマスター インターチェンジャブル・ベゼル(Chronomaster with interchangeable bezels)、クロノキング インターチェンジャブル・ベゼル(Chronoking with interchangeable bezels)
型番: 86056M01LO(ブロードアロー)、86054M01LO(ポール・ニューマンダイヤル)、87042Q01(クロノキング・メカクォーツ)

直径: 38mm
厚さ: 13.75mm(クロノマスター)/13.4mm(クロノキング)
ケース素材: ステンレススティール
文字盤: ブラック(ブロードアロー、クロノキング)/ホワイト(ポール・ニューマン)
インデックス: アプライド(ポール・ニューマン、クロノキング)/プリント(ブロードアロー)
夜光: あり、スーパールミノバ
防水性能: 100m
ストラップ/ブレスレット: 全12種類からなるさまざまなストラップ&ブレス

up close chronomaster with separated bezel

ムーブメント情報

クロノマスター
キャリバー: ランデロン70
機能: 時・分表示、スモールセコンド、クロノグラフ(24時間表示)
直径: 30.4mm
厚さ: 7.58mm
パワーリザーブ: 約46時間(クロノマスター)
巻き上げ方式: 手巻き(クロノマスター)
振動数: 2万8800振動/時(クロノマスター)
石数: 32

クロノキング
キャリバー: VK63メカクォーツ
電池寿命: 約3年


価格 & 発売時期

価格: クロノマスターは1975ドル(日本円で約29万円)から、クロノキング・メカクォーツは579ドル(日本円で約8万円)から
発売時期: 最初のデリバリーは10月初旬からスタート
限定: なし

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