trophy slideshow-left slideshow-right chevron-right chevron-light chevron-light play play-outline external-arrow pointer hodinkee-shop hodinkee-shop share-arrow share show-more-arrow watch101-hotspot instagram nav dropdown-arrow full-article-view read-more-arrow close close email facebook h image-centric-view newletter-icon pinterest search-light search thumbnail-view twitter view-image checkmark triangle-down chevron-right-circle chevron-right-circle-white lock shop live events conversation watch plus plus-circle camera comments download x heart comment default-watch-avatar overflow check-circle right-white right-black comment-bubble instagram speech-bubble shopping-bag

Introducing ジン ナビゲーションクロノグラフ 903がリニューアル(編集部撮り下ろし)

二度見してしまうようなデザインだが、これは紛れもなく、古くから続くジンのナビゲーションクロノグラフである。

ADVERTISEMENT

Photos by Yuki Matsumoto


クイック解説

ジンのナビゲーションクロノグラフは、その優れた機能性と独特のデザインで多くのファンを魅了している。今回、新たに発表されたナビゲーションクロノグラフの903.St.IIシリーズも、実用的な対数目盛りに加え、インデックスを刷新することで視認性をさらに高めた、精緻な設計を兼ね備えたモデルだ。

 まずはこの903というコレクションについて、軽く触れておきたい。ブライトリングのナビタイマーと非常に似たこの顔は、単なる模倣ではなく、実際にブライトリングのオリジナルパーツを使用していたことがルーツにある。1970年代、クォーツ時計の普及により機械式時計メーカーが大きな打撃を受けた。ブライトリングもほかのブランド同様深刻な経営危機に直面し、1979年には活動を停止するに至った。そこでブライトリングは、4代目CEOとなるアーネスト・シュナイダーに経営権と商標権を譲渡するのだが、その際、余剰となった多くの時計パーツやムーブメントが売却される。その部品を買い取った数ある企業のひとつがジンであり、ブランドはそれらオリジナルのナビタイマーのパーツを使って、903コレクションとして販売したのだ。これは一部の時計マニアのあいだでは有名な話である。

 現代に至るまでブラッシュアップを重ね、45年以上製造を続けている903シリーズだが、今回は装いを新たにケースを再設計。10時位置のリューズで操作できたインナーベゼルを廃止し、よりオリジナルに近しい見た目となった。ケースの内側に備えたシルバー仕上げを施した計算尺のついた双方向回転ベゼルはスムーズに操作できるようになった。

 ポリッシュとサテンで仕上げ分けされた、41mm径、14.5mm厚のステンレススティールケースに、サンレイ仕上げまたはマット仕上げのダイヤルを収め、その上には手作業でインデックスが取り付けられている。このインデックスはプリントではなく、厚みのあるハイブリッドセラミックという夜光塗料を用いている。時計を横から見ると、四角柱のような形状であるのがわかるだろう。

 内部にはスイス製自動巻きムーブメント、ラ・ジュー・ペレ社製のCal.LJP L112を搭載。旧モデルのムーブメントもラ・ジュー・ペレ社製であったが新作はスペックの向上が図られ、パワーリザーブが約42時間から約60時間へとアップデートされた。世界限定500本のライトブルーは85万8000円、通常のブレスレットモデルは82万5000円、カウレザーストラップモデルは75万9000円(すべて税込予価)で、今年の初夏に発売される。


ファースト・インプレッション

新作の903.St.B.E.IIは、そのクラシックなデザインに現代的な要素を見事に融合させている。例えば、12時位置のロゴがポリッシュ仕上げの植字仕様となり、控えめながらも存在感を放っている。

 ブライトリングのナビタイマーと似通った見た目であっても、サブダイヤルの意匠や日付の位置(ライトブルーはノンデイト)などが異なる。時間、距離、燃料消費量を計算できる対数目盛はややごちゃついた印象ながらも、視覚的なバランスは取れていると感じる。

 41mmのSSケースという同じ条件のナビタイマーの価格が110万円を超える価格であることを考えると、ジンの903は82万5000円(ライトブルーは85万8000円)、型押しカウレザーストラップ仕様だと75万9000円(すべて税込予価)であり、より手に取りやすい価格だと思うのだ。

 またノンデイト主義者である読者(HODINKEEエディターも含む)は、“ライトブルーでノンデイトができたのならすべてのモデルに適用できたはずだ”と嘆くのだろうか、と少し思った。ただデイト付きモデルとノンデイトモデルのすみ分けは、きっと多くのユーザーのニーズに応えるための工夫なのである。


基本情報

ブランド: ジン(Sinn)
モデル名: 903.St.B.E.II(マットブルー)、903.St.HB(ライトブルーサンレイ)

直径: 41mm
厚さ: 14.5mm
ケース素材: ステンレススティール
文字盤: ブラックサンレイ、マットブルー、ライトブルーサンレイ
インデックス: アプライド
夜光: あり、ハイブリッドセラミック
防水性能: 20気圧防水
ストラップ/ブレスレット: ステンレススティールブレスレット、またはカウレザー


ムーブメント情報

キャリバー: LJP L110(903.St.II)、LJP L112(903.St.HB)
機能: 時・分・スモールセコンド、日付表示、クロノグラフ(30分積算計、12時間積算計)
パワーリザーブ: 約60時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 26
追加情報: 4800A/m(DIN8309準拠)の耐磁性能


価格 & 発売時期

価格: 限定のライトブルーは85万8000円、通常のブレスレットモデルは82万5000円、カウレザーストラップモデルは75万9000円(すべて税込予価)
発売時期: 2024年初夏発売予定
限定: ライトブルーのみ世界限定500本

詳しくはこちらをご覧ください。