Introducing ビバーウォッチ カリヨン トゥールビヨン シグネチャーシリーズ

　ビバーのカリヨン トゥールビヨンについてはこれまで何度も紹介してきたが、ブランド立ち上げ時にこのモデルを選んだのはかなり大胆な決断だった。その後もメティエ・ダールを取り入れたさまざまなバリエーションが展開されている。初期モデルでは、創業者ジャン-クロード・ビバー（Jean-Claude Biver）氏の嗜好を反映したストーンダイヤルを特徴としていた。昨年には時刻表示のみの“オートマティック”モデルも発表され、複数のアップデート版も登場している。この初代オートマティックはヴィンテージデザインに着想を得たもので、異なるテクスチャーを組み合わせたダイヤルを備えている。今回発表された新しいシグネチャーシリーズもその流れを汲み、これまでトゥールビヨンが見えていたダイヤルをあえて隠すことで、外観を刷新した。このデザイン変更によって、ヴィンテージ調のケースとの一体感がいっそう際立つ佇まいとなった。またケースにはヴィンテージパテックにも見られるような長めのラグが採用されている。

　新作にはチタンまたはチタンとRGのツートンブレスレットが組み合わされており、4mmの微調整が可能なマイクロアジャスト機構を備える。また、時計とおそろいのカフリンクスも追加で購入が可能で、これはパテックやオーデマ ピゲといったブランドでも見られるサービスだ。カフリンクスには手作業によるサテン仕上げと、金を象嵌した装飾を採用。さらにコンケーブベゼルで縁取られているため、時計本体と共通する仕上げやデザインの雰囲気が感じられる。時計自体も、ケースから細部に至るまていねいな手仕上げが施されており、価格は47万5000スイスフラン（日本円で約8640万円）だ。

　自分はツートンの時計にはあまり手が伸びないタイプだが、このモデルのダイヤルは非常に魅力的だと感じた。それでも個人的にはチタンモデルのほうが好みに合っている。そして本モデルで一番大きなデザイン上の進化だと思うのは、ダイヤルを閉じてトゥールビヨンを隠した点だろう。これはいかにもパテックらしいアプローチだ（知らない人のために補足すると、パテックはサファイア製のディスプレイケースを採用しない限り、トゥールビヨンを表側に見せることはない）。この控えめな仕様は、オートマティックモデルとセットで揃えたい人にとっても理想的な選択肢になるはずだ。

ブランド: ビバーウォッチ（Biver Watch）
モデル名: カリヨントゥールビヨン シグネチャーシリーズ チタン／カリヨントゥールビヨン シグネチャーシリーズ ツートン（Carillon Tourbillon Signature Series Titanium／Carillon Tourbillon Signature Series Two Tone）

直径: 42mm
厚さ: 13.7mm
ケース素材: チタン／チタン＆18Kローズゴールド
文字盤色: チタン＆18KWG ／チタン＆18KRG
インデックス: アプライドのホワイトゴールド製シュマンドフェール
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: チタン製またはチタン＆RG製ブレスレット（チタン製フォールディングクラスプ、マイクロアジャスト付き）

キャリバー: JCB-001-B
機能: 時・分表示、カリヨンミニッツリピーター、トゥールビヨン
直径: 34mm
厚さ: 7.1mm
パワーリザーブ: 72時間
巻き上げ方式: 自動巻き。両方向巻き上げ式のプラチナ製マイクロローター搭載
振動数: 2万1600振動/時
石数: 44
追加情報: 374個の部品、内側無反射コーティング付きサファイア風防、サファイアクリスタル製シースルーバック

価格: 47万5000スイスフラン（日本円で約8640万円）
発売: 現在はブランドのオンラインブティック、香港ラウンジ、そして正規販売店にて展開。米国ではニューヨークのMaterial Goodでのみ取り扱い
限定: あり、ツートンは5本、チタンは2本の限定生産

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